- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334975463
感想・レビュー・書評
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★『使える弁証法』とほぼ同内容。ただ、同時に英語版が出版されるとあって、日本だけでなく地球規模の螺旋的発展が述べられている。
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<弁証法の5つの法則>
第一の法則
世界はあたかも、螺旋階段を登るように、発展する
第二の法則
現在の「動き」は、必ず、将来、「反転」する
第三の法則
「量」が、一定の水準を超えると、「質」が、劇的に変化する
第四の法則
対立し、競っているもの同士は、互いに、似てくる
第五の法則
「矛盾」とは、世界の発展の原動力である -
最初の5章は、今までの本の書き直しであり、田坂氏の過去の著作を読んだ方には、特に目新しいことはないかもしれない。
しかし、6章は本当に素晴らしかった!英語圏でも同時に出版されただけある。自分の血となり肉となるまで、何度も読み返したいと思う著作である。
しかし、第六章の最後のページだけは、宗教的で、論理が飛びすぎていてピンとこなかった。 -
この世界の流れと、これから起こりうることが、とても良く理解できた。少ない文章量で、とても理解しやすく表現されています。お勧めします。
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進化とはらせん状の道をたどる、という話がとても目新しかったです。
どんなことでも左右の振れがあって原点回帰と言ったりはすると思うのですが、それがらせん状に進化していく、とは思いつきませんでした。
勉強になりました。 -
ダイナミックな話題でありながら、シンプルで読みやすい。
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『世界発展の「法則」を学ぶことによって、「大局観」を働かせ、未来を予見する。」
この本を読み進めることで、弁証法的思考とはどういう物なのかを知ることができる。
特に印象的だったことは、
「世界で起こることは、螺旋階段を登るように繰り返される。それは単に同じことが繰り返されるのではなく、発展した型として現れる。」
世界の本質を突いたフレーズだと思う。 -
未来は「予測」できない。しかし、「予見」はできる。
不連続、非線形、加速度。この3つが現代において「未来予測」を極めて困難なものにしている。
弁証法とは。その始まりはソクラテスの「対話」にある。仏教思想の根本にも、この弁証法の哲学がある。
「色即是空。空即是色」の言葉。
これらの5つ弁証法の法則、世界発展の法則。
第1の法則 世界は、あたかも、螺旋階段を登るように、発展する
第2の法則 現在の「動き」は、必ず、将来、「反転」する。
第3の法則 「量」が、一定の水準を超えると、「質」が劇的に変化する
第4の法則 対立し、競っているもの同士は、互いに、似てくる。
第5の法則 「矛盾」とは、世界の発展の原動力である
これから起こる12のパラダイム転換
1.「貨幣の経済」に対して、「善意の経済」が影響力を増していく。そして、新たな経済原理が生まれてくる。
2.多くの消費者や生活者が、社会の変革とイノベーションのプロセスに参加するようになる。
3.「政治」の分野だけでなく、「経済」「文化」の分野でも、直接民主主義が実現する
4.言葉を使ったコミュニケーションではなく、言葉を使わないイメージ・コミュニケーションが広がっていく
5.「考える」ことを重視する文化と。「感じる」ことを 大切にする文化が融合していく
6. 誰もが、自分の中に眠るいくつもの才能を開花できる「ダ・ヴインチ社会」が到来する
7.誰もが、自分の赤に隠れている「複数の人格」を表現できる「脱ペルソナ社会」が実現する
8.単一価値の「イデオロギー」の時代からさまざまな価値観を受容する「コスモロジー」の時代に向かっていく
9.排他的な「一神教」の時代から、さまざまな宗教が共生する「新たな多神教」の時代が始まる
10.「機械的世界観」に基づく科学ではなく、「生命論敵的世界観」に基づく科学が主流となっていく
11.現在文明の「科学技術」と古い文明の「生命論的な知恵」の融合が起こる
12.東洋文明と西洋文明が互いに学びあい、21世紀の「新たな文明」が生まれてくる -
《要旨》
未来を知りたい。その思いは誰にでもある。「具体的な変化」を予測することはできないが、「大局的な方向」を予見することはできる。この大局観を身につけるのに必要なのが「弁証法」である。弁証法の哲学は世界の発展の「5つの法則」を教えている。
まずは、「螺旋的プロセス」による発展(1)。上から見ると、昔の場所に「復活・復古」していくように見えるが、必ず一段高い場所へ登っている。古いものが新たな価値を伴って復活してくるプロセス。だから、消えていった機能の「復活」を読む。2つ目は「否定の否定」による発展(2)。現在の「動き」は必ず将来反転する。だから、現在の動きの反転を読む。この2点で次の主戦場がどこに移行するか予見する。その移行する可能性を見るのが3つ目の「量から質への転化」による発展(3)である。この量が一定の水準を超える目安の一つが「キーワード」が忘れられたか(社会全体に広がり浸透した)というもの。これらに加え重要なのが、「対立物の相互浸透」による発展(4)である。対立する両者は「融合」し、「統合」されていく。
この4つの根底にある基本法則が「矛盾の止揚」による発展(5)である。矛盾を機械的に解消するのではなく、弁証法的に止揚したときに物事は発展する。これにより、どのようなパラダイム転換が起こるか予見できる。
《印象に残ったコトバ》
未来に起こる「細かな動き」は分からない。しかし、未来に向かっての「大きな流れ」は分かる。(略)それが、本来、「大局観」と呼ばれるものです。そして、その「大局観」を働かせることによって、未来は「予見」できるのです。
《感想》
この本を読んだ時に、「虫の目、鳥の目、魚の目」というコトバを思い出した。虫の目で細かいところを見て、鳥の目で俯瞰する。それだけでなく、魚の目で潮流を捉える。初めて、魚の目でモノを見る方法を与えられたと思った。
《目次》
序話 未来を予見する鍵は弁証法にある。
第一話 世界は、あたかも、螺旋階段を登るように発展する。
第二話 現在の「動き」は必ず、将来、「反転」する
第三話 「量」が一定の水準を超えると、「質」が、劇的に変化する。
第四話 対立し、競っているもの同士は、互いに、似てくる。
第五話 「矛盾」とは、世界の発展の原動力である。
第六話 弁証法的思考で予見する未来