ソクラテス・カフェにようこそ

制作 : 森丘 道 
  • 光文社
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本棚登録 : 27
レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (306ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334961565

作品紹介・あらすじ

ソクラテス・カフェとは…活気がみなぎり、わくわくしてくるような哲学、今日のわれわれにとって意義深い哲学、師をもたない、そこに集う誰もが平等な立場で考えて語る哲学、そんな哲学のことである。フランスからアメリカへ、そして世界へ生き方を考える新しいムーブメント。

感想・レビュー・書評

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  • 哲学とは、本来もっと身近なものではないか?哲学を大学の中に閉じ込めて、難解なものにしてしまっていないか?本書はソクラテス・カフェという対話の場を主宰する著者による実践記録である。取り上げているテーマは、目次の副題のとおりで、人生、我が家、友情、愛など。


    <目次>
    ? 問いかけることで何が変わる?

    ? わたしの居場所はどこ?
     なぜ生きる意味を考えるの? 吟味された人生、されない人生
     我が家って何? 家、家族、友人、思い出
     仕事って何? 強制、自己表現、やりがい
     囚われの身って何? 心の牢獄からの解放
     頭がいいって何? 刑務所の中の哲学者

    ? 自分に必要はのは誰?
     ほんとうの友人って誰? 一方的な友情、無償の友情
     人を信じるって何? 不思議に思う心、信念と真実
     小学生たちは哲学者? 「四番目のR?」
     子どもと老人のなぜ?なぜ?なぜ? 年をとることの意味
     ぼくは何者? 自分自身を必要とするとき
     人を愛するって何? もともとは一つのもの

    ? 人生でいちばん大事なものは何?
     幸福より大事なものって何? 哲学しなくなった現代人
     人生の試練って何? 危険を承知で「汝自身を知れ」
     生き方は変えられる?ソクラテス的魂の躍動
     世界って何? 探求する知性

    ? 問いかけ続けるのはなぜ?
     好奇心って何? 無邪気と無知の違い
     懐疑的な態度って何? ソクラテス的感性
     徳の高い人間って何? ソクラテスへの道

    解説 松葉祥一

    <メモ>
    私はソクラテス・カフェを、誰か他人を教える気で立ち上げているのではない、ということがある。逆に、誰かが私に教えてくれるようにと思って、ソクラテス・カフェを立ち上げているのだ。(20)

    ドイツ人哲学者ネルゾン ソクラテス流方法
    「自分の内部に根をはっている教条主義と正面切って対決する」
    「己を解き放ち、自由にならざるをえない事態に、強制的に追い込まれる」(52)

    「哲学は、感動に満ちて驚き、不思議さに打たれる感覚ーセンス・オブ・ワンダーーから始まるんだ」という言葉で、私は対話をスタートさせた。これは、アリストテレスの『ニコマコス倫理学』にある言葉そのままであり・・・(173)

    「人を愛したとき、どんなふうにそれに気がつくのですか?」(223)

    人間がまったく自然な状態におかれた場合の自由は否定されるべきものであり、「市民としての自由」に取って代わられるべきであると、ホッブズは主張した。(236)

    「自分自身を知るという啓示の瞬間を、どう悟るか」(241)

    17世紀のロンドンで誕生したコーヒー・ハウスは、市民が平等な資格で出会い、討論し、世論をつくりだしてゆくための場という役割を果たしていました。そこから、新聞や、政党政治、保険などの制度が生まれたのです(『コーヒー・ハウス』)。

    しかし、市民社会は、第一次世界大戦後に大きくかたちを変えました。官僚制の成立とマスコミの情報独占によって、市民は、国家に影響力をもたず、操作されるだけの「大衆」になってしまったのです。その結果、国家が肥大化し、全体主義を生むことになりました。ハバーマスは、現在、再び市民社会を作るために、公共空間を作り直さなければならないと述べています。(『公共性の構造転換』)。(303-304)

    日本の場合、一度も市民社会が形づくられませんでした。その大きな理由の一つは、いくつかの幸運な例外w除いて、コーヒー・ハウスのような公共空間が存在しなかったからであり、ディスカッションを重視する教育が行われてこなかったからだと思います。(306)


    2013.04.27 借りる
    2013.05.05 読書開始
    2013.05.12 読了

  • ★SIST読書マラソン2017推薦図書★

    【所在・貸出状況を見る】
    http://sistlb.sist.ac.jp/mylimedio/search/search.do?target=local&mode=comp&materialid=10330152

  • 科学にはその研究のなぜに迫ることができない。

    縛り付けられても苦にならない、その仕事が見つけられた時にはお金はちっとも問題にならない。ハンナ・アレント、永遠に失われない価値あることをする。人を良い方向に導いて感謝されるような仕事かな。

    嫉妬、恨み、憎悪、恐怖、悲嘆などの感情から解放されることは可能なのか?

    友情とは何か?
    人はほとんど常に、自分と同じ道徳的性向、道徳的感性を持つ相手としか、あるいはその欠損が同じである相手としか友人になり得ない。?

    友情、信頼、そういうものに関しては諦めきってしまったのか、あんまり興味を持続することができないようだ。

    ヴァルター・カウフマン(異端者の信仰)

    現代の学者たちはペダンティックになっていくばかり(規律にうるさく、細かく)=比較的創造的ではないことが無限に創造的なことになってしまう様式
    カント、アクイナス、ヘーゲルも
    問題なのは哲学に大改革をもたらすことでなく、哲学を大改革をもたらすものにすること。
    ラッセル「忘れ得ぬ人々」
    全く興味を持つに値しない、些細な事柄ばかり気にする学者を否定している。どうでもいいことばかり語っていると。

    金持ちと貧しい人との間の溝が現代ほど甚だしくなっている社会とは?彼らはどうやってその富を得たのか?成功とは何か?もし自分の搾取によって不幸な人を生み出しているとすればそれは成功と言えるのだろうか。

    草の根的に対話を求めるよりも権威が宿る学問的空間の方が実り多い議論に、そして早く、良い答えや質問が得られる気がしてならないのはなぜだろうか。問いをやめるよう育てられた人たちに問いの力を期待するというのは少々おかしい話ではないか?と感じた。日本の話だけど。

  • 哲学の入門書は数多くあります。
    しかし入門書と言えども、手にとって断念した経験のある方が多いと思います。
    この一冊は古の哲学者ソクラテスに魅せられた現代の哲学者による、大衆としての哲学活動の記録です。
    ですから哲学に触れたことがなくても大丈夫。
    考えることを止めてしまった人たちに読んで欲しい、心から願います。

  • 06171

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