火星に住むつもりかい?

著者 :
  • 光文社
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本棚登録 : 3080
レビュー : 450
  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334929893

感想・レビュー・書評

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  • あとがき、がよかったw なんてね。伊坂さんの小説は大好き。内容がどうこうというより、一瞬で別世界に連れて行ってくれるから。そう、伊坂ワールド♪何とも不思議な空間。しかし、トリップしっぱなし、には決してならに。ひゅんと現実世界に戻ってくる。そして、あんなにハマっていた世界の記憶は、どんどん希薄になる。でも、あのワクワク、ドキドキ感だけは忘れない。
    だからまた行ってみたくなる。何度でもww

  • ここまで極端じゃないけど、現在の状況を描いているような…【俺たち平和警察が得意なのは情報のコントロールだ。噂話の制御もな】って薬師寺警視長の言葉は今のメディアが思い浮かんだ。
    けどいちばん怖いのは、与えられた情報を鵜呑みにする大衆なんじゃないかな。
    どんどん暗い気持ちになる展開だったけど、ラストのどんでん返しで少しは希望が持てるかな。怪しいとは思ってたけど、展開に引き込まれてたな。

  • +++
    この状況で生き抜くか、もしくは、火星にでも行け。希望のない、二択だ。
    密告、連行、苛烈な取り調べ。
    暴走する公権力、逃げ場のない世界。
    しかし、我々はこの社会で生きていくしかない。
    孤独なヒーローに希望を託して――。
    らしさ満載、破格の娯楽小説!
    +++

    いまの時代だからこその物語のような気がする。バットマン的正義の味方が現れるかどうかは別として、平和警察の存在は、虚構の世界のできごととして安閑とはしていられないようにも思われて、空恐ろしささえ感じてしまう。黒ずくめの正義の味方が生まれたいきさつも、成り行き感満載で、いまの時代を映しているようにもみえる。著者が武器に選んだものも、虚を突かれた感がある。銃火器だけが武器になるわけではないのだ。東京からやってきた個性的な捜査官・真壁鴻一郎があっけなくやられたときには、こんなはずはないと思ったが、彼の続編をぜひ読みたいものである。いろいろと示唆に富む一冊である

  • みんなのタグがネタバレを含みますね。
    予想できても予想をさらに越える展開で、終始上回られた感覚。

  • タイトルが..
    内容をあまりにかけ離れているけど
    まあ、内容は面白い。ちょっと怖い・くらいパラレルワールド。最近の政治家の発言がちょっとダブったり。

  • 初読。図書館。こんな社会ないよな、でもあってもおかしくないよな、あったらこわいよな、いつかこんな社会になってしまうのかな、という絶妙なバランスで描き上げるのが伊坂さんは本当にウマイ。「国家権力と正義」というお得意のテーマ。国家権力のえげつなさはどんどん描写がエスカレートしていて、お前ならどうするんだとキリキリと答えを迫られて苦しくなる。「正義」ってここのところいろんな作家さんがテーマとして取り上げているけど、「正義」の意味を深く考えなければいけない時代になっているんだなあ、と痛切に感じる。

  • 統制社会の恐怖と希望を描くサスペンスミステリー。

    前半の統制社会を描いた部分は魔女狩りの様相を呈していて、フランス革命の粛清にも似て、非常に恐怖感を覚えました。
    最近の独裁国の暴走、日本の言論統制にもつながりかねない立法など、現代への警鐘にも感じます。
    伊坂さんなのでブラックだけでは終わらないと思いましたが、仙台が舞台だったり、どんでん返しもあったり、伏線もすべて回収するところはさすがです。
    真壁さんという死神シリーズの死神や探偵泥棒の黒澤のようなダントツキャラだけでなく、平凡的ではあるが正義感が強く事件に巻き込まれる定番キャラとしての床屋やロベスピエールを髣髴させるような警視長をはじめ登場人物たちもいい味を出していました。

  • 久しぶりにこっち系統の伊坂作品だなーというのが最初の感想。人がどんどん酷いやり方で死んでいきます。バイオレンス。ずっと不愉快だったけど真壁鴻一郎の出現でソフトに和やかになったかな、少しは。サディエストな作品。
    初っ端から掴みはバッチリ。
    冒頭のリストラなんて魔女狩りと一緒だ、から心掴まれたのだが酷い惨殺シーンが多すぎて思ってた展開とは進まずまずびっくり。いくつもの描写がはじめ交差し、登場人物の多さ、伏線になかなかページをめくる手が早まらなかった。(けど面白い!)
    火星とかいうタイトルだからてっきりSFものかなと思ったのはわたしもです。SF苦手なので構わないけど。
    最後の最後までそこそこの不愉快さは残ったけど、

    あ、以下ネタバレ

    真壁が死んでなかったこと、臼井が悪人ではなかったこと、臼井の手で騙された蒲生や水野が無事だったのは良かった。(田原は生きてるのだろうかという疑問はあるけども…)
    こういうバイオレンスな伊坂作品もわたしは大好きです。久しぶりにスリルを感じた作品でした

  •  さっぱり内容が想像できないタイトル。ところが、読み始めてすぐに、薄ら寒くなる設定に顔が引きつった。伊坂作品とわかっていなければ、読み通せなかった。

     舞台は「平和警察」制度が施行された日本。推進者は犯罪が減ったことを力説するが、その実態はかつての特高警察を彷彿とさせる恐怖組織だった。平和警察が危険人物と見なせば、その人物の人生は終わる。拷問にかけられ、公開処刑を待つのみ。

     持ち回りで指定される「安全地区」が、宮城県に回ってきた。安全地区で何が起きるかというと、住民が相互に監視し、密告する。危険人物の一丁上がり。ろくに捜査などしない。平和警察にはいたぶるのが大好きな人員が揃っている。こんな設定、笑えねえ…。

     こんな無茶苦茶な制度がまかり通る、絶望の世界。ところがある日、何者かが平和警察庁舎に侵入。警察官を殺害し、被疑者を連れ去った。威信に関わる事態に、東京から捜査官が送り込まれる。「正義の味方」は、特異な武器を使用しているらしい。

     「正義の味方」は誰でも助けるわけではない。助けた相手の共通点は何か。平和警察は片っ端から連行する始末。「正義の味方」が動くと、さらなる被疑者をどんどん生む。いくらエンタメ小説とはいえ、おいもっとしっかりしろよと思ってしまう。

     しかし、終盤が近づき、その正体が明かされると…。この男に1人で立ち向かえというのも酷だよなあ。そして、平和警察は男をあぶり出そうとする。いつもの仙台駅東口広場で、「彼」は公開処刑にかけられようとしていた。打つ手はあるのか。

     うーむ、確かに意外な結末ではあったけれど、これであっさりひっくり返るのかねえ…。慎重に慎重を期したというのはわかるけれど、その間にもどんどん処刑台送りになるわけで、何だか読後感がすっきりしないのだった。

     とはいえ、いつもの伊坂作品の得意技とは違うひねりを見せてくれたのは評価したい。何より、100%絵空事と笑い流せなかった。ここまで極端な事態は来ないと信じたいが…ネットの発言くらいはチェックされていると思った方がいいだろうね。

  • もう、苦しくて苦しくて。
    でも伊坂さん作品やからきっと大丈夫、大丈夫、って自分に言い聞かせながら読み進めた。

    現実世界に近いけれど、少し違う物語の舞台。いまの世の中もこうなる危険をはらんでいる気がして、とてもこわくなった。

    きっと大切なのは「たかをくくらないこと」「大きな力を疑うこと」ゴールデンスランバーも、魔王も、火星に住むつもりかいも、同じメッセージがこめられてる。

    そのふたつを忘れずに、「生きてるみたいに生きる」のだ。

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著者プロフィール

伊坂 幸太郎(いさか こうたろう)
1971年千葉県生まれの作家。東北大学法学部卒業後、SEとして働きながら文学賞応募し、2000年『オーデュボンの祈り』で新潮ミステリー倶楽部賞受賞、デビュー作となる。その後作家専業となり、宮城県仙台市に在住しながら執筆を続けている。2004年『アヒルと鴨のコインロッカー』で第25回吉川英治文学新人賞、同年『死神の精度』で第57回日本推理作家協会賞短編部門、2006年平成17年度宮城県芸術選奨文芸部門、2008年『ゴールデンスランバー』で第5回本屋大賞、第21回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。同作で直木賞の選考対象となることを辞退したことも話題になった。上記受賞作のほか、『重力ピエロ』、『バイバイ、ブラックバード』、『アイネクライネナハトムジーク』など話題となる作品は多い。代表作も殆どが映画化されている。最新作に『フーガはユーガ』。

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