海賊女王 下

  • 光文社 (2013年8月21日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (516ページ) / ISBN・EAN: 9784334928933

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

強い女性たちの生き様を描いた物語は、16世紀アイルランドの海賊女王グローニャとエリザベス女王の視点を交えながら、歴史の流れを骨太に表現しています。登場人物が多く、カタカナ表記に戸惑う場面もありますが、...

感想・レビュー・書評

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  • 面白かったー。
    とにかく話が細かいので、詳細を忘れないうちに、と一気に読んだ。
    流石に後半は息切れしたけど、上巻よりも下巻の方が面白かった。
    一気にみんなが歳をとっていく様は笑った。が、そこからが長いのでした。

    下巻、まずは登場人物一覧が職を放棄してて困った。
    必死でヘンリー・シドニーを探した5分間を返して欲しい。
    隻眼の商人みたいな雑魚キャラすら上巻では載っていたのになぜ。。。

    そして下巻ものっけから誤字。
    イニシュモア島はアラン諸島でしょ。正しくはイニシュケア島だ。

    ずっとクレア島のクレア城=ベルクレア城だと思っていたので、途中で違う城だと知ってびっくり。
    ちゃんと全部地図に載せてくださーい。
    あとの版では修正されているのを願う。

    ワイルドな戦争が続くアイルランド編よりも、イギリス編の方が権謀術数で面白いなと思ったけど、こっちも本当に血みどろで嫌な世界だ。
    イギリス編にでる登場人物の多くが、私が既に、マンガ7人のシェイクピアで見かけていた人物だったので理解が早かった。ありがとう。

    グローニャとエリザベスの会見が全てにおけるハイライトなんだろうけど、そこが全然登場しないのが面白い。
    でも結局、イギリスに屈するか、仲間内で揉め続けるアイルランドで戦えるのか、で迷っていく。
    敵の敵は味方のはずが、なんとも複雑に族長同士が絡み合っていく。
    ヒュー・オニールは史実ではこのあとどうなったんだろうと心配だったけど、処刑されたりはしなかったらしいと知りホッとした。
    むしろ刑死したのはエセックス伯とウォルター・ローリーという皮肉。
    (しかもエセックス伯の奥さんがウォルシンガムの娘ということに加えて、ヘンリー・シドニー未亡人だったとあとで知ったので、ここにメモしておく)

    ネタバレにチェックしたので書いちゃいますけど
    ロイ!やっぱりいたんかーい。しかし意外と軽い扱い。死に方が辛い。

    ハウと騙されてた兄ショーンはどうなったの。いつのまにか消えてて笑った。私が盛大に見逃しただけ?

    私はてっきり、ナサニエル=オーランドかと思ってた。そうか、ネルのほうに秘密があったのね。
    クリフォードさん、かわいそす。いい人だったのにゆっくり沼に沈んで死んだおじさん。
    オウエン、やっぱりかわいそうすぎませんか。マロウより可哀想だよ。
    そして、オシーン!!死んじゃって、、、あうあうあ。私もオドンネルの皮剥ぎ手伝うzeeeと思った。

    支配者が善人のほうが手に負えない、じわじわ懐柔されていく、という流れにはなんとも言えなくなった。じっさい、ティボットにはその考えが起きていく。
    同じゲールでも、同じクラン(族)でも世代や個人で考えも変わるし、一枚岩にはなりきれない。過去の怨嗟も周囲のクラン同士に蔓延る中、手を携えてイングランドに蹶起しようというのは確かに難しい。
    なんとか関係を作り上げたアイルランド総督も、数年で交代していく。
    次のやつとまた一から関係を作らねばならず、どんな人間か来るかは賭けに近い。
    それに大きく左右されていくアイルランド庶民たちの命。

    他国からの支配を受けていく、というのはとんでもなく苦しいことだ。
    実際、アイルランドの紛争は島を二分し、今も深い深い禍根を残していく。
    クロムウェル以前にもうこんなにドロドロなんだし。

    アイルランドは北海道より少し大きいと栩木さんの本に繰り返し書かれているが、歴史もやはり似ていると思う。
    松前藩もそれなりに彼らを搾取し、差別してきたことは「黒船前夜」でも読んだ。
    幕府が長らく蝦夷地に無関心だったのが、アイルランドより幸運だったのかも。


    以下は余談。
    グローニャネキがアランと体の関係を持つのはまあありそうな展開なんだけど、うっすら嫌だった。でもまあ描写がアッサリしてるからいいか。いや、でも。みたいな気分で読んでいた。
    この2人ってほとんど家族だし、同志、相棒、従者、夫的存在、となるんかなあ。長年の絆ってことで。

    下巻でいろんな人が消えているのはなんだろう。
    ブローナンとかクールミーンが空気すぎる。
    そしてあんなに思わせぶりだった、トイリーの過去は出てこないのかよーーー。ちょっと拍子抜けでした。
    ビンガムは外道&邪道ですが、植民地での戦争ってこういう奴が死ぬほどいたに違いない。イギリスに限らず。でもイギリスが世界中でやったことがこれだよね。

    最後に。1番の功労賞は船でも砲台でもなく、鳩だよなあと思った。

  • 2014.09.グローニャはリチャードと再婚しマクウィリアムの力を得た.アランはネルと結婚してオスカルという子供を授かった.息子のティボットを人質に捕られた解放してもらうためグローニャはエリザベス女王の元にお願いに行く.その際にアランは,ずっと行方が分からなくなっていた弟のロイと出逢う.オマリーに戻ったグローニャとアラン達だが何度もイングランドが攻めてくる.グローニャ,アラン,マクティーリャはゲールの誇りをかけてイングランドの大群に最後の戦いに挑む.面白かったが,長過ぎて登場人物が多すぎて,すべてを把握するのは難しい.

  •  萌えない! 萌えないから!
     いやそれでも面白いんだけどね。

     これは海賊女王と言うけれど、彼女が主軸ではあるんだけれども、視点はエリザベス女王の側近のセシルと海賊女王グローニャの側近アランのみである。
     だからこそ、彼女たちの思考は予測することしかできず(そこが萌えないポイントだ)、それ故に上に立つものの冷徹さや苛烈さ、そしてもろさがあらわになる。
     ふつうならば、乙女の弱さやかわいらしさなんかを書きたくなるんじゃなかろうか。
     それを押さえ、時代として制圧するものとされるもの、略奪するものとされるもの、加害者と被害者という対立が生み出す歴史の流れを描ききっている。骨太です。男らしい。

     海賊女王と聞いて「ハハン☆女子供の読むものだろ」と思った人は読むべし。
     ものすごい読みごたえです。

  • 16世紀アイルランド、海賊女王となったグローニャの骨太の生き様を、イングランドのエリザベス女王とからめながら描いた大作。

    登場人物が多く、しかも当然のことながらカタカナ表記であるため、読み始めは苦労する。が、女だてらに人望の厚いボスとして子分を従え、海賊同士の争いごとや、アイルランドとイングランドの戦いにも巻き込まれながらも、自らの正義を貫くグローニャの姿に圧倒された。彼女の子どもの頃から、従者として仕えるアランとの関係も印象深く、上下巻を読み終えた満足感がある。

  • エリザベス一世時代のイギリス・アイルランドを舞台に繰り広げられる、壮大な物語。実在した「海賊女王」グラニュエル・オマリーとその従者・アランの生涯が描かれます。
    グローニャ、とにかくかっこいいったら! でも彼女を信頼・尊敬して従う「グローニャの男たち」の姿もかっこいい。戦場の戦闘シーンの描写も生々しく、情景が目に浮かびます。まさしく血沸き肉躍る冒険活劇。
    一方で、それぞれの人間関係の描写の濃密さも読みどころです。登場人物がなかなかに膨大ではあったけれど、その繋がりも読み進めるうちに把握できてくるし。人と人との愛情や憎しみ、騙しあいや思いやり、そして出会いや別れ。はらはらしたりどきどきしたり、あるいは切なさに胸を打たれたり。どの人物も、印象に残ります。
    そして最後はやけにあっさりとした印象があるけれど。だからこそすっきりとした読後感なのかも。

  • ●エリザベス1世が英国を統治する時代。アイルランドでおのれの氏族を守るべく海で陸で闘うグラニュエルを、少年の頃彼女の従者となったアランの視点から主として描く物語。
    皆川博子作品ですが耽美度は低め。
    ロンドンで暗躍するロバート・セシルの趣味の地下活動描写くらいですかねえ?

    ●グラニュエル=グローニャは美人で賢くてセクシーで、好きな男とも好きじゃない男ともひょいひょい寝ちゃう現実的な策略家ですが、いざ戦闘となると先頭に立って切り込みたがる猪突猛進タイプなおかしらで、毎回周囲のアランやオシーンに止められる可愛いヒロイン。どうしようビジュアルイメージがアンジーになってまう。新規のええ女優さん求む。
    概ね青年まんがの原作でもいいくらいの活劇ぶりではあるものの、グラニュエルが老境(と言っていいでしょう)に至るまで続くので、適宜盛り上がったあたりで終わらないと連載はむずかしいでしょうな。
    わたくしの上からご意見では、トイリーがアランの下を離れる理由&その後のエピソードとか、オーランド・バードがセシルの従者になる経緯やなんやかやを膨らませつつやったらよろしいんじゃないかと。うむ。

    ●皆川博子の新作が出るたびに執筆年齢をチェックするのは悪いクセだがやらずにはいられないで賞。
    本作は2009年~2013年連載ですから御年79~83歳の頃の作品ですね。
    上下巻約1000Pの質量にも敬服するが、作品も登場人物造形も枯れた老大家の筆致ではなくいまだにみずみずしいのが青年に似た味わいで感銘しきり。すごいや!
    まだいい作品が読めそうです。たのしみだなあ♪

  • なんとか返却日までに読み終わりました。
    なんせ、上下合わせて約1200頁あったもんでね。
    そうか…タイトルの『海賊女王』って、グローニャとエリザベスの両方の事を指してるんだなぁと、読み終わってしばらく経ってから気が付きました<遅っ

  • 全体的に興味深かった。
    ただ、私の場合は、特にロバート・セシルに興味を持っていったので、オーランドの秘密が知れたあたりからは雑に感じた。ロイも再会までは面白かったのに再会したあとは呆気なく感じたし、オーランドも結局オーランドの気持ちがよくわからなかった。
    ただ時代と題材は興味深かったし、文章も面白かった。読ませたいものと読みたいものが違った印象。

  • 寄る年波を感じる下巻。
    グローニャは最後までカッコよかった。

  • 海賊女王(下)

  • 『聖餐城』同様、まだ海の狩人たちが横行していた時代のイングランドを舞台に繰り広げられる歴史小説。流血と略奪、この世の恐ろしいもの全てを生きるために使う男たち。言わずもがな、主従とも魂の双子ともいえるグラニュエルとアランが物語を彩っていましたね。

  • 大作。結構なボリュームなのに苦にならなかった。
    実在の女海賊が主人公。登場人物を調べながら読むのは楽しかった。

  • H28/8/2

  • 休日に一気に読みました。たのしかったなぁ。最後までアイルランドの運命がどう転ぶのかわからず、入り込んでしまった。
    ラストもいいですね、こんな終わり方。映画みたいです。

  • 2016/02/某。
    図書館。二週間程で了読。

    皆川さん神過ぎ。
    アイルランドに行きたくなった。ロンドンもまた行きたいな。

  • アイルランドとイングランドのせめぎ合いを背景に描いた女海賊の冒険譚、下巻です。
    小生意気な少女だったグローニャも四十歳を過ぎ、分別や交渉を覚えるようになっても陣の先頭に立って戦いに挑むさまは変わらない。うう、ひたすらに恰好良いのです。それでいて、ようやく目覚めた母性を見せる一面や、相変わらず艶のある女である一面、という多面性が彼女の魅力をさらに引き立たせます。そしてアランとのゆるぎない信頼関係が、とてもうつくしくたくましく、一心同体の生き方というもののストイックさ、貴さを感じさせてくれました。
    物語はグローニャ達には過酷な方向に進み、何度も悲惨な目に遭っていきます。けれどもそれでも信じる道を誤らず、ひたすらに自らたちのために生きた彼女と彼女の「男たち」の生きざまがとても胸に迫ってきたのでした。ここまで後悔なく生きることを貫くということはなかなかできるものではないでしょう…
    エリザベス女王と取り巻く男たちの権謀術数、意外な出自を持っていた彼や彼女、とさまざまな伏線もめぐらされ、贅沢にどっぷりと海賊の冒険譚を楽しめました。
    本当に皆川先生は不世出の作家だと思います…!

  • 読み切ったー!

    けど最後の方はだれたなぁ。なんか展開が一緒で代わり映えがしないとゆーか。

    ロイとの再会、またロイの死とか、なかなか衝撃的なことがけっこう淡々とかかれていたなぁ。

    2015.12.23

  • アイルランドを舞台にした作品は初めて読んだけど、改めて、じわじわと侵入してくるイングランドとの闘いの大変さを感じた。

  • イングランドの侵攻が続くが、ゲールの各クランは内部対立を繰り返す。イングランドでのロバート・セシルとエディンバラ公の対立をはさみつつ、息子をとらわれたグローニャがエリザベス女王へ開放嘆願を行う。
    イングランドの脅威と、ゲールの誇り、クランの平和に板ばさみになりながら、次世代に望みを託して最後の先頭にグローニャと男たちは向かう。
    魅力的なキャラクターが多いが、すっと退場していくので淡々とした感じがあるが、アランが家族をもったせいか当事者的な態度がまして話に乗りやすくなっている。

  • ものすごいボリューム。女海賊、グラニュエルの一代記。1600年ごろのイングランドのアイルランドへの侵攻や統治、スペインとの関係をものすごく細やかに書いてあった。前半はゲールのクラン同士の戦いなど、比較的小さな範囲の話だったが、後半は対イングランドの色が強い。
    人が簡単に殺され、処刑される、そんな恐ろしい時代。
    とにかく戦闘描写ばかりで、なかなか血なまぐさい。同じ人物が違う名前で出てきたり、相続したり、小さな事件が出てきたり、とにかく人物が多いのと、出来事が細々と続いて理解が追いつかないところもあった。

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著者プロフィール

皆川 博子(みながわ・ひろこ):1930年旧朝鮮京城生まれ。72年『海と十字架』でデビュー。73年「アルカディアの夏」で小説現代新人賞受賞。86年『恋紅』で直木賞、90年『薔薇忌』で柴田錬三郎賞、98年『死の泉』で吉川英治文学賞、ほか多数の文学賞を受賞。著書に『聖餐城』『海賊女王』『風配図 WIND ROSE』『天涯図書館』など。

「2024年 『大江戸綺譚 時代小説傑作選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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