呪術がつくった国日本

著者 :
  • 光文社
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (365ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334973544

作品紹介・あらすじ

日本文明は"おまじない"でできている。

感想・レビュー・書評

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  • 同じく島国であるイギリスでの暮らしをもとに日本という国
    のあり方を様々な角度から描写した本。タイトルほどおどろ
    おどろしくなく、ライトなテイスト。日本という国の宗教
    教育は考え直さなければならないと切に思う。

  • 若い人たちが、神社に参って、神前にぬかずいて「試験に合格するように」とか「彼氏ができますように」とか、口のなかでブツブツつぶやいている。しかし、これは神さまにお願いしているのではない。神さまにお願いをするのなら、神さまの名前を知らなければならないが、若い人たちにかぎらず、日本人はふつう参っている神しまの名前を知らない。つまり神さまは誰でもいいのであって、要は、神前とあうおごそかな空間のなかで、自分自身に、いいきかせているのである。
    つまり、呪文をのべているのだ。「イタイノイタイノ飛ンデイケ」となんら変わるところがない。



    日本の昔話だされるところは飛ばし飛ばし読みー。イギリスに住んだ著者からみたイギリスの文化が知れるのが面白かった!あといろんなぶっとんだ論が展開されていてそれもそれで面白かった!発想がすごい。
    ライトに呪術にからめたとあったようなことが書いてあったが、がっしり呪術!だった。

  • この人は大学教授と言っていいのか、と思うほどにはっきり言って文脈が危うい。飛躍があまりに多い。「と自分は考える」というはずの文章なのに「である」で段落を終わらせているところがあまりに多い。この本は読み手次第で面白くもつまらなくもなる。
    文化についての浅い発言が頻発し、それを基に語り始めていたりもするので危険だ。だが、この本は読み手次第だ。誤解の多い本だ。本当にこの人が語りたいことはそのような細部とは実は関係がない。ひっかかってはいけない場所が多すぎる。
    例えば、京都の老舗の割烹に行った、メニューを眺める、と書かれている。京都の老舗の割烹にはメニューは存在するはずがないのだ。それは料理屋だ。ヨーロッパのレストランのメニューは相当な高級店でも1年中固定している、と書かれている。ヨーロッパの普通のレストランはほぼ毎日メニューが違う、というのが本当だ。だから、著者の不用意な発言は飛ばしていかないと不信感しか残らないのだ。
    更にいやらしいのはタイトルにも出ている通り、わざわざひらがな表記をいくつかの決まった言葉のみに採用している点だ。「かんがえる」と書く。けして「考える」と書かない。途中まで、そうか、この人は日本固有の動詞、名詞にこだわっているのか、と思っていた。そしたら「程度」ではなく「ていど」と来る。なぜこうした選択をするのか、読み終わってまだなお判らない。

    こういうところにどんどんひっかかってしまうのをひとまず置いておこう。そうすると面白いのだ、この本は。本当かよ〜、と思いながらも一気に読んだ。言いたいこともよく判る。日本の町を単純に汚いと言うな、もう一度見直してみよう。文化を見直してみよう。そこには力強いものがあって、実は私達現代の日本人もそれを共有している。それが手がかりなのだ。
    ・・・とはいえ、誤謬が相当に含まれているので、酒飲み話のペースだと思わねばならない。また、著者自身のヨーロッパの各国に対する偏見については差し引いて読んだ方がいい。奇妙な本だ。

  • ちょっと変な題名ですが面白い本です!<br>
    日本の文化や原始的な神についての考え方を、ヨーロッパと比べたりしながら分かりやすく書いてあって面白かったです。<br>
    読んだ後無性に「日本って良いなー!」と思いました!!<br>
    2002年8月発行 365P

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著者プロフィール

上田 篤(うえだ・あつし)
建築学者、縄文社会研究会会長、『日本人とすまい』(岩波書店)、『縄文人に学ぶ』(新潮社)、「七〇年大阪万博お祭り広場」(日本建築学会特別賞)など。

「2020年 『建築から見た日本 その歴史と未来』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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