ブルーマーダー

著者 :
  • 光文社
3.80
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本棚登録 : 2412
感想 : 346
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  • Amazon.co.jp ・本 (436ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334928551

作品紹介・あらすじ

あなた、ブルーマーダーを知ってる?この街を牛耳っている、怪物のことよ。姫川玲子。常に彼女とともに捜査にあたっていた菊田和男。『インビジブルレイン』で玲子とコンビを組んだベテラン刑事下井。そして、悪徳脱法刑事ガンテツ。謎めいた連続殺人事件。殺意は、刑事たちにも牙をむきはじめる。

感想・レビュー・書評

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  • 4.5
    個人的にはインビジブルレインより好きかな。
    やはり姫川には恋愛話は要らないかも、、、

  • 菊田っ!お前、小さくまとまりやがって!残念だっ!愛しの姫川玲子6作品目。今回はグロテスクな表現がありましたが、気持ち悪くなるほどではない。死体が丸まるという表現と凶器のスタンプのイメージも残念ながら湧かなかった。まだまだ修行が足りませんね~。今回は兎にも角にも菊田の結婚。まだ未練があるのではと随所に思わせる。しかし、捜一の姫川班再結成の際には加わりたいという意気込み、今後の展開が楽しみだ。玲子が岩渕と対峙するシーンはとてもシビレました!いつもながら玲子に対する皮肉は勝俣らしく、悪の権現様ですね。

  • 読むのに時間がかかったけど続編が読みたい

  • 久しぶりの姫川だー。相変わらず残酷シーンは過激だが、どこか乾いて滑稽にすら感じられる。被害者がいつもは自分達が加害者だからなのか?
    正義感の強過ぎた男が裏切られた時にどうしてそう言う行動に出たのか、イマイチ理解不能。
    自ら捕まる事で誰が裏切った張本人なのかは明らかになったが、それだけで満足だったのか?
    組織の中でもがきながら正義を貫こうとする側と組織を外れて自分なりの正義を執行する犯人。
    保身や組織を守る事だけを重要と考える者。誰が一番悪い奴なのかは複雑。
    相変わらず嫌な奴のガンテツ。武田鉄矢のガンテツが忘れられない。

  • 著者は1969年生まれなので、この作品を書いたときの年齢は40代前半か。
    この作品は、「インビジブルレイン」よりも後に書かれたものである。

    意味がわからず調べた単語は、
    「地取り」
    これは、地取り捜査(じどりそうさ)のことで、地域を決めて行う犯罪事件の聞き込み捜査。

  • 姫川シリーズ第五弾。
    前作の内容をほとんど憶えてなくて、最初は展開についていけなかった。姫川の出番も少ないし。
    後半になるに連れて、本来のスピード感も出て来て、一気に読めた。
    前作で解散してしまった姫川班。次作で復活することに期待。

  • 姫川玲子シリーズの新作。「ストロベリーナイト」の今までにない警察小説と主人公の姫川という女性が魅力的で引き込まれ、シリーズを読んできた。前作「インビジブルレイン」で姫川シリーズも終わりかと思ったが、「こういう展開もあり」かと納得。いろいろな場面をモザイクのように積み重ね、伏線を多彩に張り巡らし、だが最初のうちは単なる連続殺人事件サスペンスではないかと思わせる。しかしクライマックスでは事件の解決と共に姫川と菊田の感情もストーリーに絡ませ、終焉を迎える。「さすが」である。クライマックスは一気に読んでしまった。姫川の女性としての魅力と悲しみ、その捜査力のすばらしさ、これからもこのシリーズは続けてほしい。

  •  姫川玲子のシリーズが『ストロベリーナイト』のタイトルでドラマ化され、さらに今年は『インビジブルレイン』が映画化された。映画にもなった『インビジブルレイン』は、姫川の許されぬ恋と、彼女の抱える闇というテーマが大写しになった作品であったが、ほぼ原作に忠実に描かれた中で唯一、組対課の刑事・下井の存在は映画化にあたって無視されてしまっている。

     しかし映画であれ、原作であれ、そのラストシーンで解散を余儀なくされる姫川班のその後については、シリーズ追っかけ読者としては極めて興味深い。

     その後のことはテレビドラマでは短編集のようなドラマを組んで、特別番組として、奇しくも映画封切りの本年1月26日の夜に放映された。内容は『感染遊戯』を原作としたものに色をつけたものである。

     本書『ブルーマーダー』は、シリーズのそうした慌ただしい動きの中で前後して出版されている最新作であるから、本当の意味での『インビジブルレイン』の後日談である。しかし後日談という読み方をせず、単独の警察小説として読んでも別に構わないだろう。姫川、菊池、下井、勝俣といった主だった刑事たちのそれぞれの活躍ぶりを見ると、シリーズを順番に読むことをお勧めしたいが、単独で読んでも充分このシリーズのよさは味わえると思う。

     なぜなら今回の殺人犯は、極めて謎に包まれているからだ。そして刑事たちのそれぞれの動きと、一見無縁のように見える殺人犯の動きが、どういうわけか、姫川の移動した先である池袋署管内にどんどん集約してゆく。全部が紐解けるまで、ブルーマーダーと呼ばれる殺人鬼の秘密はわからないのだが、とにかく際立って目立つキラーぶりである。

     まず消されるのが、ヤクザ、暴走族上がり、中国人組織、と暗黒街をのしている現代の反社会団体たちのメンバーに限られている点。またその殺人の残忍さと容赦なさはバイオレンスの極致である。その被害者の数も正確ではなく、もはや都市伝説と化している池袋の夜が、暴力の張り詰めた気配に満ちているのだ。

     本来あるべき暗黒街VS警察という彼我の闘いを無視したその遊撃的な殺人者たちの行動が本書の軸である。スリリングな展開と、いつも用意されてゆく活劇。これら娯楽小説の要素が集まって、パワフルなエネルギーとなっている辺りが、このシリーズの魅力である。

     このように刑事たちがひとつの事件に集約するストーリーを毎度毎度書けるとは到底思えない。次は一体どこへゆこうというのだろうか。

     姫川は、菊池は、勝俣は?

  • まだ読み終わったあとの高揚感が残っている。
    陰惨で凄まじい描写が多く、その殺戮場面を脳裏に浮かべると陰鬱な気持ちになりかけるが、それでもドキドキしながらページをめくる手が止まらないクライムサスペンス小説。

    誉田哲也氏の所謂“警察小説”といわれるものを初めて読んだが、なるほど、評価されるだけの迫力があった。
    ドラマで「ストロベリーナイト」を見ていたので、主人公の女性刑事姫川玲子は竹内結子で、「ガンテツ」は武田鉄也で脳内再生しながら読んだが、何の違和感もなく、ドラマのキャスティングは見事に嵌っていたと思う。

    ──舞台は池袋。次々と起こる無差別殺人。
    犯人は誰か?ヤクザの抗争がらみか、それとも“半グレ”の仲間たちによるものか。
    警察の知らない闇深いところで犯人の行動は着々と進行していた。
    殺戮の動機は何なのか?
    それは、警察の機構改革や裏切りなどとも関連していた。

    これまで読んだ「世界で一番長い写真」や「幸せの条件」「あなたが愛した記憶」などとは、全く異なった、おそらくこちらが彼の本流というべきなのだろう犯罪小説。
    手に汗握る感じで読み終えた。
    途中、玲子の心理描写とも言うべき独り言的な台詞には少し違和感があったが、慣れればストーリーを遮るほどではない。 
    この小説を読んで思ったのだが、作者は心理描写の表現手法にやや甘さがあるのではないか。
    だから「あなたが愛した記憶」のような複雑な心理描写が展開される作品はやや無理がある感がする。
    この作品のように、無機質で、ところどころに心情が混じるようなストーリー重視の犯罪小説なら納得がいくのだが、心情表現がメインになる作品では厳しい。
    まだ「武士道」シリーズなどは読んでいないので、断言はできないけれど。
    ただし、犯罪小説としては、ストーリー展開も緻密で、かなり面白かった。
    「ストロベリーナイト」を初めとしたほかの姫川玲子シリーズも読みたくなった。

  • ハマって読んでいる姫川玲子シリーズ。

    おもしろい。
    菊田との関係も、あぁぁぁと思いつつも、現実ってそんなもんだみたいな気持ちになる(物語だけども)

    立てこもりのシーン、強行突破のとこ。泣けた。泣けたー!

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著者プロフィール

誉田哲也
1969年東京都生まれ。2002年『妖の華』で第2回ムー伝奇ノベル大賞優秀賞受賞、03年『アクセス』で第4回ホラーサスペンス大賞特別賞受賞。主なシリーズとして、『ジウⅠ・Ⅱ・Ⅲ』に始まり『国境事変』『ハング』『歌舞伎町セブン』『歌舞伎町ダムド』『ノワール 硝子の太陽』と続く〈ジウ〉サーガ、『ストロベリーナイト』から『ルージュ 硝子の太陽』まで続く〈姫川玲子〉シリーズ、『武士道シックスティーン』などの〈武士道〉シリーズ、『ドルチェ』など〈魚住久江〉シリーズ等があり、映像化作品も多い。

「2023年 『ジウX』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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