- Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334928698
作品紹介・あらすじ
結婚は打算から始まり、見栄の衣をまとった。憧れのタワーマンションに暮らす若い母親。おしゃれなママたちのグループに入るが、隠していることがいくつもあった。
感想・レビュー・書評
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桐野夏生さんの作品の
なかで一番好きかも♪
登場人物たちの言動に
共感したり同情したり。
つまり他人事ではない
ということでしょうね。
それにしても『本』て
不思議だなと思います。
紙を幾百枚かバサッと
重ねた直方体のなかに
人の半生が詰まってる。
愛憎、嫉妬、苦しみ、
驚き、軽蔑、焦燥・・・
喜怒哀楽なんて単純な
言葉で表せない人心の
機微が詰まってる。
『本』は人そのものと
言えるかもしれません。
そして、その人と友達
になるもまた良きかな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
桐野さんには意外な都心のベイエリアのお洒落なタワーマンションに住む母親たちを描いたママ友ストーリー。
春樹の新作を読み終わって次に手に取った作品だからか、最初は内容の俗っぽさになんだかな・・・、と思いつつ読み始めた。
ところがあっという間に引き込まれ、気付けば一気読み。
またもや寝不足だ。
内容はありがちと言えなくもないが、セレブママへの羨望と嫉妬、夫との不仲、不倫、お受験とてんこ盛り。
ママ友同士の微妙な空気感や駆け引きなどは角田光代の描く世界の方がよりリアルで繊細で、桐野さんのこの作品はもっとストレートでやや楽観的な気もしなくもない。
しかし、主人公の有紗がどんな状況下にあっても自分の子供に対する愛情がゆるぎないところがとても好ましいと思った。
新潟に帰省する場面、夫と決着を付ける場面、色んな場面で涙涙。
彼女の真の強さに胸を打たれ、変わって行こうとする姿を心から応援したくなった。
ただ、最後の最後でリーダー的存在だったいぶママの扱い方にどうも納得できず。みうママもそうだけど。
みんながハッピーって訳にはいかないか。
それにしてもよくVeryはこの作品連載させたな。
Veryの目指す主婦像へあきらかなアンチテーゼじゃないかな。
編集としてはこれでOKだったのだろうか。
最近は小島慶子のエッセイが評判を呼んでるらしいからこれもまたありなのかもしれないけど。
まあ、最後の最後まで有紗がセレブの象徴であるタワーマンションを手放さない選択肢がVeryらしいって言えばそうだけど。
だって、家賃23万だよ、23万!
このあたり全く共感できず(笑) -
ネチネチしてたなぁ
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終始「ママ友付き合い、めんどくさ!!!!」の気持ちがおさまりませんでした。
子どもいらないかも、とまで思ったほどです。
全然いいことなさそう。
ただでさえ低い日本の出生率を
下げうる可能性を秘めてると言えるほど
この本はママ友交友の面倒くささを感じられます。
じゃあママ友なんて作らなければいいじゃないか、
となりますが、そうはいかないものだと思います。
ママ友と仲良くすることは
自分を守るため、そしてなにより子どもを守るために
マストなことなのだろうなと思います。
こんなに面倒くさいことなのに、
私も子を持ったら最低限の仲は大切にすると思います。
それはこの共存社会の中では必須だからです。
しかし、どうしてタワマンに住む人というのはこうもプライドが高いのでしょう。
1階の差がマウントを生み、
また、ファッションやインテリアも気を抜けない。
優越感とセットで気を抜けない環境もついてくる、マウントタウンですね。
でも、人間味があって面白い場所でもあると思います。
私は嫌いじゃないです。
ちなみにこの本を読んで、
ママ友関係めんどくさいな、とは思ったのに
タワマン住みたくないな、とは思いませんでした。
私の中ではそれでもタワマンは憧れが勝つものです。
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東京湾岸エリアのタワーマンションに、訳あって3歳の娘と2人で暮らす岩見有紗。同じような年の子供を持つ、おしゃれなママたちのグループに入るも、自分ともう1人のママ友は公園要員だと言われる。有紗も隠し事をし嘘をつきながら付き合っていくが、他のママにも驚きの隠し事が・・・
当初、もっと住んでいる場所や、収入などによる陰湿ないじめのようなものを描くのかと思いきや、そこはそれほどでも。しかしながら、有紗のその場しのぎも酷いが、夫の言い分はあまりにも子供じみているような。続編があるようなので期待。 -
これをveryで連載してたのかー笑
タワマンのママ友たちとの仮面の被りあい。実際こんな関係がどのくらいあるんだろう?
みんなもっと露骨に意地悪ならいいものの、気遣いがあったりするから余計リアルでややこしい。
ずいぶん身勝手な主人公に嫌気がさしながら読んでたけど、最後は自立して自分で決めてて成長を感じた。 -
桐野さんにしては、グロくなく、エグさもそこそこ。読みやすい。良かった。
みんな、それぞれ、何かしらを抱えてる。なのに、隣の芝はなんとやら。
だけど、いろんな芝の青さを見る必要はあるよね。思いやりって想像力が足りてないと持てないものだもんな。 -
スリル期待したが、もうひとつ
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醜く、狡賢く『正解』を探す
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じきに面白くなりそうだと思い読み進めたが、最後まで特に山はなく、ズルズルと進む感じ。
読み応えはあまりなかった。 -
とっくのとうに既読だったが、思い出したので登録。桐野さんは大好きな作家さんだが、これはややイマイチやね。奥様雑誌『VERY』連載。VERYに思い切り寄せたな、という感じの、ママ友カーストのドロドロした物語。花奈ママ・美雨ママ....〇〇ママという呼び名が何とも座り心地の悪いことよ。登場人物の誰も好きになれないが、それでも「やーめた」とならずにズイズイ読んでしまうのは桐野さんの力である。それにしても『OUT』みたいなのはもう出ないのかしら....
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タワーマンションに住むセレブなママ友たちの繁栄と転落。
第一章 タワマン
第二章 イケダン
第三章 ハピネス
第四章 イメチェン
第五章 セレクト
第六章 エピローグ
タワ―マンションなどに住む5人のママたち。一部のママたちはハイソな部屋に住み、主人公の有紗は格落ちのタワーの方の賃貸。そして近所のマンションの洋子。
有紗は夫とのトラブル、過去の後悔を抱えながらも、グループについていこうとするが、洋子から衝撃的な事実を聞かされ、グループ内での立ち位置、自分の人生をも見直していく。
ママ友たちの卑しくも女性的な仲間意識の中を苦悩しているママたちのバトルの結末は?
リアリティあり過ぎて、桐野さんお得意のもっとドロドロしたものを期待したけど、あっさりだったような。
それは私が男性だからか!?
でも女性の心情の細かい描写は流石の一言。 -
三十三歳の岩見有紗は、東京の湾岸地区にそびえ立つタワーマンションに、三歳二カ月の娘と暮らしている。結婚前からの憧れのタワマンだ。
おしゃれなママたちのグループにも入った。そのリーダー的な存在は、才色兼備の元キャビンアテンダントで、夫は一流出版社に勤めるいぶママ。
他に、同じく一流会社に勤める夫を持つ真恋ママ、芽玖ママ。その三人とも分譲の部屋。しかし有紗は賃貸。そしてもう一人、駅前の普通のマンションに住む美雨ママ。
彼女は垢抜けない格好をしているが、顔やスタイルがいいのでいぶママに気に入られたようだ。
ある日の集まりの後、有紗は美雨ママに飲みに行こうと誘われる。有紗はほかのママたちのことが気になるが、美雨ママは、あっちはあっちで遊んでいる、自分たちはただの公園要員だと言われる。
有紗は、みんなには夫は海外勤務と話しているが、隠していることがいくつもあった。
そして、美雨ママは、有紗がのけぞるような衝撃の告白をするのだった……。
「VERY」大好評連載に、新たな衝撃の結 末を大幅加筆! -
有紗は東京湾を見下ろすタワー・マンションに暮らしている。三歳の娘が一人。主人はアメリカに単身赴任。主人からメールで離婚してほしいと言われた。主人に連絡をとろうとしても返事がないまま月日が経っていく。有紗はタワー・マンションを購入しているママ達の仲間になろうと努力するが、賃貸の有紗達とは住む世界が違うような扱われ方をする。ママ友達の生態と幸福ってなんだろうという問いかけ。
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娯楽の軽い本。
ある雑誌に続編のロンリネスの紹介があり、最初の作品から読もうと思って、ドラマでもよくありがちな話だった。主人公の性格が卑屈で共感はできない。タワマのママさんたちの付き合いってこんな感じなのかな〜と現実でもあるのかと思うと面倒くさい。 -
こういうな好きです。
続編読みたい。 -
うーーーん、どうしても登場人物に共感できない。特に主人公の有紗。女性特有のいやな部分が目に付く。他、出てくる女性全てが嫌。許せるのは姑の晴子。サバサバしていて常識人に思える。テレビなどで特集されているママ友のマウンテング。あーうんざり。絶対に分不相応な生活は送りたくない。どっかでひずみが出来ちゃうんだよね。有紗もやがては自分らしさを取り戻していくんだろうけど、なんか生ぬるいのよね。共感できない女性像をあえて主人公とし、それを作品として成立させる。作家の腕の見せ所だ。確かに内容は面白いんだよね。
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見栄をはるために嘘をつく。
自分を守るために嘘をつく。
子どもをごまかす嘘をつく。
結局それって自分に返ってくるんですね。
うまくいかないと全てにイライラ。
言わなくてもいいことを言ってしまう。
タイトルの「ハピネス」をつかむためにハピネスを装う。
疲れるけどそうしないとコミュニティの中で
生きていけない世の中なんですよね。
みんなそんなに強くないんです。
、、、、そんなことを感じる作品でした。
主人公である花菜ママの発言が読んでて痛々しい。
なんですぐにイライラして電話口で攻撃的になるのか。なぜ本当のことを言えず見栄をはるのか。
たぶんそれは自分の辛い過去への反省からくる疑心暗鬼であり、本当に強くならないといけないのに、ついつい自分を飾ってしまうところの自分自身に対する苛立ちなのかなと。
余計なことを考えてしまう。不安な先々を思ってしまう。
それって誰にでもある(と思う)ネガティブな部分なのかなと思います。 -
あ〜、しんどい。でも程度の差こそあれ、これがママ社会の現実かも。見栄を張ること、つまらないと思うこと、でもママ社会ではそれが1番大事なことだったりする。
いぶママ、有紗、美雨ママたちの気持ちが中途半端に分かるだけに読んでて本当しんどかった。幸せの形なんて人の数だけあって当然。なのに、雑誌の影響か、○○でないとダメっみたいになってみんなママたちは焦らされ…。
最後に有紗が女性として強く自立してくれて安心した。 -
女の本音が露わにされてて
感情移入していまい始めのほうは沈んだ気分になってしまった
しかし最後はほっこり あったか家族がみえて良かった -
結婚は打算から始まり、見栄の衣をまとった。憧れのタワーマンションに暮らす若い母親。おしゃれなママたちのグループに入るが、隠していることがいくつもあった。 (「BOOK」データベースより)
どうなることかと思ったけど、なるほど、そうか。なかなか面白かったです。きっと☆4くらいの評価かなと思いながら読んでいたけど、このどろどろさ加減がとても心地よくて(笑)最後まで一気読みしたので(久しぶり(*^_^*))☆5にしました。経験ある「○○ちゃんママ~♪」時代を思い出しながら・・・。 -
子供も旦那も居ないのでママ友とかお受験とかよくわからないけど、有紗のように自分に自信がなかったり、やることなすこと裏目にでる人間の気持ちはわかりすぎるくらい良くわかる(笑)長い雨だったけど固まって良かったよ(*´∀`*)
洋子さんのようにしたたかにうまく行く人間が羨ましい(笑) -
ありがちな話しなのに、ずっと衝撃を受けながら読みました。
東京ベイエリアのタワーマンションを舞台にママ友の、うわべの付き合いと取り繕う外見、実際との虚偽。こんな狭ーーい社会が現実にあるのだと思います。特にこうしたよそ者が集まるところでは。元々個人が合って結婚し、子供が産まれることで社会がガラッと変わる専業主婦。もちろん子供に世界が展開するのは悪いことではないけれど、同時に自己が変な方向に行ってしまうのはイタイと思います。これは現実なのかもしれませんが、そんなのつまらない人生だなと思わなくもなく・・・。
出てくる女性達を、あぁくだらないと思いながらも、そうした人生もある事への衝撃を受けながらあっと云う間に読み終えました。桐野夏生さんの書籍テーマは重たいけれど、社会の問題を直視している上に読みやすいです。同世代のだいたいが歩む道に深く入り込めました。確かに同級生が集まると、この本の登場人物の様なお悩み話し全開です。それでもその場から逃げない友たちはえらいんだな、なんて感じました。そして浮気したり育児放棄を簡単にしてしまう男性登場人物には、オィッと突っ込みたくなったりもしました。憂鬱過ぎて読んでいると具合が悪くなった私。こんなに影響してくる本は久しぶりです。
30~40代のママを意識しているファッション雑誌【VERY】に連載されていましたが、(なぜか購読中w)本来この雑誌を読む人たちにとても興味がわくテーマだと改めて思いました。 -
桐野夏生さんの本なのに、『ハピネス』なのだもの!
ある意味期待するよね。(笑
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なんかね、主人公にはいらいらしちゃうんだけどさ、
あたしみたくマイルールで生きてる人間でも
やっぱり共感できるとこもあるんだ。
こどもに手抜きご飯を食べさせたときの罪悪感や
「だらしない」と思われたくない!って気持ちや
ほんのちょっとした見栄とか ね。
いつもはなかったことにしてる、女の暗かったり愚かだったりなとこを
つい自認してしまう、桐野作品。
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『爪と目』のレビューで、ゾワゾワするお話は好みじゃないと書いたのね。
この本もそういう部分はあるのになぁ。
でも、ついつい読み耽ってしまうのは
自分では「なかった」ことにしてるダークな部分を前面にだした主人公が、
最終的に開き直りとすら言える決断をして生きていく女のひととして描かれてるからなのかも。
男のひとにはもてない種類の強さをもって。
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この本のラストでも主人公は多分に強くなるんだよ。
それが存外に爽やかなラストで
つい「桐野作品なのに!」って言ってしまったり。(笑。 -
なんとか憧れのタワーマンションに住むことができ、女性としてママとして憧れるいぶママと同じママ友グループにも入れてもらえた有紗。しかし有紗にはママ友には決して言えない隠し事があった。
意外にあっさり終わったなぁという印象。ママ友が5人出てきて、不倫やら隠し子やらお受験やらと要素は満載だったのに、毒々しさはほとんど感じず。まぁ、これくらいのことならそこら中であるだろうなぁとは思えたのでリアルさはあったが、この人の作品にしてはちょっと物足りなかったな。ドラマの「名前をなくした女神」や、角田光代の「森の中の魚」なんかに比べてもあっさり。そして俊平の海外逃亡の理由もいまいちわからなかったし、最後、美雨ママがまだ不倫を続けていたことを黙っていた理由も見当たらず。しかし有紗と俊平のやりとりもお互い様で、もう勝手にやってくれという感じ。己の子供をちゃん付けにしてる時点で自分には無理。あぁ、やっぱりこんな世界にはできれば一生入りたくない。