回廊の鬼

著者 : 叶紙器
  • 光文社 (2014年4月18日発売)
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  • 本棚登録 :15
  • レビュー :4
  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334929404

回廊の鬼の感想・レビュー・書評

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  •  うーん。
     うーん……。えっ。本当に?ってなった。
     奥さんがあまりにも不憫で、もう少しよい救われ方は無かったのかなぁと思う。


    <以下ネタバレあり>

     信号機はもともと色覚異常者にも判別が付くように作られていると聞いたことがある(Wikipediaを見るとLEDが出た当初は見にくいという意見もあったそうな)。だからこそ、昔から事故に遭いやすい……はどうなのかなぁ。LEDが出始めたばかりだから? もしかしたら、当該の人に言わせれば見えにくいということだろうか。
     過去に色覚異常で就職が出来なかったということは有ると思うし、(どうしても必要な職業を除いては)それは差別ではあるのだが、では、現代はどういう場合に駄目で、どのようにすれば差別ではないのかまできちんと説明しないと、不安を煽るような気がする、というのが少し。
     個人的には、色覚異常では出来ない仕事に就こうとしていた、の方が納得が行く。

     サンタクロースもどうなんでしょうなぁ。奥さんの人となりがよく見えず、です。何というか、ヒントとなる道具と人物像に整合を感じられない。

     安易に色覚異常を使おうとしていないか?という疑問がある。

    (もしかしたら、作者のまわりに色覚異常の方が居て、その人に取っては実にその通りなのかもしれず、私のコメント自体が見当違いなのかもしれないなとも思うんだけどね)

     ウィルス性胃腸炎についても、確かにアルコールではNGというのを数年前にテレビで見た記憶がある。だから、この本の舞台の年代と、消毒の方法の辺りから「パンデミック来るなぁ」と予測出来てしまっていたのが残念。
     また、きちんと保健所の人が配付した資料を、あまり信頼関係の無い医者にそのまま渡し、医者が見なければスタッフも見ないって……本当にどういうことなんだろうか。あの時代、本当にこれが特老で起きていたことなんだろうか? それとも余裕が無いと言うこと?
     登場人物に余裕が無いというよりは、いい加減に見えてしまったのが非常に残念。これがあることで、命を預かる医療従事者なのだという主張が薄っぺらくなってしまう。ウィルス性胃腸炎って、下手すると人が死ぬのに誰も死なず、罹患した!治った!となってしまい、扱いが軽いのも一因か。(それとも大した病気じゃないんだろうか)

     関係ないけれど、この作家さんは、日常系ミステリとか、ミステリを除いた作品の方が向いているのでは……?と少し。今回のミステリパートでは無いパンデミック部分の方が筆が生き生きとしているように思う。
     無理にミステリ仕立てとするために道具立てをするよりは、その状況を書くだけで読ませる筆力があるような気がする。

  • 介護職員の典座が入所者の妻の死の真相を明らかにするため奔走するミステリ。全身緑衣に一本角、爪の剥がされた“緑の鬼”という奇想溢れるシチュエーションがこれ以上なく魅力的。リーダビリティも高くパニックものさながらな緊迫感ある展開に惹き込まれる一方で、念押しのような伏線と著者が島荘チルドレンであることを勘案すると比較的早い段階で事件の全容に見当が付くのが瑕といえば瑕でしょう。合理的すぎる着地点もインパクトが完全に謎>解決になっているのは考えものです。

  • 介護老人保健施設さんざし苑に入所している成田正三はしょっちゅうベランダに行こうとします。介護職員の四条典座は、それが妻の不審死と関係しているのではないかと思い調べ始めます。

    自宅や病院のベランダに緑色の鬼が現れるという謎の提示は魅力的でしたが、真相は意外性がなく無難という感じで正直拍子抜けしました。
    しかし、手掛かりは親切に提示されていましたし、成田正三の生い立ちを調べていく過程は読んでいて面白く、最後まで飽きることなく楽しめました。

  • 2014/05/01読了

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