宣戦布告NOと言える日本経済: アメリカの金融奴隷からの解放

著者 : 石原慎太郎 一橋総合研究所

• 光文社 (1998年9月1日発売)

感想・レビュー・書評

[能戸淳（じゅんじゅん）さんの感想 · 2018年12月8日]

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[nakaizawaさんの感想 · 2012年11月23日]

1999.12.20購入
（「MARC」データベースより）
白人相手の国際政治では、ヒューマニズムは無用の長物。今のままでは、日本も東アジアの国々も、実質的にアメリカの金融奴隷となり、一方的に支配されることは明らかである。富国強円。アメリカに日本が勝つための方策を説く。

[こんさんの感想 · 2006年7月22日]

　日本は、目先の利益のみにとらわれず、先のことも考え設備投資に力も入れながらモノ作りに励み、各産業を発展させてきました。この地道な努力があったからこそ、経済が豊かになれたのです。
　一方、アメリカは、経営者が、直近の利益を上げなければ、クビになるので、自身がいないかもしれない将来のことを軽視し、目先の利益しか追求しない状態です。それ故、国内でモノづくりするよりも、海外で生産した方が儲かるのであれば、米国内の工場をリストラし、海外に移転するようになりました。アメリカは、かつての栄光がなかったかのような産業の空洞化が進んでいます。
　でも、アメリカ人は、賢く合理的な判断をするようです。自力で努力して日本を追い抜くことよりも、日本を引きづり落とす方法をあみ出しました。金融という武器を使って。
　グローバルスタンダードという名のもと、アメリカで失敗した駄作の法律などのアメリカンスタンダードを我々に押し付けるのは止めて欲しいものです。　文化や商習慣の異なるアメリカの環境で出来上がったルールを無条件に受け入れてよいのでしょうか？
　法律は英語で、裁判もアメリカの裁判所ですよ。ＢＩＳ規制を受け入れた後の邦銀の活力のなさをみると、ルールというものは安易に受け入れるものではない。むしろ、良いルールを我々が提案していくべきと強く感じました。

著者プロフィール

1932年神戸市生まれ。一橋大学卒業。55年、大学在学中に執筆した「太陽の季節」により第1回文學界新人賞を受賞しデビュー。翌年同作で芥川賞受賞。『亀裂』『完全な遊戯』『死の博物誌』『青春とはなんだ』『刃鋼』『日本零年』『化石の森』『光より速きわれら』『生還』『わが人生の時の時』『弟』『天才』『火の島』『私の海の地図』『凶獣』など著書多数。作家活動の一方、68年に参議院議員に当選し政界へ。後に衆議院に移り環境庁長官、運輸大臣などを歴任。95年に議員辞職し、99年から2012年まで東京都知事在任。14年に政界引退。15年、旭日大綬章受章。2022年逝去。

「2022年 『湘南夫人』 で使われていた紹介文から引用しています。」