「大恐慌」以後の世界 (Kobunsha Paperbacks 128)

著者 :
  • 光文社
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334934521

感想・レビュー・書評

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  • わかりやすい。結局、欲にまみれてはいけない。

  • サブプライムローン問題を皮切りにアメリカ金融機関の化けの皮が剥がれてきているような気がしますが、それでも、その代わりが簡単に見つかるとは個人的には思えません。

    昔読んだ本だったと思いますが、イギリスが本当に没落した数十年前には、イギリスで危機が叫ばれていたそうですが、本当に没落したときには騒がれなかったそうです。すると、あと10年以上は変わらないかもしれません。そうは言っても、アメリカの動向については興味があるので、この手の本を読んでしまいます。

    以下は気になったポイントです。

    ・デリベティブの規模は、2002年の100兆ドルから、2008年には750兆ドル(7.5京円)に膨らんでいる、アメリカ国家予算:3兆ドル、GDP:15兆ドル、全世界の株・国債の発行残高:100兆ドル、全世界不動産の評価額:75兆ドルと比較してとても大きい(p25)

    ・ソロス、ビルゲイツ等は、ドルに見切りをつけて、ユーロ・商品へと方向転換を図っている(p30)

    ・国家破綻したアイスランドは、2008年夏までは、世界で一番住みたい国であった、個人所得世界一、医療教育は無料、携帯電話普及率、働く女性比率世界一(p32)

    ・アメリカ政府は2008年10月から、陸軍の実働部隊をアメリカ本土へ駐留させはじめた、これは南北戦争以来のできごと(p37)

    ・チュエニー副大統領は、自ら所有する2500万ドルの資産をユーロ債へ移動させた(p43)

    ・世界の外貨準備高(4.3兆ドル)のなかで、ドル比率は1999年の70%から、2008年には60%以下、ユーロは18→27%へ上昇(p61)

    ・中国が保有するアメリカ国債は5850億ドルであり、日本(5732億ドル)とほぼ同等だが、外貨準備高(2兆ドル)は日本の倍以上ある(p64)

    ・18世紀の中国はアヘン戦争でイギリスに敗れるまでは、世界GDPの30%を独占していた、現在の中国はその位置まで戻したいと考えている(p66)

    ・ペルシャ湾岸諸国会議(GCC:サウジ、クウェート、バーレーン、カタール、首長国、オマーン)は、通貨統合(ディナール)によりドルペッグを外そうとしている(p71)

    ・アメリカの住宅バブルが日本のバブルと異なるのは、アメリカ住宅関連市場が個人消費の半分をしめる巨大な市場だから(p79)

    ・アメリカ住宅ローン会社(ファニーメイ、フレディマック)の住宅ローンは5兆ドル=日本のGDPは、全体の半分を占める(p79)

    ・オバマは、ネットオークションやソーシャルネットワーキングで実績をあげた専門家を多く採用して、ネットを通じてのキャンペーン活動を新機軸にした(p117)

    ・財務長官のポールソンは、古巣であるゴールドマン・サックス(バフェットが50億ドル投資)、シティバンク、JPモルガンの3社での支配体制を考えている(p136、138)

    ・2003年には130億ドルの原油先物市場が、2008年ピークには2600億ドルになっていた、16倍ものレバレッジができる市場である(p151)

    ・レーガン政権以来、原油先物市場に新規参入は認められていない、石油ビジネスとは閉じられたビジネス(p155)

    ・ロンドン石油先物は、アメリカ国内で運営するネット上の先物市場でも売買可能なため、アメリカ政府の監視を免れて原油価格を操作できる(p159)

    ・現在の石油セブンシスターズは、反米のロシア・イラン・サウジアラビア・中国・マレーシア・ブラジル・ベネズエラの政府系石油会社である(p162)

    ・インドは中国に代わって、日本のODA受入国No1である(p194)

    ・ロシア経済は、昨年9月のリーマンショックにより1週間で50%の株価下落により、欧米の経済・資本に依存していることが判明した(p198)

    ・中国は2007年には、13億人突破の人口増加祝賀行事を行い、これまでの「一人っ子」政策を見直した(p218)

    ・福田総理が辞任したのは、アメリカが対米支援として、100兆円の投入をしつこく要求してきたから(p230)

    ・偽ドル札は、ドル紙幣全体の0.01~0.02%である中で、新20ドル札を登場された目的は、ドル兌換通貨への布石とも考えられる(p233)

    ・北米連合国により新通貨(アメロ)が登場すると、アメリカ債務は旧勘定となり、ドルの交換比率は目減りすると予想され、ドルを溜め込んできた中国、日本は損をする(p245)

  • [ 内容 ]
    資本主義は修正され、超大国なき世界が訪れるのだろうか?
    2008年9月のリーマン・ブラザーズ破綻で始まった世界金融危機で、米ウォール街はほぼ壊滅した。
    「100年に1度の危機」とアラン・グリーンスパン前FRB議長が言ったように、これは私たちがもはや過去の時代に戻れないことを意味している。
    これまで、世界を席巻してきた投資銀行、ヘッジファンドは、金融のメインプレーヤーではなくなり、新自由主義、市場原理主義経済は、今後修正を迫られていくだろう。
    冷戦終結以後、世界唯一のスーパーパワー(超大国)となったアメリカは凋落し、グローバル化も一時的に停滞、期待されるBRICs諸国の成長も止まる可能性がある。
    となれば、その影響をもっとも受けるのはわが日本国にほかならない。
    はたして、今後、世界はどうなるのか?
    ドルは崩壊し、米国は世界覇権を失うのだろうか?
    やがて訪れるに違いない超大国なき世界は、はたしてどんなかたちになるのだろうか?
    世界全体がリセッションに陥り、出口が見えない今こそ、将来を正確に予見する必要がある。
    10年前ベストセラー『ヘッジファンド』を書いた日本の未来学の第一人者が、来たるべき世界を予見する。

    [ 目次 ]
    第1章 世界覇権を失いつつあるアメリカ
    第2章 ドル暴落と通貨の多極化
    第3章 危機は最悪のシナリオで進行する!?
    第4章 誰も止めなかったウォール街の暴走
    第5章 怒れ、市民!彼らはグルだ!
    第6章 石油高騰の裏側で
    第7章 中国経済も崩壊寸前!?
    第8章 インド、ロシアと新冷戦
    第9章 アメリカの逆襲

    [ POP ]


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    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 見えなかったものが、一気に見えてくる!!

    これは面白く、又一人でも多くの人に見てもらいたい
    日本人は知らな過ぎ・・・

    株で損をしたから、熱心に読めたのかも・・・
    何が幸いするかわからないね


  • 全体的に、アメリカ批判。陰謀論。どこまでがきちんとした分析として成り立っているのかはよくわからないが、この本を読むと何気なくやりすごしそうな現象も批判的な目で見る事を思い起こさせてくれます。

  • 怪しい著者だが、穿った?視点が満載で、批判的に現状をみるのに一助となる。

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