「山奥ニート」やってます。

  • 光文社 (2020年5月21日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784334951658

感想・レビュー・書評

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  • 和歌山の山奥で数人で「ニート」生活をしている石井あらたさんの日々や思うことなどを綴った本
    めちゃくちゃおもしろかった!

    ニートになったきっかけやら
    山奥で生活することになったきっかけ
    そしてその生活や今現在思うことなどを書かれています

    「よし!村おこしするぜ!」
    「村のためにやったるぜ!」
    「ITを使ってビジネス的に山奥生活をデザインするぜ!」
    みたいなギラギラした押し付け感がないのが受け入れられるポイントだったんだろな~

    「村全体の孫になった感じ」
    「ニートだから何もできないっていうのが前提にあるから村の人も何も期待していない」
    と石井さんが書かれていたのがそれを表しているな~

    「生きていることを楽しむ」
    そんなシンプルなことがちゃんとできる生活なんだろな

    お金は大切。
    でもそのお金に振り回されて生きるのは違う

    VIVA「一流ニート」
    福島のボランティアの話は深い!
    「ニートや引きこもりの人は大きな力を溜め込んでいる。でもそれを生かせる機会がない。こういう非常時ではそれが一番助かる」
    毎日の仕事に追われるサラリーマンにはボランティアなんてなかなか行くことはできない。

    そんな石井さんたちニートの可能性を受け止めてくれたNPOの山本さんの話にはじんわりきた。
    山本さん…本当にすごい人だわ

    こうじゃないと社会的にダメだ!なんて誰が決めたんだろね?

    なんだか読み終わったあと私もこの「山奥ニート」を訪ねてみたくなった。
    いや、きっとそんな気持ちになって訪れる人は多いんだろうな…でもって住人達を疲れさせたりするんだろな…ハハハ。

  • 地元和歌山の山奥、日置川だったかで都会のニートが生活していて
    話題になっている、というのを聞きました。
    どうやら書籍が出版されているというので、
    図書館で借りてきました(笑)
    字が大きいので、1ページの情報量薄め
    ざっくりと生活の様子などか書かれていて、
    やっぱり都会の人からすると、衝撃的に田舎なんだろうなぁ、、と
    客観的に思わされた次第です。

  • もし自分が若者で独り身であれば、この山奥でニートしてみたいです。
    和歌山のとんでもない山奥の限界集落で暮らす15人のニート。お互いゆるく協力し合って生きています。仲間がいれば山村の生活も満たされるだろうなと想像は容易いです。
    僕は結構色々先の事考えて不安になってしまうタイプなので、ずっと山奥で暮らしている事に耐えられなくなってしまいそうですが、同じような仲間がいればその不安も和らぎそうではあります。
    1人当たり月に18,000円あれば生活できると聞くとめちゃめちゃリーズナブルでありますが、実際に生活費稼げるのかなと心配になりますね。しかし農業は人手が必要なのでバイトは結構あるようです。年間で30万もあれば生活出来てしまうと聞くと、現在の自分の生活と何がちがうのかなと首を傾げます。
    自分の為に時間を使って、しっかり生活は賄う事が出来る。それであれば金銭に換算される価値以上に世間の人々は時間を切り売りして生きている事のなるのでしょう。読んでいると羨ましさでぐったりします。ほんと楽しそう。
    ニートと聞くと情けない感じしますが、この実行力は実社会以外で発揮されるわけで、価値観の違いで別の次元の経済圏が出来ているという事なんでしょう。日本国と交易していると捉えればまさに新しい生き方だと思います。まあ彼らはそんなこと考えないでゆったり生きて行きたいんでしょうけどね。

  • 働き方は生き方、という言葉を聞いたばかりだったが、この本では、そもそも働きたくないのであれば(ほとんど)働かなくても生きていける生き方があると教えてくれた。月2万円あれば、生きていける。便利ではなくても、豊かだ。そう思える、そう信じて、それが自分らしさと納得できるのであれば、それが正しい。誰からの評価も意味をなさない。正当化ではなく、ほんとうに実践している人が世の中にいるのだと知っただけで、うれしくなった。わたしも、働く働かないは置いておいても、自分の信念を肯定して、悔いのないように生きていきたい。

  • とても私に合っていた。
    文章は読みやすく、内容は具体的でありつつ、説明だけではなく筆者の考えと共に書かれていて、共感できることが多く、読んでよかった。
    思想なく何かをすることって、思ったより難しいのではないか、常に何か方向性とか理由とかビジョンを求められる社会で、もちろんそれに応えて突き進むことを好む人、選ぶ人がいてもいいし、そうでない生き方も同じように肯定できたらいい。
    肉をあまり食べないといったらベジタリアンとか、その理由を聞かれたり、でもそんなにイデオロギーとしてしていることではなくてただその方が自分にとって合ってると思っただけで。

    住みやすい町にしたいと思ったら、民主主義とかリベラルとか、必要のないレッテルを貼って近寄りがたくなることがよくある。

    日常をよりよく生きるという、皆が持つ共通点で、必要とあらばつながり、離れた方がよければ離れる、単純だけどそれが難しい現代日本社会を見つめるというか、そんな行動を本にして紹介してくれて感謝。

  • いやぁー、楽しかったな。
    何かニートを見下したようにしている社会に対して、いやそうではない、様々な環境でそうなっていて、より人間らしい生活をしているのかもしれない。
    とにかく面白いネタがたくさん詰まっていて楽しかった。

  • 面白かった!楽に生きることを目標にするっていうのがすごく新鮮。人生は自由だから努力してもしなくてもいい。楽に生きたっていいよなぁと思った。今までにない新たな視点で生きることについて考えることができた。

    1番いい備えは怪我や病気をしたときのために貯金することじゃなく、自分が出来ることを増やしていくことなんじゃないだろうか。

    多様性とかグローバル化とか言われているけど、たくさんの種類の生き物を飼うには、小さな水槽をいくつも用意するのが1番。大きな水槽ひとつだけだったら、大きな生き物が小さな生き物を全部食べてしまう。

    不便な方が目的には合っている、不便益という考え方を初めて知った。バリアフリーは確かに便利だけど、スロープやエスカレーターをいつも使っていたら足の筋力が弱まる、これはバリアアリーだというのには納得した。わざと不便さを残す。
    現代社会は便利なもので溢れすぎている。

    人にはそれぞれ自分に合った履き物がある。なのに、今は既製品の靴に、無理に足を押し込んで履いている。だから、歩いているうちにすぐ足が痛くなる。靴に足を合わせるんじゃなく、足に靴を合わせなきゃいけない。昔わらじを自分で編んだように、自分に合わせた履き物を作る。そうすれば、足は傷つかず、どこまでも歩いていける。自分専用のわらじをじっくり作る、そのための時間と場所が必要だ。

    これまでニートに対してあまりいい印象を持っていなかったけれど、働いている人ができない役割を担ってくれる。働いている人も働いていない人も、みんなそれぞれ役割が違っているのだなと思った。

  • 山奥でニートしてる人の考え方と暮らし方。あくせくして得たいものは何か?豊かだ自然と、豊かだ心。負ごとに蝕まれない生活。彼らは全て手に入れている。
    結局は周りから自分への羨望や自己肯定感を養うために生きる現代人には有益な本。

  • 「ニート」と聞くとなんとなくパラサイト的な
    親に依存した引きこもりをイメージしてしまい
    ますが、そうではないです。

    著者も都会ではそうでしたが、限界集落とも言
    える山奥では、誰かに頼っている場合ではあり
    ません。

    かと言って「北の国から」のように電気も水も
    全て自然から、という訳でもなく、電気はしっ
    り使って水もポンプで汲み上げて、さらにネッ
    ト環境も整えて、と文明の力が最大限に利用し
    ます。

    仕事もたまに集落の人の収穫を手伝って現金を
    得る、など適度にほどほどなのです。

    こういうライフスタイルを手にいれた人こそ、
    人生の勝利者と思ってしまいます。

    いえ、勝った負けたなんても言ってはいけない
    です。そもそもそんな概念など始めからないの
    ですから、

    もしかしたらこのような生活こそが、来たる
    デジタル社会のあるべき姿なのかと思ってしま
    います。

    高度成長期、バブル期、失われた20年、そして
    コロナ禍後のデジタル期の新しい生活様式です。
    そう思わずにいられない一冊です。

  • 山奥ニートのことはtwitterやブログ等々で前々から様子を伺っている。配信も何度か観たことがある。見学に行こうかなと思ったこともある。だから大よそのことは把握しているつもりで読んだ。

    山奥ニートの成り立ちや日記、中の人達の個人史がおもしろかった。青春記と言えるかもしれない。石井さんは文才あると思う。特に二章、三章にはナイーブな味わいを感じた。「ハロー、ヒューストン」とか嫌いじゃない。

    プライバシーの問題などから、ここには書けないこともあったんだろうと想像する。先日もtwitterでひと騒動あったのを見かけた。果たして自分はそういうシェアハウスの面倒臭さに耐えられるだろうか。面倒くさい問題に対処してきたであろう石井さんは、ある側面では優秀な人間なんだろうと思う。

    山奥ニートについて「今はいいけど将来どうすんの?」という意見を時々見かける。そう言いたくなる気持ちもわかる。しかし、20代、30代でそんな何もわからない先のこと心配してどうすんのか?将来のために今を我慢して、今を犠牲にすることで不幸が増える気がしてならない。今が全て!とイキって周りの人間を不幸にするなら考え物だけど、そうでないならいいのではないか。

  • YouTubeを見て知って、興味を持ったので読んでみました。地元のお話という側面もあるのだけれど。結論的には、考え方が今の世の中のずーっと先にいってる。飾らない一文、一文に引き込まれました。

  • 山奥でニートをやるのに特別なサバイバル能力も大金も必要ない。
    ネットと人がいれば退屈もないだろうし、人里で社会人をやっている自分の方がよっぽど人と接していないような気がした。

  • 自然の中でのんびり過ごすのは好きだけど、積極性がなく受け身なわたしにはこういうところでの生活は難しいのかなと思う、残念ながら。生きるのにお金が必要だから仕事して、だるいだるいと言いながら毎日を送っている。でもそこから離れられる行動力も度胸もないし。
    だから読んでて憧れる反面、しんどくもなった。
    この先の時代は会社員よりも山奥ニートの方が気持ちよく生きていけるのかもしれない。
    生き方を考えさせられる一冊でした。

  • 和歌山の山奥で、家賃無料の元小学校にニートが集団生活。光熱費電気代食費含めて月1万8000円。たとえば近くのキャンプ場でたまに働いて日当5000円、1ヶ月で4回働くだけでもう生きていけちゃう。常に10人くらいの共同生活だけど、適度な距離感があって、集まってゲームしたりBBQしたり。すっごく羨ましい生活だ!と思った。もうこれってFIREじゃん!必死こいて1億貯めなくても、お金を使わない生活を志せば自由になれるんだよな。ただ後ろの方の山奥ニート生活を経て正社員として働いた人の経験談みたいに、多くの人はこの生活をずーっとすることはできないと思う。何かしなきゃって焦りが生まれて鬱になる。この生活を何年も続けられるのは才能。でもこんな生活をしている人がいるんだってこと、知っているだけでも心が軽くなる。働きたくない時、働けない時がきたとしても、こんなふうに暮らしていけば大丈夫なんだって思える。それは人によっては和歌山の山奥かもしれないし、実家に帰ることかもしれないし、ミニマリストとして暮らすことかもしれないけど…お金なくなったらどうしよう仕事なくなったらどうしようって怖がりすぎなくて大丈夫だよきっと道はあるからって思えた。

  • いろんな生き方があることが希望になる。

  • 改めて、お金を稼ぐことだけが
    生きる目的にならないようにしたい。
    人生を楽しむコツは
    足るを知ることなのかもしれない。

  • 生き方に決まりがあるわけでは、無いのですね。

  • 山奥ニートについて気になっていたことは1章に全て書いてある。
    時間がない方は1章だけでも読んでみていただきたい。

    生きるとはなんなのか、これほど考えさせられたことはない。

    1億貯めてFIREするのを目標としていたが、1億なんて要らないんじゃないかと感じた。

    そんなことよりも、最愛の妻子との時間を少しでも多く取れたらどれほど幸せか。

    価値観が変わる本でした。

  • 生きるのにそんなにお金って要らない かも

    山奥ニートたちは、家族のようで家族でないnon family organization。 それぞれが好きなことを好きなようにして、基本的に干渉しない。同じ家(廃校の小学校校舎)に暮らす最低限のマナーがあれば追い出されない。

    精神を壊すときってほんとうに怪我する瞬間みたいな感じで、あっ!ってなったときには手遅れ。捻挫で済んで立ち直れるか、一生後遺症になるかは紙一重。誰にでもあり得ること。

    著者は教員志望で、実習現場で精神を壊した結果引きこもりになったんだけど、紆余曲折経ていまは山奥ニートたちを支えるのNPO代表。ニートたちは限界集落の高齢者たちの世話をして、自分の暮らしに必要なだけのお金を自分で作り出しているのだから、ニートだなんて謙遜で立派に自立している。

    子ども一人育てるのに最低2,000万円必要といわれる。そのほとんどが教育費。大卒だからいいお仕事に就けて、一生安泰みたいな時代は既に終わっている中、山奥ニートたちの「必要な分だけ稼いであとは好きなように暮らす(何もしない)」という生活はすごくシンプルで、真っ当に感じられた。

    今、誰にありがたがられるわけでもなく日々子育てをしていて、先が見えなくて真っ暗な気持ちになる日もある。子どもとうまく向き合えないとき、無償の愛、母性、ごちゃごちゃと考えて自己嫌悪に陥る。限界集落では例えニートでも「居るだけでありがたがられる」のだそうだ。誰もが自分を肯定してもらいたい。認めてもらいたい。

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