代書屋ミクラ

  • 光文社 (2013年9月18日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (328ページ) / ISBN・EAN: 9784334929015

感想・レビュー・書評

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  • 代書屋というタイトルから、信書、手紙などの代筆を請け負う業者の話だと思っていたら、大学の研究者向けの論文の執筆代行請負人の話だった

    公費から研究費の拠出を受けている研究者は一定の評価が下される論文を発表しないと研究費が即刻打ち切られる、という法律が施行された世界のため、研究結果をとりまとめ、論文の形に仕上げる作業を外部に委託することは、さほどタブー視されていない様子

    現実には、研究論文の執筆を外部に委託するなんてことは行われていないのだろうけど、それが当たり前のように許容される世界観である、ということの解説が読んでて納得がいかなかった
    駆け出しの論文代筆屋の青年が、依頼者である教授などの癖の強さや様々な研究に触れたり、短編の1話ごとに様々な女性に恋をしたり、その時々での悩みを自分の心の中だけで信仰する神であるアカラさまに相談したりと、色んな要素が詰め込まれているのだけど、それらが噛み合ってない印象だった
    設定も、キャラクターも、悪くはないしむしろ面白いと思うのだけど、語り手が失恋を重ねまくることや、代筆業が上手くいかないこと続きである不遇さに対して感想が出てこない、そうなんだねーって感じ
    興味のない人の話を延々聞いているような気分で読んでしまった
    語り手が独特な風貌の、言わばイマジナリー信仰神を己のうちに住まわせていて、それを改めて喜びと共に自覚する終盤も、そもそもその神様が降臨するに至った経緯がはっきりしないためにピンとこなかった

    語り手の彼は、人の研究をとりまとめ執筆するよりは、己の心の成り立ちやルーツにもっと目を向けて言葉にする方がよっぽどに面白いし魅力が磨かれるんじゃないか? とも思います
    彼は他者に興味を持ちすぎてる、でも本人が自覚してない範囲で熱しやすく冷めやすい、根気が続かない性分なのかも
    だから代書屋が性にあっているのかな

    なお、この小説は仙台市と東北大学近辺がモデルになっているようでした

  • 大学を卒業して「代書屋」を始めたミクラ。
    論文をノルマ化した「出すか出されるか法」に対応するため、大学の研究者の論文を代わりにまとめる「代書屋」。
    なんとか仕事をこなすミクラだが、先輩のトキトーから紹介される依頼者はクセの強い面々で。

    トラさんのように惚れっぽいミクラがふらーっとなる女性たちと、ミクラに課せられる難問のような代書依頼。
    花屋のレニエさんと「研究者の結婚と生産性について」
    理容室のアルマさんと「ハゲ遺伝子について」
    あんぱんの無人販売のラパンさんと「無人販売と良心の研究」
    幼なじみのイッチャンと「世界の結婚観」
    喫茶店のメリメさんと「目標は書き出すと実現するか」
    全体的に結婚観が巻き付いてくる。ミクラの恋愛至上主義的な発想に共感ができないので、またかよーって気持ちに。
    ミクラの成長物語なのか、成長したのかなー。
    最後までひたすらに切ない。裏切られた感がすごい。
    やっぱり経済力なのか、きめては。

  • 面白いような気がするのにページがすすまない。なんでだろう。

  •  仙台がモデルと思しき北の街を舞台に、大学で論文執筆を代行する若者を描いた連作青春小説。
     主人公は、駆け出しの代書屋として、多忙な研究者たちから、厄介な依頼を請け負っては奔走し、あっさり恋に落ちては失恋を繰り返し、ビールを呑んで管を巻く。
     依頼人も研究内容も、個性的で癖の強い代物ばかりだが、作風は至って軽やか。
     森見登美彦らが属するジャンルを連想させる、若干、非現実的な世界観が入り混じった雰囲気と言えようか。
     或るフォーマットに則って、学者業界をユーモラスかつ切なく綴った、変則的な学園物の一種かもしれない。

  • 青春小説
    連作短編集

    「代書屋」(本書では論文代筆業)をはじめた、主人公 ミクラ(男性)視点で綴られる成長物語

    仕事も恋愛も四苦八苦、だが先輩の紹介でクセのある研究者の依頼を受けるうち、徐々に代書屋の楽しさに気がついて行く…

    いつも後手に回る恋愛を応援したくなる作品

  • 2020.7.4(市立図書館) →2020.7.31文庫本購入
    『あがり』に収録されていた「代書屋ミクラの幸運」のミクラを主人公として駆け出しの1年余を描いた「超現実的な彼女」「かけだしどうし」「裸の経済学者」「ぼくのおじさん」「さいごの課題」の5篇からなる作品。研究者にとってたいへんな悪法「出すか出されるか法」のために代書屋という仕事が存在するパラレルワールドでいかにもありそうで実在はしない架空の研究論文を仕上げるミクラの日常と成長と不遇(始まる前に終わる恋)。パターン化した展開はだいたい読めちゃうけれど、そこがいい。
    大学の街は仙台、ふるさとは千葉あたりという設定だろうか、南方熊楠をおもわせる人物も…カバーと挿絵、章ごとのアイコン、人物名以外にはカタカナ語を排した独特の文体…とあれやこれやが私好みの本。「SF」といわれて「そうだったっけ?」と思ってしまうほどとっつきやすい(しかし研究活動や論文に興味がないひとにとっては退屈かも?)。「ホラー」(←著者公式サイトのインタビューでそう語られていた)といわれるとますます「そうだっけ?」と思ってしまうけれど、全体の展開を思い返してみると、「ミクラの人生って…」とたしかにちょっとこわくなるかもしれない…。
    ともあれ、続きがもっと読みたくなる。読みたいなぁ!

  • 出すか出されるか法によって劇的に論文をいくつも書かなくてはいけなくなった大学業界で、駆け出しの代書屋をするミクラ。

    2作目のすごろく巡礼を先に読んだんだけど、1作目は代書屋の仕事内容とミクラの恋模様がメイン。恋というか惚れっぽい超草食系といった感じで、脳内で恋して失恋するってパターンで実際はあまり行動してないっていう。
    変なところを平仮名で書いてあったり、話の展開も盛り上がりがないというか、ちょっと読み進め辛かったかな。★2~3。

  •  若手の研究者から、ここにも新しい書き手。
     小説界には良いかもしれないが。
     研究者が、思う存分に、活躍することすら、できないとなると。

  • ジャケ借り。
    読むのにエライ時間がかかりました。連作短編五編。三編辺りからはもはや義務感しかなく。
    脇役や街の雰囲気など設定自体は面白く興味をひかれるのですが、主人公にはまったく共感も感情移入もできませんでした。アカラ様。

    以前読んだ、森見登美彦氏「夜は短し恋せよ乙女」と、感触が似ています。
    据わりが悪いというか居心地が悪い感じで落ち着かない。わたしには合わないということなんだろうな。文章のところどころで「そこをひらがなにしちゃう?」という表現が見受けられ、それがいちいちひっかかってリズムが悪くなるのも一因か。

  • ごめんなさい、私には合わなかった。途中でギブしました。短編の連作な感じなのに、読み進むのが大変な感じ。ラノベのような、ちょっと私は苦手な雰囲気。オリジナルの土地と世界で、最初は興味深かったのですが、ノリが合わなかったです。

  • 主人公は心の拠り所みたいなのがあるから幸せというか、メンタルが壊れたりはしなそう。ふわっとしてるけど訥々と生きていけそう。わりと好きなお話。

  • その時その時でミクラ自身は本気で恋してるのだろうけど、惚れっぽいミクラが面白い。「かけだしどうし」では深刻にハゲの話をしていて、笑いそうになったけど、話が進めば進むほどハゲが進行する恐怖が伝わってきて笑っては悪い気がした。途中まで、トキトーさんがミステリアスな雰囲気を醸し出していたけれど、最後の方では人間らしさも見れて良かった。それにしても、出すか出される法が実際にあったら、新しい発見が生まれなくなりそう。

  • 平易な文章なのにとても読みにくい。最後まで慣れなかった。文章にも主人公にも。
    登場人物、特に主人公に全く共感できない。というか、何もしてないんだけど、この人好きになれない。なんでだろう。魅力的に描かれなければならない先輩も…叔父さんも…

    作中の児童書の感想の場面で、なんだこれ。と呟く主人公に、どの話を読んでても、途中でなんだこれ。と思うのは、もしかしてわざとなのかな、と。その辺りから大幅に飛ばし読み。
    間違って先に読んだシリーズ二作目はまだ読めたし、主人公をこれほど嫌悪しなかったんだけど。二作目では代書屋はもはや関係なくなってたし、題材が悪いのかもしれない。

  • (2016/8/1ギブアップ)
    読み終わってません。どうしても読み続けられなかった。読み続けるのは時間の無駄と判断し、やめました。
    タイトルに惹かれて借りた本。みなさんの評価は高いけど、何が楽しいのか、どこがうまいのか、全くわからない。

    (内容)
    北の街・蛸足大学を卒業したミクラは、先輩に拾われて「代書屋」稼業を始めたばかりの見習いだ。その内容は、研究者のため、彼らの書く論文を代わりにまとめること。新しい依頼が舞いこむたびに、なぜか素敵な女性と出会ってしまうミクラだが、依頼者は曲者揃いで内容も厄介なものばかり。果たして、恋も仕事も成功できるのか?第1回創元SF短編賞を受賞した新鋭の、ユル~くてほっこりした物語。心ゆるくなる連作短編集。

  • とある大学で施行された法律、大学および各種教育研究機関における研究活動推進振興法第二条略、内容は論文を発表しない研究者は去れ。略して出すか出されるか法。

    その厳しい目標は普段の研究者に時間の余裕がない、そのため論文代筆をする代筆屋がいる。
    主人公は代筆屋の駈け出しである。

    短編になっており、研究内容や、代筆範囲(研究助手)も多岐にわたる。
    必ず一人主人公が心を寄せる女性が出てくる。

    文筆活動と、恋愛を絡めた作品。

    ただ、主人公は極度の奥手のためいつも女性には振り向いてもらえず依頼者と女性が恋仲になることもあり、読んでいて切なくもなる。

    アラカ様という心的支えをもつ主人公はネクラ。

  • ちょっとファンタジーチック。
    短編が集まった形式になっていますが
    どの話もだいたい流れが同じなので、読んでて冗長な感があります


    そりゃあミクラくんもてないだろうな、、

  • この方も東北大出身。多いよね、伊坂さんとか佐藤さんとか。しかも同世代みたい。
    なんていうのかこういうのひさびさに読んだな、ほわほわした世界観。マーガレットとかに載ってそう。あまり深く考えず、刺激も毒性もなければさほど甘くもない 女子の想像の世界をゆらゆら漂うかんじですかね。好きなひとは好きだろうね、と思うということは私たぶん、お好みタイプではなかったんだとおもう。ミクラみたいの、放っておけないなー、とか、共感する面あるなー、とか、かわいいなー、とか、思える女子は多そうだけど。。。繰り返しやすい設定と人間関係からして、これ1冊じゃ終わらない物語なんだろうけど。。

    しゃんとせえよはっきりせえよイヤそこは言えよ(イラッ

    と50回くらいおもった。こうやって、勝手に恋する気分だけ高めて、なにもせずに勝手に失恋した気分だけを重ねてるような奴いるのほんとに。次回作もどうせ毎話に恋心が絡むんでしょ。男脳の私にはちょっと、やわらかすぎました。女子力高いひとには(たぶん)おすすめ。(なきがする。)シリーズ続いてミクラがバツ1になってたりしたら、また読む。

  • 松崎有理初読。いいですね、21世紀に入ってから出てきた方々特有の軽くて読みやすくて、浮遊感のある文体。ときどき気がついた時に手を取ると楽しんで読めそうです。

  • タイトルに惹かれたが内容はあまり好きになれず。

  • 美人とあればすぐに恋して、なにもしないうちに勝手に玉砕していくミクラ君がツボでした。自作の神様が脳内にいて、涙もろくて、変な夢にうなされるミクラくんは現実世界にいたら間違いなく天然くんなのでしょうけど、とってもいいキャラで癒されます♪代書屋の仕事は相手が一癖も二癖もある人達ばかりで大変そう…でも、名前は出ずとも学会に発表される論文の一端を担うというのはやりがいがありそうです。トキトーさんや、オサリバンのマスター、モーリオおじさんなど、個性ある人達も素敵でした❤

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著者プロフィール

1972年茨城県生まれ。東北大学理学部卒。2010年に「あがり」で第1回創元SF短編賞を受賞。著作に同作を収録したSF連作集『あがり』のほか、『架空論文投稿計画』『5まで数える』『イヴの末裔たちの明日』などがある。

「2022年 『シュレーディンガーの少女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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