海賊女王(下)

著者 :
  • 光文社
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レビュー : 46
  • Amazon.co.jp ・本 (511ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334928933

感想・レビュー・書評

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  • 堪能した物語ほど「感想」を語る言葉が見つからない。
    褒め言葉の在庫不足か・・・。

    「なんとなく」とか「いまいち」なものならいくらでも文句を並べられるのに。

  • 2014.09.グローニャはリチャードと再婚しマクウィリアムの力を得た.アランはネルと結婚してオスカルという子供を授かった.息子のティボットを人質に捕られた解放してもらうためグローニャはエリザベス女王の元にお願いに行く.その際にアランは,ずっと行方が分からなくなっていた弟のロイと出逢う.オマリーに戻ったグローニャとアラン達だが何度もイングランドが攻めてくる.グローニャ,アラン,マクティーリャはゲールの誇りをかけてイングランドの大群に最後の戦いに挑む.面白かったが,長過ぎて登場人物が多すぎて,すべてを把握するのは難しい.

  •  萌えない! 萌えないから!
     いやそれでも面白いんだけどね。

     これは海賊女王と言うけれど、彼女が主軸ではあるんだけれども、視点はエリザベス女王の側近のセシルと海賊女王グローニャの側近アランのみである。
     だからこそ、彼女たちの思考は予測することしかできず(そこが萌えないポイントだ)、それ故に上に立つものの冷徹さや苛烈さ、そしてもろさがあらわになる。
     ふつうならば、乙女の弱さやかわいらしさなんかを書きたくなるんじゃなかろうか。
     それを押さえ、時代として制圧するものとされるもの、略奪するものとされるもの、加害者と被害者という対立が生み出す歴史の流れを描ききっている。骨太です。男らしい。

     海賊女王と聞いて「ハハン☆女子供の読むものだろ」と思った人は読むべし。
     ものすごい読みごたえです。

  • 16世紀アイルランド、海賊女王となったグローニャの骨太の生き様を、イングランドのエリザベス女王とからめながら描いた大作。

    登場人物が多く、しかも当然のことながらカタカナ表記であるため、読み始めは苦労する。が、女だてらに人望の厚いボスとして子分を従え、海賊同士の争いごとや、アイルランドとイングランドの戦いにも巻き込まれながらも、自らの正義を貫くグローニャの姿に圧倒された。彼女の子どもの頃から、従者として仕えるアランとの関係も印象深く、上下巻を読み終えた満足感がある。

  • エリザベス一世時代のイギリス・アイルランドを舞台に繰り広げられる、壮大な物語。実在した「海賊女王」グラニュエル・オマリーとその従者・アランの生涯が描かれます。
    グローニャ、とにかくかっこいいったら! でも彼女を信頼・尊敬して従う「グローニャの男たち」の姿もかっこいい。戦場の戦闘シーンの描写も生々しく、情景が目に浮かびます。まさしく血沸き肉躍る冒険活劇。
    一方で、それぞれの人間関係の描写の濃密さも読みどころです。登場人物がなかなかに膨大ではあったけれど、その繋がりも読み進めるうちに把握できてくるし。人と人との愛情や憎しみ、騙しあいや思いやり、そして出会いや別れ。はらはらしたりどきどきしたり、あるいは切なさに胸を打たれたり。どの人物も、印象に残ります。
    そして最後はやけにあっさりとした印象があるけれど。だからこそすっきりとした読後感なのかも。

  • ●エリザベス1世が英国を統治する時代。アイルランドでおのれの氏族を守るべく海で陸で闘うグラニュエルを、少年の頃彼女の従者となったアランの視点から主として描く物語。
    皆川博子作品ですが耽美度は低め。
    ロンドンで暗躍するロバート・セシルの趣味の地下活動描写くらいですかねえ?

    ●グラニュエル=グローニャは美人で賢くてセクシーで、好きな男とも好きじゃない男ともひょいひょい寝ちゃう現実的な策略家ですが、いざ戦闘となると先頭に立って切り込みたがる猪突猛進タイプなおかしらで、毎回周囲のアランやオシーンに止められる可愛いヒロイン。どうしようビジュアルイメージがアンジーになってまう。新規のええ女優さん求む。
    概ね青年まんがの原作でもいいくらいの活劇ぶりではあるものの、グラニュエルが老境(と言っていいでしょう)に至るまで続くので、適宜盛り上がったあたりで終わらないと連載はむずかしいでしょうな。
    わたくしの上からご意見では、トイリーがアランの下を離れる理由&その後のエピソードとか、オーランド・バードがセシルの従者になる経緯やなんやかやを膨らませつつやったらよろしいんじゃないかと。うむ。

    ●皆川博子の新作が出るたびに執筆年齢をチェックするのは悪いクセだがやらずにはいられないで賞。
    本作は2009年~2013年連載ですから御年79~83歳の頃の作品ですね。
    上下巻約1000Pの質量にも敬服するが、作品も登場人物造形も枯れた老大家の筆致ではなくいまだにみずみずしいのが青年に似た味わいで感銘しきり。すごいや!
    まだいい作品が読めそうです。たのしみだなあ♪

  • 『聖餐城』同様、まだ海の狩人たちが横行していた時代のイングランドを舞台に繰り広げられる歴史小説。流血と略奪、この世の恐ろしいもの全てを生きるために使う男たち。言わずもがな、主従とも魂の双子ともいえるグラニュエルとアランが物語を彩っていましたね。

  • 大作。結構なボリュームなのに苦にならなかった。
    実在の女海賊が主人公。登場人物を調べながら読むのは楽しかった。

  • H28/8/2

  • 休日に一気に読みました。たのしかったなぁ。最後までアイルランドの運命がどう転ぶのかわからず、入り込んでしまった。
    ラストもいいですね、こんな終わり方。映画みたいです。

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プロフィール

皆川博子(みながわ・ひろこ)
一九三〇年、京城生まれ。東京女子大学英文科中退。
72年、児童向け長篇『海と十字架』でデビュー。
73年6月「アルカディアの夏」により第20回小説現代新人賞を受賞後は、ミステリー、幻想、時代小説など幅広いジャンルで活躍中。
85年『壁――旅芝居殺人事件』で第38回日本推理作家協会協会賞、86年「恋紅」で第95回直木賞、90年「薔薇忌」で第3回柴田錬三郎賞、98年「死の泉」で第32回吉川英治文学賞、12年「開かせていただき光栄です」で第12回本格ミステリ大賞、13年 第16回日本ミステリー文学大賞を受賞。
異色の恐怖犯罪小説を集めた傑作集「悦楽園」(出版芸術社)や70年代の単行本未収録作を収録した「ペガサスの挽歌」(烏有書林)などの傑作集も刊行されている。

「2017年 『皆川博子コレクション10みだれ絵双紙 金瓶梅』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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