女の絶望

著者 :
  • 光文社
3.53
  • (11)
  • (16)
  • (23)
  • (6)
  • (1)
本棚登録 : 114
レビュー : 27
  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334975487

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  •  紫式部文学賞などを受賞した『とげ抜き』の延長線上にある、伊藤しろみさんのお話。

     自分も老いてきて、両親も老いてきて、旦那も老いてきたしろみさんが、新聞で連載している人生相談に答えながら「更年期の女」の絶望を江戸訛りで景気よく喋る。長い間人生相談を受けてきたからこそ、だんなさんをとっかえひっかえして、外国に住みながら熊本の両親の介護をしながらの海千山千のしろみさんだからこそ得られた真理、惜しげもなくであります。この「惜しげもなく」というのがいい女なんだなぁと思うのでした。

     本の宣伝には「更年期」だの「絶望」だのあるけれども、いやこれは二十代三十代の男子が読むとよろしい。読んで久々に、中高生依頼の「耳年増」になって彼女なり奥さんなりとつきあっていくと、きっと家庭円満なんじゃないかなぁと思う次第です。なんだろうね、この「これさえ肝に銘じておけば大丈夫な気がする」という安心感。
     いいものです。
     夫婦関係、困ったときの常備薬におひとつ。

    「わたしはわたし、他人は他人」。
     本文にあるとおり、「わたしはわたし」ができても「他人は他人」がなかなかできねぇんだよなぁー、というの、よくわかります。

  • 今回はいつもに増してサバサバと、ざっくざくと自分の意見を勢いよくだーっと書き殴ったような印象。
    人生相談、しろみさんにしたい人じゃなきゃひるむかも。
    好き嫌いが分かれるところ。
    ちなみに嫌いではない。
    が、文章に負けず、だーっと流し読み。

  • 大きい声で言えないし、バスや電車の中では読めないし、人に気軽におススメもできない。けど赤裸々で痛快で面白すぎだよ、しろみさん。。。
    チャキチャキの江戸弁で落語を見ているようで面白かったです。なんかこう…気持ちがいい。自分が小さいことで悩んでいることがあほらしい…と思えてしまった。親は子どものことを心配しているふりをして実は自分のことしか心配していない的な事が書かれていて、自分のことを見てみたら確かにそうかもしれん…と思ったり、色々発見がありました。

    読む人の性格と年齢制限があります。赤裸々・少々お下品がOKの方。サバサバしている、竹を割ったようにスパーンとしているのが好きな人。がさつ・ずぼら・ぐうたらが不快じゃない人。40代後半以降からのお姉様がた。下ネタ?下の話が不快だと思わない方など…。『閉経記』のノリでした。

    「あたしはあたし」「ひとはひと」
    ひとり目の介護を終えて無事に看取ってから、最近わたしもそう思えるようになってきました。

    絶望と希望は一字違い。きっと絶望と希望は背中合わせ。「如月――えろきもの」の岡田君とか長瀬君の登場につい笑ってしまいました。

  • 終了してしまったNHKブックレビューで紹介された覚えがあり、読んでみました。

    下品…。

    自分が本を読む理由のひとつに、正しい綺麗な日本語を学びたいということがあるのです。
    この著者は青学の文学部を出ているのに…。
    途中でやめようかと思いました。

    でも読んでいくうちに面白くなり、しかも結構深いです。

    そして最後にうるっときました。
    >それが「あたしはあたし」の神髄です。

    私も同感です。全部読んで良かったです。

    仏教の本も出されているようで、読んでみようと思います。

  • 表現が直截すぎて、露悪的。あんまり男女のことに興味がないまま年を取ってしまったからかもしれない。
    介護のところは親殺しをもう一度(場合によってはもう何度も)することだ、と書いてあり、ある意味で覚悟ができた。

  • あ~更年期、誰もが通る女の道。悩める相談内容に絶望を感じるばかりだけど、それを淡々とかるく語ってゆくしろみさん。やっぱり女は強い。「がさつ、ずぼら、ぐうたら」を合言葉に絶望を乗りきりたいな。

  • 語り口調の本は苦手で読めないのを忘れてた。頑張ってみたけどムリ。密かな面白さもあるんだけど読み続ける原動力にはならなかった。挫折。

  • ミッドライフクライシス、更年期などなど。

  • タイトルがまずいい。そして中身も。落語調で女(と男の関係が主だけど、親子関係などもあり)の絶望的な悩みに回答していく。
    色恋沙汰とか性とかの話が多いので、電車の中で読むのは若干気後れするのと、江戸っ子調なので、「ひ」が全部「し」になるのが若干読みにくい(ときどきよみ間違える)けれど、いちいち言うことはもっともだとうなづいてしまう。
    結論としては、「あたしはあたし ひとはひと」ですね、しろみねえさん。

  • 随所でうなづけるものの
    やっぱり恋愛とか人生とかは
    ひと様より自分のが楽しいや。(笑。

全27件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1955年、東京都生まれ。詩人。78年に現代詩手帖賞を受賞してデビュー。性と身体をテーマに80年代の女性詩人ブームをリードし、同時に『良いおっぱい 悪いおっぱい』にはじまる一連のシリーズで「育児エッセイ」という分野を開拓。近年は介護や老い、死を見つめた『とげ抜き 新巣鴨地蔵縁起』(萩原朔太郎賞、紫式部文学賞受賞)『犬心』『父の生きる』、お経の現代語訳に取り組んだ『読み解き「般若心経」』『たどたどしく声に出して読む歎異抄』を発表。人生相談の回答者としても長年の支持を得ており『女の絶望』『女の一生』などがある。一貫して「女の生」に寄り添い、独自の文学に昇華する創作姿勢が多くの共感を呼んでいる。現在は、熊本と米国・カリフォルニアを拠点とし、往復しながら活動を続けている。

「2018年 『たそがれてゆく子さん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

女の絶望のその他の作品

女の絶望 (光文社文庫) 文庫 女の絶望 (光文社文庫) 伊藤比呂美
女の絶望 (光文社文庫) Kindle版 女の絶望 (光文社文庫) 伊藤比呂美

伊藤比呂美の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

ツイートする