リストラなしの「年輪経営」

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334975586

感想・レビュー・書評

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  • 知人に紹介され、やっと読むことが出来ました。
    私も会社で働くサラリーマンですが、そもそも会社の存在意義、あるべき姿を問い直させてくれる一冊。私が普段漠然と思っていたことを改めて問い直させてくれました。
    更には、それを実践しているのだから、すごいし、心から尊敬します。この会社を。
    会社は本来、どうあるべきなのか、ブレてはいけない軸は何なのか、何のために存在しているのか、重くなりがちなテーマを自然体でさらりと説いています。
    変な学者やコンサルが書いた表面だけのビジネス書よりも、百倍価値があります。俺、ビジネス書とか啓蒙書とか嫌いだし、分かった気になるだけで身にならないから。でも結構、読んじゃうけど。
    それはともかくとして・・・
    利益至上主義でも売上至上主義でもなく、一番大切なのは社員の幸せ。人件費はコストではなく、会社の目的そのもの。急成長を目指して背伸びをするのではなく、年輪の様に低成長でも確実にやれることを増やしていく。最大の名言は、利益は会社のウンチであると。健全な会社なら自然と出てしまうものだし、出ないのならば何か病気であるということ。ウンチを出すことが目的ではないでしょう、と。
    やれ、V字回復だ、収益最大化だ、と社員一丸になって突き進むのはいいですが、それってテレビゲームでハイスコアを目指して、必死になっているのといるのと同じじゃん、と思う今日この頃。ゲームは楽しいんだよね、やっている時は満足感があって、ハマっちゃうこともしばしば。
    でも、企業活動って本来ちがうよね、などとも思ってしまいます。ともあれ、色々と考えさせてもらう一冊。
    必読です。

  • 積読していた本ですが、ウェルビーイングの書籍の中で伊那食品工業さんのことが書かれていて、そういえば買ってあったなと思い出して読みはじめました。
    社員は家族であり、会社は社員を幸せにするためにあるという考えに共感しました。
    その考えに基づいて書かれているため、非常にわかりやすい内容です。
    考え方って大事だし、会社の行動がこの考えに一貫していると、社員も安心して働くことができるんだなと実感しました。

  • 【こんな経営がしたい】

    身の丈に合った成長をする力と社員に幸せを形にする力は、外の環境に依存せず中身を強くするのだと感じます。

    こんな経営がしたい。

  • オーナー経営者は、良くも悪くもこういう思考になるのかなと感じた一冊。ウェルビーイングの第一人者が推す会社のオーナーだから読んだけど。もちろん素敵な思想の部分も多いけど。そこだけは参考に。
    再読不要。

  • 経営のあり方として、こういうやり方もあるんだな
    社員さんに話聞いてみたいな

  • 社員の幸せを通じて、いい会社を作り社会に貢献する。これを体現され、今も継続されていることに驚きました。2019年の締めくくりの本がこの本で良かったです。一度、この会社に見学に伺わせて頂こうと思います。

  • ・会社は社員を幸せにするためにある。
    ・経営とは会社の数字と社員の幸せのバランスをとること。
    ・いい時も悪い時も無理をせず、低成長を志して自然体の経営に努める。これを年輪経営と呼んでいる。
    ・急成長は警戒しなければならない。
    ・ここ10年ほどは売上に対する経常利益率が10%を切っていない。
    ・年功序列の給与体系。一丸となって頑張る力を、成果主義や能力給は削ぎかねない。
    ・商売上の信頼関係は、正しい理念で結ばれていること。正しい理念を共有していること。
    ・身の丈にあった商売。たくさん売るよりきちんと売る。
    ・経営者は教育者でなければならない。
    ・遠きをはかって地道に努力する。どんな小さなことでもいいから、今すぐ始める。
    ・人が幸せになる一番の方法は人から感謝されること。
    ・社員を採用する際もっとも重要視するのは協調力。

  • 利益は健康体からでるうんちである。

    遠きを図り、ゆっくりでもいいから着実に成長する。
    トヨタの豊田章男社長が共鳴した年輪経営

    人生の目的は幸せになること。経営者の目的も社員を幸せにすること。

    正しい心で利他の精神で社会の役に立つ「立派な社会人」を育てる社員教育

    一方で、「進歩軸」と「トレンド軸」の両面を見据えて、セレンディピティを発揮する商品開発やファンづくりの経営、社員の力の結集

    理想だけでない実践的な知恵と工夫の積み重ねなど非常に沢たくさんの学びをいただきました。

  • ”8/3 の訪問までに読もう!
    ---
    T:7/28帰宅まで→○
    P:塚越社長と話すネタを見つける
    O:来週訪問。ワクワク!
    ---
    ★会社とは何のためにあるのか(p.15)
     長い間考え続けて得た結論は「会社は、社員を幸せにするためにある。そのことを通じて、いい会社を作り、地域や社会に貢献する」というものでした。
     それを実現するためには、「永続する」ことが一番重要だと気が付きました。
    ・二宮尊徳「遠きをはかる者は富み…」(p.23)
    ★年輪の幅は、若い木ほど大きく育ちます。年数が経ってくると、幅自体は小さくなります。(中略)会社もそうあるのが自然だと思います。(中略)年数を経てくると成長の割合は下がってきますが、幹(会社)自体が大きくなっているので、成長の絶対量は増えているものです。(p.25)
    ・会社が成長するとは (p.33)
     私は、社員が「あっ、前より快適になったな、前より幸せになったな」と実感できることだと考えています。
     #これ大切な感覚だと思う
    ★健康な会社 (p.43)
     人間と違って、会社の場合はその中にいる人々が代替わりしていきます。リレーと同じです。いま自分が預かっている仕事なり会社なりを、より健康にして次の人に渡してやれるように努力すれば良いのです。そうすれば、会社はだんだんと健康になり、「利益」というウンチも自然と出るようになります。
     #利益はウンチ。いいなぁ(笑)
    ★「いい会社」をつくるための10箇条 (p.52)
     一 常にいい製品をつくる
     二 売れるからといってつくり過ぎない、売り過ぎない
     三 できるだけ定価販売を心がけ、値引きをしない
     四 お客様の立場に立ったものづくりとサービスを心がける
     五 美しい工場・店舗・庭づくりをする
     六 上品なパッケージ、センスのいい広告を行う
     七 メセナ活動とボランティア等の社会貢献を行う
     八 仕入先を大切にする
     九 経営理念を全員が理解し、企業イメージを高める
     十 以上のことを確実に実行し、継続する
     #*Lへも
    ・人件費はコストではない (p.60)
     人件費は目的なのです。(中略)みんなで一生懸命に働いて、より多くの報酬を得て幸せになることは、事業を起こした目的の一つなのですから。
     報酬を減らして、会社の利益を増やしても、事業を起こした意味がありません。
    ★去年より今年、今年より来年の方が、幸せ感が増してくるような会社。そんな会社にいれば、自然とモチベーションは上がってきます。(p.71)
     #同感!!
    ・信頼関係はどうやって築けばいいのでしょうか。(中略)大切なのは、商売や経営の面で、正しい理念で結ばれていることだと思います。(p.80)
    ・性善説に基づいた経営
     人は信頼されると、それに応えようとする気持ちが沸いてくるものです。(p.96)
    ・実は、当社が性善説に基づく経営を行うことができるのには秘訣があります。それは教育です。(p.97)
     #む、責任重大!
    ・社員みんなが「もう少し良くしよう」と努力するようになったら、会社はどんどん良くなります。
     ですから、私は小さいことにも口を出します。たまに「会長はそういう細かいことまで口を出さなくて結構です」と言われますが、そのような時には「何が小さくて、何が大きいのか、どうやって分かるのか」と問うことにしています。(p.122)
    ・社員一人ひとりが一日に何人のファンをつくれるのか
     「ファンづくり」が仕事だと思えば、楽しくなってきませんか。今日は何人のファンをつくれるのか、朝そう考えればワクワクしてきませんか。その気持ちを大切にして欲しいと思います。(p.127)
    ・本当の効率化、合理化
     根本的な対策に目を向ける必要があります。それは、人間のやる気を向上させるということです。社員のやる気をアップさせる以上の効率化策、合理化策はありません。(p.137)
    ★これほど豊かになった日本社会で、年に三万人を超える自殺者がいることは異常です。やはり、教育が間違っていると言わざるを得ません。学力の国際競争力をウンヌンする以前の問題です。
     「幸せに生きる」ということが、人生の目的でもあり、人間の権利でもあり義務でもあります。(p.155)
    ・立派の三段階
     小さな立派…単に人に迷惑をかけない
     中くらいの立派…少しでも人の役に立つことをする
     大きな立派…大勢の人、社会の役に立つことです。
    ・研修ではさらに「教育勅語」を学びます。(p.164)
     二週間の研修の後、新入社員たちの意識はすっかり変わっています。限られた人生の中で、やるだけのことはやりたいと思うわけです。会社に働かせられているんじゃなくて、「働かなきゃ損だ」と考えるようになります。
    ★机上で学んだだけの知識では、実際の仕事では役立ちません。知識は知識でしかないのです。必要なのは、知恵です。知恵とは、知識+経験です。知識と経験が一緒になって発酵しないと知恵は生まれません。同じ経験をしても、注意力がある人は、多くの知恵を得ます。だから、注意力が大切なわけです。(p.168)
     #お?、朝礼で聴いたぞ!
    ・法律には、それをつくった目的があります。それを忘れ、ただ条文に違反したとして取り締まるような世の中が、いいはずがありません。法律はあくまで基準、目安なのです。ケースバイケースで、運用や解釈に幅を持たせてこそ、法律は実社会で生きてきます。
    ・今はモノが豊富になり、物質的な苦労は少なくなりました。ですから、若い人は自ら求めて、苦労を背負うことが必要です。困難を自ら求め、逆境を切り開く体験は、きっと人間を強く大きくしてくれることでしょう。(p.176)
    ・「自分で努力して、この会社を変えてやる」くらいの気構えが欲しいものです。自分で、自己実現できるような会社にするわけです。(p.177)
    ・観光立国を実現するための5つの要素 (p.181)
     第一 見るに堪えるもの
     第二 買う楽しみ
     第三 美味しい食べ物
     第四 学び
     第五 癒し
     #お?、五感塾!?”

  • 「いい会社」とは何かを考えさせられる

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著者プロフィール

伊那食品工業会長。1937年長野県生まれ。高校在学中に肺結核を患い、中退。3年の療養生活を余儀なくされた後、57年に木材会社に就職。翌年、子会社で事実上経営破綻状態だった寒天メーカー、伊那食品工業の立て直しを社長代行として任される。経営再建を果たし、83年に社長、05年に会長に就任した。相場商品だった寒天の安定供給体制を確立。家庭で簡単に寒天菓子作りが楽しめる「かんてんぱぱ」シリーズの開発や、医療、美容市場の開拓などで48期連続の増収増益を達成するなど、大きな実績を上げる。「社員を幸せにし、社会に貢献すること」が、企業経営の目的という信念を持つ。それを実現する方法として、外部環境に左右されることなく、毎年少しずつ会社を成長させる「年輪経営」を提唱している。トヨタ自動車の豊田章雄社長も「年輪経営」に共鳴しており、企業経営者などの視察が絶えない。社員数約500人、16年12月期の売上高191億800万円、経常利益16億1700万円。

「2017年 『「いい会社」ってどんな会社ですか?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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