こちら弁天通りラッキーロード商店街

著者 : 五十嵐貴久
  • 光文社 (2013年1月18日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334928674

作品紹介

印刷工場を経営していた笠井武は、友人の連帯保証人になったことから莫大な借金を抱えてしまった。苛烈な取り立てから逃げた先の無人の寺で一夜を過ごし、首をくくろうかと考えていた彼は、町の老人たちに新しい住職と勘違いされる。「ポックリ逝かせてほしい」と懇願された笠井が事情を尋ねると、彼らはシャッター商店街の老店主たちで、もう生きていても仕方ないと言うのだが-。老店主たちに頼られたニセ坊主の思いつきは、町と人々を再生できるのか!?読んだら希望が湧いてくる、痛快エンターテインメント。

こちら弁天通りラッキーロード商店街の感想・レビュー・書評

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  • おもしろかったです。
    「但し」付きで。

    知人の連帯保証人になり、莫大な借金を肩代わりするハメになった笠井。
    会社をたたみ、妻子と別れ、死に場所を求めて電車に乗り辿り着いた町で、大雨に降られ、飛び込んだ無人のお寺。濡れた服を置いてあった袈裟に着替えたことから、新しく来た住職と間違われる。
    誤解を解く間もなく御前様と呼ばれ、集まってきた老人たちに囲まれありがたがられる。どうやら「ポックリ」にご利益のあるお寺らしい。
    老人たちは近くのアーケード街の組合員。新しくできたショッピングモールのせいでシャッター街となり、年金で暮らす老人たちの今の願いはただひとつ「ポックリ」だけ!
    衣食住が保障された扱いに住職のマネを続ける笠井だが、喫茶店にふと提案した100円コーヒーが受けたことから他の店にも次々と相談され……

    何をどうしたからといって「これ以上は悪くなることはない」という、笠井の開き直りと商店街の実情が同じなので、戸惑いつつも老人たちは無茶苦茶な提案を受け入れ、とうとう商店街は「なんでも100円」に。
    発想はおもしろいけれど、実際で考えると……
    パン100円は今時ショッピングモールにも入っていたりするし、着物屋さんや電器屋さんは、その後のお教室や何でも屋のようなフォローだけでは後に続く商売としては弱い。
    閉めたままよりはいい・古くなっていくだけの商品を置いていても仕方がないという前提と、なによりもう一度働くという生きがいを感じることが、老人たちの一番求めていることなのだとわかっているのだけど……気になる。

    リアルを求める派ではないのになぜこんなに気になるのかといえば、帯やあらすじで、シャッター商店街を立て直す・商店街がショッピングモールに対抗する案、などが描かれているのかなと期待して読んでしまうから。――書かれていません(笑)

    そして、ここで冒頭の「但し」を。
    ・時代を100円パン屋が無かったくらい前だと設定。
    ・電車を降りた時点で「世にも奇妙な物語」のようなSF的平行世界に迷い込んだファンタジーだと思う。
    これでばっちりおもしろく読めます。


    でもいっこだけ、どうしても突っ込みたい。
    「アーメンソーメンヒヤソーメン」「ポックリポックリ」……
    いくらなんでもウソお経だってわかるって!!

  • 知人の借金の連帯保証人になってしまったばかりに、悪い借金取りに追われ逃げ出した男が、ひょんなことからお寺の住職に間違われ、近くの寂れたシャッター商店街を再生させるというお話。
    かなり読みやすく、そんなアホな!と思うような展開だが、面白くてあっという間に読んでしまった。商店街の老人達がいい人過ぎる。こんな商店街があったら、私も訪れてみたくなるだろう。最近、うちの近くの商店街もシャッターが目立つが、やはり活気のある商店街はショッピングモールやデパートよりも心躍るなぁと。古き良き商店街が意外と好きな私です。

  • 直前に読んでいた本とは比べ物にならないくらいのリーダビリティ、というか読みやすさ。サクサクを通り越している。
    「寂れた商店街」というモチーフは荻原浩さんにもあったが、こちらは五十嵐さんらしい、突き抜けた脳天気さがある。
    リアリティには欠けるかもしれないが、こんなファンタジーもあっていいんじゃないかと思えてくる。
    出だしの部分は、道尾秀介さんの新刊「笑うハーレキン」を思い出させるが、その後の展開は全く違う。
    フィクションならではのぶっとんだ展開がとても楽しい。
    ラストは「こうなってほしい」と思わせるような成り行きになっていて、しかし完全に非現実的かというとそうでもないあたりが、くすぐったい気持ちにさせる。
    「働くこと」「商売すること」について、ふと考えてしまう作品だった。
    突っ込みどころはたくさんあって、ずいぶんざっくりした作りだなとは思ったが、まあいいんじゃないだろうか。サクッと読めて、ちょっと思うところが残るから。

  • あるわー、シャッター商店街。
    お店が気に入らないとかではなく、商店街って駐車場がないから足が遠のくんだよな。
    近所なら歩いてい自転車で行けるから問題ないのかもしれないけれど、車で行くとなるとどうしても駐車場完備の大型店に行ってしまう。
    そんな寂れた商店街をなぜか立てなおしてしまったという爽快な話。
    まず勝手にお寺に寝てただけなのに勘違いされたところがポイント。
    商店街の人々もおおらかというか投げやりというかそういうタイプが多かったのもポイント。
    後は言われた通り素直に従っただけで商店街復活。
    100円商店街かぁ。それはそれで楽しそう。

  • そんな話、ないでしょと言いたくなるような展開ですが、とにかくテンポがよくユーモラス。
    ケラケラ笑いながらあっという間に読める本です。
    ちょっと疲れた時、元気が欲しいときに読むのがおススメ☆

  • おもしろくないわけではないのです
    でも
    なにか降ってきそうで
    なにも降って来ない
    サラッとペラっと読めて
    トレーシングペーパーみたい
    http://momokeita.blog.fc2.com/blog-entry-249.htmlより

  • 安易な坊主

  • 図書館で。
    どうせ開店閉業みたいな商売なら最後一つ賭けに出ようじゃないか、という中々思い切りの良い商店街の話。
    個人的には疑り深そうな年代のご老人達が袈裟を着ているというだけでホイホイと主人公に懐いたり、信頼を寄せるのが不思議でもあり。後主人公がかなりダメ男。いい加減な事言ってえばってるだけなのに周囲の優しさに付けこんでる感がエスカレートして行く過程は不愉快。妻子を呼び寄せようとする辺りで大丈夫なのか?と思ったらダメだった。まあそうだよね。っていうかお前真面目に働けよ。チラシぐらい配るの手伝ってやれよ…

    薄利多売とはいうけれども薄利過ぎて彼らは儲けは出ているのだろうか?というのは素朴な疑問です。サービスを売る、付加価値を付けるというのは良いアイディアかもしれませんが長続きはしなさそう。なので一回こっきりの大サービスの間違いではなかろうかと。その後は又シャッター街に戻るんだろうか…

    そして最後のオチがなんというかすっきりしない。主人公は自己破産してないのか。しても逃れられないのだろうか?赤の他人に債務を肩代わりしてもらってそれでチャラって…なんか荒唐無稽すぎる気がして読後感は良くなかったです。

  • 文庫版の表紙はウソツキですね。
    単行本の表紙の方がちゃんと中身と合ってる。
    女子高生なんて出てきません。偽坊主とじいちゃんばあちゃんばかり。

    そんなにうまく行く訳ない話だけど、行ったらいいなという話。
    にしても突っ込みどころ満載だな(^_^)
    そういう所もTVドラマ的なんだよね。
    だから安心して娯楽として楽しめる。

    装幀 / 泉沢 光雄
    装画 / 佐久間 真人
    初出 / 『小説宝石』2012年1月号~11月号

  •  らしいですね。無責任感が漂うお話です。お互いが幸せならいいでしょう。

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