ウルド昆虫記 バッタを倒しにアフリカへ

  • 光文社
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感想 : 35
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  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334950880

感想・レビュー・書評

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  • バッタ博士の著者が、アフリカで発生するバッタの大群による農作物被害をなくすためにサハラ砂漠で研究する様子を記録したノンフィクション。
    児童書版のこちらは、難しい言葉の注釈が多く追加されており、その説明文がまた面白い。
    虫が苦手な私は、大量の虫が写った大きなカラー写真に「ひえっ」となってしまったので、同じく虫や集合体が苦手な人は要注意。
    けれどそんな苦手も気にならないくらい、ユーモアがあって読みやすい文章に惹き込まれた。
    大変なことを乗り越えながら、夢を追い続けることの楽しさ・希望が溢れており、読み終わった後の清々しさといったら!
    子どもたちにもぜひ読んでほしい一冊。

  • 他の本を探してて、ふと顔をあげたら視界に入ってきた…わー!!!なんか進化してる。嬉泣


    久しぶりに心が高鳴って興奮冷めやらぬままレジへ。

    妹と母になに買ったの?と言われ見せたら
    「また買ったの?!同じの持ってなかった?!」
    と呆れられた。


    そう、持ってる。

    けど、欲しかったんだもの、、、

    エピソードも増えてるし写真も増えてるし買わないという選択はない。買う一択。


    新書判の方は、友達の弟へプレゼントしよう。
    本も喜ぶよね、きっと。


    読もうか迷われてる方は新書版ではなく、是非こちらを!笑

  • 図書館で借りて読み始めて気づいたのだけど、こちら、話題となった本書の児童向け版だった。本編の内容は同じだけど、漢字にはすべてルビがふってある。さらにご丁寧に難しい言葉には欄外に解説が書いてあり、その内容がわかりやすく且つ少しふざけてて読んでいて楽しく、なんだか得した気分(子供の頃、雑誌の欄外に書いてある豆知識なんかを見つけて読むのが好きだった)。
    内容は話題になっただけあり、アフリカのモーリタニアに単身乗り込み、定期的に大量発生して飢饉を起こすサバクトビバッタの生態を研究するフィールドワークに奮闘しつつ、現地の人々の適当さや優しさや、ポスドクの悲哀などさまざまな感情が、エンタメ要素たっぷりな文章で表現されている。これはぜひ子供にも読ませたい。

  • 大量に発生して農作物を食べ尽くしてしまうバッタを研究しに、モーリタニアへやってきた著者の破天荒な(失礼!)滞在記。
    新書版「バッタを倒しにアフリカへ」の児童書版。版を大きくし、カラーやイラストを増やしている。漢字にはルビをふり、難しい(?)言葉には解説を付けた。それがめちゃくちゃ面白い。だんだん解説を読むのが楽しみになっていく。

  • 面白いですねぇ。
    多分、自分ではできないなぁことを実現している行動力に惹かれるのだと思います。
    無収入でもやりたいことを見つけられたのが、才能というか、幸せなんだと思いました。

  • 子ども向けver

  • 注釈が入って更に破壊力が増している。

  • 子供の頃「ファーブル昆虫記」に心動かされたものの、昆虫にどっぷり浸かることもなく、何か奇想天外なことをしでかすこともなく、人並みの大学生活を送っている人は多いのではないだろうか。 本書は、「ファーブル昆虫記」に心動かされ、どっぷり昆虫に浸かった博士の話であり、「バッタに食べられたい」という夢を追いかける変人の話でもある。表紙や挿絵のインパクトある絵や写真、これは、もったものではなく、筆者その人である。 フィールド調査へ関心がある人にはもちろん、なんかもやもやして一歩踏み出したい人にもおすすめです。

    ◎信州大学附属図書館OPAC(原書)のリンクはこちら:
    https://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB23608054

  • p310
    便宜を図ってもらう特別な行為を日本人は編み出していた。そう「お近づきのしるし」だ。調査部隊にプレゼント送って親密になり、その見返りとしてバッタ情報を受け取るのだ。

    (研究は、地道な人付き合いから始まるのだな…)


    p375
    夢を語るのは恥ずかしいけど、夢を周りに打ち明けると思わぬ形で助けてもらえたりして流れが良い方向に向かっていく気がする。夢を叶える最大の秘訣は、夢を語ることだったのかなと、今気づく。

    p378
    ラマダンとは、物や人に頼らずとも幸せを感じるために編み出された、知恵の結晶なのではなかろうか。

  • 2020年、アフリカの砂漠から4000万匹にも及ぶバッタの集団がアジアめがけて進軍中と言うニュースを発見。インドの次は中国か?と言う記事に、迎え撃つ中国軍は、アヒル10万匹の陣容を整える予定と言う、なんとも胸熱な展開に童心に戻ってワクワクしていたところで、この本の存在を知ってしまいました。(バッタを倒しにアフリカに行った人が書いた本より後でバッタがアジアに? 察し)ちなみに、アヒル10万は人間の食事になる予定と言うオチも胸熱だったがあれはどうなったのか?

    しばらく寝かせておいたら児童文学的なポジションで新装された様なので、手にとって読み始めたら、この著者(ウルド、これも文中で秘密と顛末が明かされる)は、胸熱な人材と即座に分かりました。なぜなら、本の題名は”バッタを倒しに”とあるのですが、ウルドの本心、願望は”バッタに食べられたい”と… 更に、バッタの研究をし過ぎてバッタアレルギーになっちゃうってw これは、NS釣法を編み出した釣り師が、真鯛釣りの時に使うアミ餌を触り過ぎてアレルギーになっちゃったのと同じパターンのやつ。(腸管から吸収していれば免疫細胞は無害と認識するが身体の傷口から入ると異物として認識して、以後アレルギー反応を起こしちゃうやつ)

    この本では、バッタ(サバクトビバッタ)が、集まると変身して凶暴になると言う、書いていて欲しいことは当然ながら書かれているし、モーリタニアと言う国と日本についての繋がりも触れられているし、モーリタニアではヤギがご馳走である事、程度の知識が得られる。

    地味に良いなと思う点は、大学院を出た博士の身の振り方を書いているところ。海外の研究者も転々としながら生き場所を見つけている記述があったりしたのを読んだ事(『天才数学者、ラスベガスとウォール街を制す』など)があるが、ウルドは研究者として金を貰う事に執着している点が生々しいし清々しい。京都大学から資金を貰えた事も凄いなと、まぁ凄いのはあげた方なのかもしれないけど。海外ものは、その頭脳で別の職を見つけて成功した話が多い印象。(株とITに関する本)

    あと、ウルドが研究の段取りをしっかり考えているところや、生き残り戦略として何をしたのかなど、児童文学書としても綺麗事で終わらせない味がある。

    そして、肝心要のバッタを倒せたのか?夢であったバッタに食べられたのか?それは読んでのお楽しみ。(まあ、上の流れでだいたい察し…)
    砂漠で生活しながらのリスクもだいたい経験していて、サソリに刺されて、その後の件は人智を超えているなと感心させられる。

    ウルドは、現在、国際農研と言う所に所属しているようで、今も夢を追い続けている模様。

    自分の好きな事が長期的に見れば世界を変える力になるって凄い事だし、現在進行形で頑張り続けて欲しいと思える良書だと思いました。

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著者プロフィール

1980年生まれ。神戸大学大学院自然科学研究科博士課程修了。農学博士。
日本学術振興会海外特別研究員としてモーリタニア国立サバクトビバッタ研究所に赴任。

「2012年 『孤独なバッタが群れるとき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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