火星に住むつもりかい?

著者 :
  • 光文社
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感想 : 516
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334929893

感想・レビュー・書評

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  • ツボに嵌まったから満点にしました 笑。伊坂ワールドばっちりの作品、ノンストップで読んでしまいました。冗談みたいな怖い警察社会が計画され、仙台も目的地域となり恐怖地域と化していく過程は さもありなん と思えるような展開です。いったい如何なる結末になるのかハラハラしながらも最後はスッキリの終わり方です♪
    警察関係者が読んだら立腹するような筋ですが終わりまで読むと腑に落ちる仕掛け ですね。
    タイトルが英語的に変だなァと思っていたら後書きでちゃんと書かれておりました 笑。

  • 初めての伊坂幸太郎、読了。社会派推理小説、すごく読み応えがあって良い。勧められて読んでみたら完全にハマりました。現代版魔女狩りの設定がなかなかエグくて、前半はずっと辛さが込み上げ、読み進まず。全体としてはミステリーだからこそ、なんとか辛さも半々で読み切れました。謎解き的な、なるほどね!は無いものの、人間の弱さを考えさせられる中身で、1冊読み終えて、少し大人になれたように感じております。1冊毎の重みが半端じゃなさそうですが、まだまだ伊坂幸太郎、手をつけていこうと思います。

  • ゴールデンスランバー、魔王など伊坂幸太郎の作品には、公権力/暴力装置の危うさが描かれているものも多いが、本著もその系列に並ぶ。狂気をはらんだシステムが非常にわかりやすく描かれいて、今の自分が置かれている状況がある程度まともでよかったと思うとともに、こんな世界がありうるんだろうという恐怖も感じた。タイトルや、登場人物の行動から突拍子もないラストなのかと思いながら読み進めたが、まあ納得できる内容であった。

  • 将来、こんな世界になりませんように、と思ってしまった。また、どこかで会いたいあの人(笑)

  • すごい小説。素晴らしい小説を読んでしまった!一日使って読んで、今は達成感と充実感でいっぱい。とてもこわかった。恐ろしかった。でも面白かった。
    本当の意味での正義とは善意とは何だろうと考えた。この小説には色んな人がいて色んな考え方があった。震災のことも重なった。病気のことも重なった。死を意識したことも。フィクションだけれど、伊坂さんの心の葛藤のようなものもとても感じた。苦しくなった。でも最後には優しい方向に終わった気がする。バランスが大事だなと思った。偏りはやっぱりこわいし、ダメだよねぇ。
    伊坂作品はいつもそうだけど印象的な言葉が多いなぁ。忘れないようにノートに書いておこう。
    とても楽しい読書時間だった。15/06/19

  • あとがき、がよかったw なんてね。伊坂さんの小説は大好き。内容がどうこうというより、一瞬で別世界に連れて行ってくれるから。そう、伊坂ワールド♪何とも不思議な空間。しかし、トリップしっぱなし、には決してならに。ひゅんと現実世界に戻ってくる。そして、あんなにハマっていた世界の記憶は、どんどん希薄になる。でも、あのワクワク、ドキドキ感だけは忘れない。
    だからまた行ってみたくなる。何度でもww

  • みんなのタグがネタバレを含みますね。
    予想できても予想をさらに越える展開で、終始上回られた感覚。

  • 久しぶりにこっち系統の伊坂作品だなーというのが最初の感想。人がどんどん酷いやり方で死んでいきます。バイオレンス。ずっと不愉快だったけど真壁鴻一郎の出現でソフトに和やかになったかな、少しは。サディエストな作品。
    初っ端から掴みはバッチリ。
    冒頭のリストラなんて魔女狩りと一緒だ、から心掴まれたのだが酷い惨殺シーンが多すぎて思ってた展開とは進まずまずびっくり。いくつもの描写がはじめ交差し、登場人物の多さ、伏線になかなかページをめくる手が早まらなかった。(けど面白い!)
    火星とかいうタイトルだからてっきりSFものかなと思ったのはわたしもです。SF苦手なので構わないけど。
    最後の最後までそこそこの不愉快さは残ったけど、

    あ、以下ネタバレ

    真壁が死んでなかったこと、臼井が悪人ではなかったこと、臼井の手で騙された蒲生や水野が無事だったのは良かった。(田原は生きてるのだろうかという疑問はあるけども…)
    こういうバイオレンスな伊坂作品もわたしは大好きです。久しぶりにスリルを感じた作品でした

  • ひとつひとつの言葉を丁寧に読んでいけば、最後に全てのピースがはまって救われた気持ちになる。伊坂作品らしさが詰まった1冊。
    平和警察という一見バカバカしい仕組みも、やすやすと大衆に支持され権力に利用されるという恐ろしさ。時代への警鐘でもあると感じた。

  • 最後まで展開が読めず、ハラハラドキドキでページをめくってました。情報操作の恐ろしさ、異常な状況が当たり前になっていく。本作はフィクションなのに、こんな未来が想像できて怖くなりました。

  • 他の人の評価が低かったのは意外だった。
    設定は確かに怖い。平和警察のような監視社会は、実際ありそうに感じる。
    でもかなり無理はある。現実的でない、と思いたい。
    酷い拷問を想像させる描写も多々あった。
    ただ、設定は設定であって、その状況下で人はどう考えてどう行動するか。そこに焦点をあてると、とても引き込まれた。
    善意とは何か。良かれと思ったことが偽善と言われる。
    偽善とは何か。単純に心の中では反対の感情なのに表面的に優しい行動のことだと思っていた。でも、その内面と行動の違いは自分しか分からず、他人の評価で決まるのも確か。それってとてつもなく切なくなる。正義もしかり。
    どんなにいい人でも、死に方は選べない。だからと言って、普段から全力でしたいことだけをしてはいられない。
    伊坂幸太郎さんの話だから、最終的には丸く収まると信じてたから最後まで読めた。
    臼井と真壁のことは、引っかかりながらも気づかなくて、他の人の考察で知って納得。
    いい人が、底抜けにいい人という訳でない、人間味のあるところがよかった。
    人に勧めたいし、また、いつか読み直したいとも思う。

  • 展開が二転三転して面白かった。途中まできれいに終わるのか?と思ったものの結局もやもやしない終わり方でとても読み終わりの余韻も良かった。

  • 『平和警察:近未来の日本を描くエンタメ小説』

    最後の最後まで、ハラハラ、ドキドキ
    久しぶりの爽快感!

    エンタメ小説として楽しんだ一方で、世間の目を気にして言いたいことも言えない日本の近未来を見ているようで、ゾッとした。

  • 平和警察により抑圧された監視社会を描いたディストピア小説。モヤモヤとした気持ち悪さを感じながらも、なんとなく惹きつけられてしまう不思議な魅力のある作品。好きではないが、嫌いにもなれない感じ。

  • この重い(&怖い&不気味な)テーマを、ノリのいいロックを聴いているが如く読まされてしまうマジック。
    伊坂ワールド恐るべし。

  • 「正義」「平和」「偽善」が入り混じった内容。展開はとても好きだった。
    伊坂作品でよく思うのは、「読むときは、短期間で集中して」読まないと
    読者として、伏線回収ができない。
    大どんでん返しをお家芸にする作家さんなので尚更であるww
    ゴールデン・スランバー同様、ディストピア系の小説。
    人の深層心理を操るとか煽るとか、そこに恐怖を感じた。

    気力を要する作品だったけど、なぜか嫌いではなかった。

  • 日本のデイストピアを描いた近未来小説。救いの無さからどんでん返しまで完璧。

  • 「部長はもう大騒ぎだ。平和さんには平謝りだし、俺たちには鞭でびしばし。偉い人には飴を、目下の者には鞭を、ってああいうのも飴と鞭って言うのかねえ」

    「それと一緒で、僕だって無関係ですよ。どこまで原因を遡るんですか。すべての犯罪は、この世に人類が生まれたから! とだって言えますよ。だとしたら、裁かれるのは誰ですか? ああ、畏れ多い。」

    「もしくは、事件の真相を知りたかったら、ここをクリック、とか? それ、絶対、クリックしたら駄目ですよ、薬師寺さん。バイアグラ販売します、のページに飛ばされるかもしれません。しかも、残念なことにもしバイアグラが欲しかったとしても、そのサイトでは買えない可能性が高いです」

    『人間には、罪を隠したい、という思いと同時に、「後ろめたさを処理したい」という思いもある。でなければ、懺悔や告解のシステムも無用だ。』

    「やっぱり忙しいんだねえ。大丈夫? 寝不足のオーラが出てるけれど」
    「オーラって、寝不足の人からは出なさそうですよね」

    『明らかに、面倒なお願い事だと私は分かった。困ります、という表情を作った上で、実際に、「困ります」と口に出した。』

    『ただ想像することはできる。
    父の頭を過ったのは、祖父のことだったのではないか。
    一人の困っている人間を助けたら、ほかの困っている人間も助けなくてはいけない。なぜなら、「すべての人を救わない」ことは、「偽善」だからだ。
    偽善者め!
    そう批判される。祖父がそれを証明した。』


  • 雨の休日、ノンビリと一気読みしちゃいました。

    タイトルから「火星の人」のようなSF作品だと思ってましたが違ってました。

    ある意味SF作品のような恐ろしい設定で読んでいる最中はハラハラしっぱなし。ただ将来有り得えない話ではないと思うと恐ろしいです。

    作中に虫の世界の話が人間も虫も、生き抜くためには必死な点は一緒ですね。

    ただし、人間には知性があるはず。
    作中のような世界にならないよう、切に願ってます。

  • 作家の本懐は社会風刺を物語の中で読者に伝えること。
    伊坂さんらしい非常に面白い作品でした。

著者プロフィール

1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で、「新潮ミステリー倶楽部賞」を受賞し、デビューする。04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で、「吉川英治文学新人賞」、短編『死神の精度』で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞。08年『ゴールデンスランバー』で、「本屋大賞」「山本周五郎賞」のW受賞を果たす。その他著書に、『グラスホッパー』『マリアビートル』『AX アックス』『重力ピエロ』『フーガはユーガ』『クジラアタマの王様』『逆ソクラテス』『ペッパーズ・ゴースト』『777 トリプルセブン』等がある。

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