火星に住むつもりかい?

著者 :
  • 光文社
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レビュー : 449
  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334929893

感想・レビュー・書評

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  • 「部長はもう大騒ぎだ。平和さんには平謝りだし、俺たちには鞭でびしばし。偉い人には飴を、目下の者には鞭を、ってああいうのも飴と鞭って言うのかねえ」

    「それと一緒で、僕だって無関係ですよ。どこまで原因を遡るんですか。すべての犯罪は、この世に人類が生まれたから! とだって言えますよ。だとしたら、裁かれるのは誰ですか? ああ、畏れ多い。」

    「もしくは、事件の真相を知りたかったら、ここをクリック、とか? それ、絶対、クリックしたら駄目ですよ、薬師寺さん。バイアグラ販売します、のページに飛ばされるかもしれません。しかも、残念なことにもしバイアグラが欲しかったとしても、そのサイトでは買えない可能性が高いです」

    『人間には、罪を隠したい、という思いと同時に、「後ろめたさを処理したい」という思いもある。でなければ、懺悔や告解のシステムも無用だ。』

    「やっぱり忙しいんだねえ。大丈夫? 寝不足のオーラが出てるけれど」
    「オーラって、寝不足の人からは出なさそうですよね」

    『明らかに、面倒なお願い事だと私は分かった。困ります、という表情を作った上で、実際に、「困ります」と口に出した。』

    『ただ想像することはできる。
    父の頭を過ったのは、祖父のことだったのではないか。
    一人の困っている人間を助けたら、ほかの困っている人間も助けなくてはいけない。なぜなら、「すべての人を救わない」ことは、「偽善」だからだ。
    偽善者め!
    そう批判される。祖父がそれを証明した。』

  • 平和って難しい

  • 市民からの通報等により嫌疑を危険人物の嫌疑をかけられた一般人に自白を強要して公開処刑する昭和の特高警察のような組織に立ち向かうツナギ男の物語。

    このままでは処刑される息子を助けるために、彼の母が無様に3分間鉄棒にぶら下がることに挑戦しているシーンに、涙が出そうになった。息子を助けるために、自分の母親もきっと挑戦するんだろうなと思って。


  • 雨の休日、ノンビリと一気読みしちゃいました。

    タイトルから「火星の人」のようなSF作品だと思ってましたが違ってました。

    ある意味SF作品のような恐ろしい設定で読んでいる最中はハラハラしっぱなし。ただ将来有り得えない話ではないと思うと恐ろしいです。

    作中に虫の世界の話が人間も虫も、生き抜くためには必死な点は一緒ですね。

    ただし、人間には知性があるはず。
    作中のような世界にならないよう、切に願ってます。

  • 魔女狩りという日常では自身に関係ないことが自身の身に降りかかる恐怖。
    最初は読み進めるのがしんどくて、こんな現実味のない夢のない話、と思いながら読んでいましたが、話が進むにつれて、設定はもちろんフィクションですが、
    今の現代にも通じる人間の心理をついた作品だなと思うようになり、後半は一気に読みました。

    最後のぼくのりりっくのぼうよみさんの解説内にもあったように、読んでる私たちにも投げかけられていた印象操作には、まんまとハマっていたように思います。

    短編ものでもどんでん返しが面白い伊坂氏の作品ですが、
    長編作品は、フィクションの中に社会に対する問題提起だったり、風刺だったりがあって、また世界観が深くなって味わいになっていいと思います。

  • 作家の本懐は社会風刺を物語の中で読者に伝えること。
    伊坂さんらしい非常に面白い作品でした。

  • 201805

  • 毎度ながら伏線の張り巡らせと回収っぷりがすごい。
    二瓶君ちょっと改心したの?
    真壁さんになぜかバチスタシリーズの彦根先生みたいな
    イメージが過ぎった。
    あと平和警察こわい。まんま昔の秘密警察だ。

  • 読み終わってみると、帯の通りたしかに色んな正義があった。
    後半の伊坂節の効き加減が凄まじい。

    「他人を偽善だ偽善だと叫ぶ人は、単に、『良さそうなこと』をしてるひとが鬱陶しいだけなんじゃないか、って」この台詞はおっと思わせる。

  • 国家権力の恐ろしさをじわじわと描いていて,まさかこんなことはあり得ないだろうというより,今そういう方向へと進みつつあるような不安をミステリーにした感じ.世の中は正義だらけだ.というのが魔女狩りをイメージとして,とてもよくわかる.伊坂作品は運や策略や悪意の中であっけなく人が死んでいくが,考えてみれば現実でもそのような感じなのだと納得する.今や共謀罪まで成立してますます冤罪が増えそうな日本,世の中は凶暴な血を隠した羊たちの群ればかりでないと信じたい.

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著者プロフィール

伊坂 幸太郎(いさか こうたろう)
1971年千葉県生まれの作家。東北大学法学部卒業後、SEとして働きながら文学賞応募し、2000年『オーデュボンの祈り』で新潮ミステリー倶楽部賞受賞、デビュー作となる。その後作家専業となり、宮城県仙台市に在住しながら執筆を続けている。2004年『アヒルと鴨のコインロッカー』で第25回吉川英治文学新人賞、同年『死神の精度』で第57回日本推理作家協会賞短編部門、2006年平成17年度宮城県芸術選奨文芸部門、2008年『ゴールデンスランバー』で第5回本屋大賞、第21回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。同作で直木賞の選考対象となることを辞退したことも話題になった。上記受賞作のほか、『重力ピエロ』、『バイバイ、ブラックバード』、『アイネクライネナハトムジーク』など話題となる作品は多い。代表作も殆どが映画化されている。最新作に『フーガはユーガ』。

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