にぎやかな落葉たち 21世紀はじめての密室

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  • 光文社
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334929916

感想・レビュー・書評

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  • 血は水より濃いなんてこたぁないと思うがなあ。
    と思いましたそんな話。

    読みやすいけれど、あまり好きにはなれないなあと思う話というか、作者というか?
    別にストーリー的な話ではなく、純粋に読みやすさだけの話です。文体。

    21世紀はじめての密室とありますが、それに何か意味あったのでしたっけ。
    まあいいか。
    見取り図とか見返さない派なので、今登場人物がどの辺でどうしてるのかさっぱりでしたダメミステリ読み。作者や見取り図作った人に非常に申し訳ない。

  • うにゃー、読まなくてもよかったなあ、という読後感。

    表紙がシノダシリーズの画だったので、
    イメージとしてライトなミステリを期待したのがいけなかった。

    殺人事件なくてもよかったなあ。
    身寄りをなくした少女と夢破れたかつての少女と
    なんだかにぎやかな年寄りたちと、で結構いい話にもなったのではないかと。

    それぞれのキャラクターはちゃんと確立しているんだけれど、なんか会話の端々にどーも違和感。しっくりこない感じあり。それはそれぞれが本当の(?)自分を隠してたからなのか、文章が変なのかどうなのか、はよくわからない。

    ほっこり特養ホーム気分で読んでいたら、
    ゲスい過去話が入ってきて気が滅入る。

    やられた方は忘れない、には同感。
    が、やったことを忘れないことも、ある。

  • 雪の日のグループホームにて奇妙な殺人事件が発生する密室ミステリ。怪しい人物はそのまま怪しく、予想を大きく裏切る驚愕の展開こそないけれど、丁寧な状況整理によって詳らかになる真相に大仰なトリックがアクセントとなって、最後までしっかり読ませます。終わってみればそれほどアンバランスな感はないにしろ、最初の殺人が起きるまでに200ページ掛かるのはやや冗長かもしれません。ユーモラスでありつつも綺麗すぎず、それでいて救いと希望のある優しさに溢れた物語でした。

  • グループホーム「若葉荘」を舞台にした、ほんわかムードのミステリ。けっこう辛辣な部分もあるし、物騒な殺人も起こるのだけれど。それでも作品の雰囲気はやっぱりほんわかだなあ。ユーモラスで心温まる一作でもあります。
    あの人のキャラクターがなんだか独特で危ういなあ、と思っていたのだけれど。うわあ、そのための伏線だったのか~。この動機は哀しいながらもなんだかほろりとさせられてしまいました。

  • +++
    北関東の山間にたつグループホーム「若葉荘」。世話人は元天才少女小説家。居住者は自在に歳を重ねた高齢者たちと、車椅子暮しながら筋骨隆々の元刑事と、身寄りのない彼の姪。賑やかで穏やかな日々は、その冬いちばんの雪の日、とつぜん破られる。密室に転がった射殺死体の出現によって―ホーム最年少の少女スタッフは、隠された因縁を解き明かし、真相に迫ることができるのか!?半世紀を超える筆歴を持つ日本一やんちゃな巨匠が、稚気と叙情と茶目っ気を縦横に駆使して描く、本格ミステリ長編!
    +++

    まず、登場人物がそれぞれに個性的で、にもかかわらず親しみやすく、読者もあっという間に若葉荘の雰囲気に馴染めてしまうので、つい入居者の一人になった心地で読んでしまう。最年少、17歳の綾乃は、世話人の寥(りょう)を甲斐甲斐しく手伝いながらも、人一倍屈託を抱えているのが端々に伺えて気になる。仕事熱心とは言いかねる杵谷が解雇もされずに若葉荘にいるのも気にかかる。何かが起きそうだと思っているところに大雪で道路が閉ざされ、殺人事件が起きるのである。過去から続く恨みの気持ちと時のいたずら、そして別の流れが加わったとき、とんでもない力になってしまったのである。何度もそうだったのかと思わされる一冊である。

  • グループホームを舞台にしたクローズド・サークルもの。
    物語の半分以上が、ヒロインの父親が殺害された事件を中心に過去の出来事を綴っていますが、親しみ易い語り口なので苦になることなくサラッと読めました。
    密室殺人のトリックは個人的に苦手なタイプでピンと来なかったものの、「なぜ今殺人が起きたのか?」というホワイダニットには意表を突かれました。細かい伏線の回収やエンディングの仕掛け方も老練でした。

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著者プロフィール

1932年、名古屋市生まれ。名古屋大学文学部卒業後、NHKに入社。テレビ初期のディレクター、プロデューサーをつとめたのち、脚本家に転身。『鉄腕アトム』、『エイトマン』、『ジャングル大帝』、『サザエさん』、『巨人の星』、『デビルマン』など、1500本超のアニメ脚本を執筆した。また、推理小説作家としても活躍しており、『仮題・中学殺人事件』、『迷犬ルパンの名推理』、『あじあ号、吼えろ!』、『完全恋愛』(牧薩次名義)など多数の著作がある。現在、デジタルハリウッド大学教授。国際アニメ研究所所長。本格ミステリ作家クラブ会長。

「2009年 『『鉄腕アトム』から『電脳コイル』へ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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