- Amazon.co.jp ・本 (202ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334929343
感想・レビュー・書評
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短編で読みやすい。石持ワールド。
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一見スピリチュアルな現象を論理的に解き明かしてオチを付けるという手法はミステリでは珍しくありませんが、本作はスピリチュアルな現象を論理的にスピリチュアルであると証明していくという珍しい短編6編。非論理的推理過程が気になる著者ゆえ、逆にこちらの方が説得力を増すようです(笑。特に最終話は秀逸◎。
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証明されていないことが無いことだとは言えない。
僕は可能性を捨てていないだけです。
研究者小泉とその周辺に起きるちょっぴりホラーな短編集。
超常現象をさらりと推理する小泉がかっこいい!
ホラーでオカルトなのになぜか科学的な気さえしてくるあたりが石持マジック。
救いようのない結末のお話もあったけど最終話「九尾の狐」でほっこり。
このまとめ方も素晴らしい。
いつも思うことだけど
この作家は内容もさることながらタイトルが秀逸。
今回も新刊案内を見た瞬間に読まずにいられないと思った。
これも石持マジックか。 -
前作『三階に止まる』を読んでいる石持ファンは、こう思っただろう。嗚呼、そっちに行っちゃったのね…。あの1編がターニングポイントになったのか?
うーむ、大変内容を説明しにくい作品集である。あらすじすら書けない。探偵役はある会社の研究職の男、小泉。一応理系の僕が思うに、彼は柔軟性が高く、むしろ理系としては珍しいタイプだろう。研究者としても優秀に違いない。
全6編とも、小泉は社内の知り合いからの相談に乗る。「一歩ずつ進む」。おい、そこまでわかっていてそれでいいのか…。「二歩前を歩く」。おい、さっぱり解決していないがそれでいいのか…。「四方八方」。最初からドン引きだが、結末もドン引き…。
「五ヵ月前から」。最後まで言わないのは小泉の優しさなのか。「ナナカマド」。このご時世にこんなことが起きたら万々歳だが、意図を知ったばかりに…。それにしても、読み解く小泉も小泉だが、この会社はこんな社員ばかりでいいのかよ。
最後の「九尾の狐」だけ毛色が違う。意外といえば意外だが、そもそも石持さんはこの手のネタは得意だったはず。このような作品集をこのようにまとめられるのは、石持浅海だけ。新機軸のようで、やることは同じ。ファンなら苦笑しつつも許せるだろう。
石持マニアの満足度はそれなりに高いと思うが、一般読者には薦めにくい。石持作品の傾向を熟知していてこそ、こういうネタも感慨深いが、普通のミステリファンが受け入れられるかどうか。最初に読む石持作品にしてはいけない。
『三階に止まる』に収録のあの1編は、本作に含めた方がよかったかもしれない。あの1編で心構えができていたとも言えるし、意外性を削いでしまったとも言える。今後このシリーズを継続するのか、注目したい。 -
「理系だからこそ、現代科学ではわかっていないことは山ほどある」という小泉の言葉にはっとした。
鵜呑みにして信じこむか、頭から否定してかかるか。それが文系のとりがちな行動である、とも言える。
確かに、科学的な証拠を揃えて否定するまでは、あるともないとも言えないのが「超常現象」というものだろう。
そうやって、小泉は論理的に解明していこうとするわけだ。仮説、実験、検証の手順を踏んで、なおかつ残るもの。それがこの作品に描かれている物語というわけだ。
結びつけ方がとても面白かった。
押さえつけていた蓋が外れて、隠していたものが溢れてくる様子が、時にホラーっぽく、時にしんみりと描かれている。
「ナナカマド」という増えるガソリンの話がどうにもやりきれなかった。 -
一から順にカウントアップするのかと思ったら、飛んでる数字もあるのね。
大体ラストがちょっと怖いけど、まぁ読めないほどじゃないかな。
超常現象かも、て話も途中まで出て来ないし。 -
ホラーなのかな?
ミステリーなのかな?
小泉氏がお父さんっていうのが1番、謎めいてる。 -
オカルト現象を科学的に解明しようとする面白い作品。解決しないものもあり、皮肉が効いている結末もあり割と好みです。
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2022.3.20読了
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超常現象とミステリーが合体したような作品。短編で読みやすいけど、オカルト要素もあって、ちょっと怖かった。。