ハピネス

著者 :
  • 光文社
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本棚登録 : 1785
レビュー : 289
  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334928698

作品紹介・あらすじ

結婚は打算から始まり、見栄の衣をまとった。憧れのタワーマンションに暮らす若い母親。おしゃれなママたちのグループに入るが、隠していることがいくつもあった。

感想・レビュー・書評

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  • 桐野さんには意外な都心のベイエリアのお洒落なタワーマンションに住む母親たちを描いたママ友ストーリー。
    春樹の新作を読み終わって次に手に取った作品だからか、最初は内容の俗っぽさになんだかな・・・、と思いつつ読み始めた。
    ところがあっという間に引き込まれ、気付けば一気読み。
    またもや寝不足だ。

    内容はありがちと言えなくもないが、セレブママへの羨望と嫉妬、夫との不仲、不倫、お受験とてんこ盛り。
    ママ友同士の微妙な空気感や駆け引きなどは角田光代の描く世界の方がよりリアルで繊細で、桐野さんのこの作品はもっとストレートでやや楽観的な気もしなくもない。
    しかし、主人公の有紗がどんな状況下にあっても自分の子供に対する愛情がゆるぎないところがとても好ましいと思った。
    新潟に帰省する場面、夫と決着を付ける場面、色んな場面で涙涙。
    彼女の真の強さに胸を打たれ、変わって行こうとする姿を心から応援したくなった。

    ただ、最後の最後でリーダー的存在だったいぶママの扱い方にどうも納得できず。みうママもそうだけど。
    みんながハッピーって訳にはいかないか。

    それにしてもよくVeryはこの作品連載させたな。
    Veryの目指す主婦像へあきらかなアンチテーゼじゃないかな。
    編集としてはこれでOKだったのだろうか。
    最近は小島慶子のエッセイが評判を呼んでるらしいからこれもまたありなのかもしれないけど。
    まあ、最後の最後まで有紗がセレブの象徴であるタワーマンションを手放さない選択肢がVeryらしいって言えばそうだけど。
    だって、家賃23万だよ、23万!
    このあたり全く共感できず(笑)

  • 東京湾岸エリアのタワーマンションに、訳あって3歳の娘と2人で暮らす岩見有紗。同じような年の子供を持つ、おしゃれなママたちのグループに入るも、自分ともう1人のママ友は公園要員だと言われる。有紗も隠し事をし嘘をつきながら付き合っていくが、他のママにも驚きの隠し事が・・・
    当初、もっと住んでいる場所や、収入などによる陰湿ないじめのようなものを描くのかと思いきや、そこはそれほどでも。しかしながら、有紗のその場しのぎも酷いが、夫の言い分はあまりにも子供じみているような。続編があるようなので期待。

  • 暇とお金を持て余している、幼い子供を持つママ友たちのくだらない日常のお話。
    彼女達は服装・出身校・住んでいる場所等々、あらゆる事で格付けをし、
    マウンティングをして喜んでいる。
    裕福かもしれないが、下品な事極まりない。

    主人公・有紗は消極的で他人を羨んでばかり。
    夫に捨てられかかっているのに、タワマンの暮らしにしがみつき、
    夫や夫の実家の仕送りに頼って生活する、プライドなき人間。
    作者は、そんな有紗が自分の力で生きて行く決意をするまでの成長を
    描きたかったんだと思うんだけど....うーん....。

    突然アメリカでの浮気を告白された後、
    やっぱり元のサヤに戻りたいから、アメリカに来てほしいという夫に、
    「今ここであなたについて行くと、何だかこれまでのあたしが可哀想過ぎて
    やりきれない気がする」
    と言って断るのだが、この理由が今ひとつ腑に落ちない。
    「もうしばらく離れて暮らし、頭を冷やして本当にあなたが必要なのかよく考えたい」
    なら解るんだけどな。
    最後に美雨ママがいぶパパと続いていた事を、嘘をついていた理由もよく解らないし、
    お金と地位のあるいぶパパが家庭や子供を捨て、美雨ママに走るのはちょっと不自然。
    全体的に「うーん」な作品だった。
    登場人物の中に本当に「ハピネス」な人いるんですかね?

  • あんまどす黒くはなかったから、
    拍子抜け?的な感覚はあったなあ、

    ラストの展開も人が変わりすぎ、、

    それでもママ友、タワマンという狭い世界観の中で繰り広げられるめんどくさい見栄の張り合いは読んでいて面白かった。
    こういうセレブリティ的な世界で生きている人たちは、我々が思ってるよりも大変な生き方をしているんじゃないか。

    印象に残ってるのは、
    花菜が『いまあいたい』と有紗に告げるとこで、
    子どもはすごいこと言う。と途方に暮れたところです。子どもは凄い笑笑我々大人が持っている常識・倫理観を超えた考え方をする子どもに対して、教わる立場にいることを忘れてはいけない。


    それにしても花菜ちゃんかわいすぎ。

  • タワーマンションに住むセレブなママ友たちの繁栄と転落。

    第一章 タワマン
    第二章 イケダン
    第三章 ハピネス
    第四章 イメチェン
    第五章 セレクト
    第六章 エピローグ

    タワ―マンションなどに住む5人のママたち。一部のママたちはハイソな部屋に住み、主人公の有紗は格落ちのタワーの方の賃貸。そして近所のマンションの洋子。

    有紗は夫とのトラブル、過去の後悔を抱えながらも、グループについていこうとするが、洋子から衝撃的な事実を聞かされ、グループ内での立ち位置、自分の人生をも見直していく。

    ママ友たちの卑しくも女性的な仲間意識の中を苦悩しているママたちのバトルの結末は?


    リアリティあり過ぎて、桐野さんお得意のもっとドロドロしたものを期待したけど、あっさりだったような。

    それは私が男性だからか!?

    でも女性の心情の細かい描写は流石の一言。

  • 三十三歳の岩見有紗は、東京の湾岸地区にそびえ立つタワーマンションに、三歳二カ月の娘と暮らしている。結婚前からの憧れのタワマンだ。
    おしゃれなママたちのグループにも入った。そのリーダー的な存在は、才色兼備の元キャビンアテンダントで、夫は一流出版社に勤めるいぶママ。
    他に、同じく一流会社に勤める夫を持つ真恋ママ、芽玖ママ。その三人とも分譲の部屋。しかし有紗は賃貸。そしてもう一人、駅前の普通のマンションに住む美雨ママ。
    彼女は垢抜けない格好をしているが、顔やスタイルがいいのでいぶママに気に入られたようだ。
    ある日の集まりの後、有紗は美雨ママに飲みに行こうと誘われる。有紗はほかのママたちのことが気になるが、美雨ママは、あっちはあっちで遊んでいる、自分たちはただの公園要員だと言われる。
    有紗は、みんなには夫は海外勤務と話しているが、隠していることがいくつもあった。
    そして、美雨ママは、有紗がのけぞるような衝撃の告白をするのだった……。
    「VERY」大好評連載に、新たな衝撃の結 末を大幅加筆!

  • 有紗は東京湾を見下ろすタワー・マンションに暮らしている。三歳の娘が一人。主人はアメリカに単身赴任。主人からメールで離婚してほしいと言われた。主人に連絡をとろうとしても返事がないまま月日が経っていく。有紗はタワー・マンションを購入しているママ達の仲間になろうと努力するが、賃貸の有紗達とは住む世界が違うような扱われ方をする。ママ友達の生態と幸福ってなんだろうという問いかけ。

  • 誰だってみんなちょっと見栄はっちゃうことってあるよねー。やっぱりママ友なんていらないわ。
    いなくて良かった。

  • こういうな好きです。
    続編読みたい。

  • 見栄をはるために嘘をつく。
    自分を守るために嘘をつく。
    子どもをごまかす嘘をつく。
    結局それって自分に返ってくるんですね。

    うまくいかないと全てにイライラ。
    言わなくてもいいことを言ってしまう。

    タイトルの「ハピネス」をつかむためにハピネスを装う。

    疲れるけどそうしないとコミュニティの中で
    生きていけない世の中なんですよね。
    みんなそんなに強くないんです。
    、、、、そんなことを感じる作品でした。

    主人公である花菜ママの発言が読んでて痛々しい。
    なんですぐにイライラして電話口で攻撃的になるのか。なぜ本当のことを言えず見栄をはるのか。
    たぶんそれは自分の辛い過去への反省からくる疑心暗鬼であり、本当に強くならないといけないのに、ついつい自分を飾ってしまうところの自分自身に対する苛立ちなのかなと。
    余計なことを考えてしまう。不安な先々を思ってしまう。
    それって誰にでもある(と思う)ネガティブな部分なのかなと思います。

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著者プロフィール

1951年金沢市生まれ。成蹊大学卒業。1993年『顔に降りかかる雨』で江戸川乱歩賞、1998年『OUT』で日本推理作家協会賞、1999年『柔らかな頬』で直木賞、2003年『グロテスク』で泉鏡花文学賞、2004年『残虐記』で柴田錬三郎賞、2005年『魂萌え!』で婦人公論文芸賞、2008年『東京島』で谷崎潤一郎賞、2009年『女神記』で紫式部文学賞、2010年『ナニカアル』で島清恋愛文学賞、2011年同作で読売文学賞を受賞。2015年、紫綬褒章を受章した。近著に』『奴隷小説』『抱く女』『バラカ』など。

「2016年 『猿の見る夢』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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