経済成長って何で必要なんだろう? (SYNODOS READINGS)

  • 光文社 (2009年6月25日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334975746

経済成長って何で必要なんだろう? (SYNODOS READINGS)の感想・レビュー・書評

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  • メモ
    経済成長が必要。貧困対策も福祉も経済成長なしに有効な手は打てない。経済のパイを大きくして、お金を確保しないと格差と貧困に対処できない。

    キャッチアップ型の成長はもうできないから、2~3%の経済成長を目指す。
    経済成長を可能にする方法は、
    ・個人の創意工夫が発揮できる環境整備<競争>
    ・失敗時のセーフティネットの整備(保険や社会保障)<再分配>
    ・成長していけるだけの景気の振幅を抑えるマクロ財政金融政策<安定化>

    経済学はツール。こういう社会をつくりたいというコンセプトデザインは経済学の役割でなく、その他の分野。テクニカルな部分を請け負う。価値観と計算を峻別する。

  • GDPのG、つまりGROSSには、資本減耗が加味されていない。一人当たり実質GDP額が420万円だとすると、これは生産活動による額だが、年収はここから減価償却を1割減らし、370万円が平均という事になる。これは計算を単純化した図式であって、GDPは、本来付加価値、つまり仕入れと売りの差益である。差益は、給与と内部留保になり、経済成長しても、企業が儲けるだけで、賃金が上がらない事もある。

    中盤、経済学を切り口にっていう事で期待したが、湯浅誠や赤木智弘の人選によるものか、貧困を如何に減らすかという格差是正に対する政策論が目立つ。この手の話の究極は、自己責任論をどのように設定するかだ。

    マクロ経済学の主流、新古典派とニューケインジアンに分け、新古典派をハイエクとフリードマンとする整理を飯田は無用とする。この主張、理解しがたかったが、より、広義に捉えただけの論点だろう。

    ガーシェンクロン仮説という言葉を覚えた。経済的後発性の話だ。

  • 同じことを繰り返せば効率が上がるので成長率もあがる。当然ながら経済成長は何もしなくても上がるが、その上昇率が重要。

  • 「経済学」が、技術であり道具であるとの主張に目ウロコでした。

    刺激的な話が多く、「新自由主義」なるものの幻想。ケインズとハイエクの親和性。再分配の話。等々。また、所謂論壇に欠けているもの。メディアの無能など、まことに盛りだくさんで面白かった。

    また、自分も全く同感なのは、政治家が票にならない若年層を向いた政策をするはずがないという事。このままでは日本は滅びるね。

    一番いいのは、少子化対策をしっかりやって人口を増やすこと。でも、これが難しい。「経済学」的には処方箋を示せるのだろうか。それが嫌なら、移民を受け入れしかないかな。

  •  2009年に刊行された異分野間の日本経済についての対談集。議論の種になればという意図で書いたそうです。

     経済学やら経済政策にあまり馴染みがない人でも分かりやすいように書かれています。私のように多少かじった程度では全部理解できなかったので、啓発された分勉強するつもりです。飯田さんは経済成長と政策の必要性を説いています。
     個人的に湯浅誠さんに興味を持ちました。

    ※岡田靖氏は2010年04月に逝去されました。
    http://d.hatena.ne.jp/JD-1976/20100411/p1


    【メモ】
    ・2013年に読んでも古くないのが驚き。
    これ「真剣中年しゃべり場」(2006)みたいだなあと思った。有名な人がギロンしているところとか。
    http://www.geocities.jp/hammersmith_golden/Shaberiba/Inaba_2005_shaberiba.html



    【目次】
    はじめに 芹沢一也 [003-008]
    目次 [009-013]

    序章 議論の前に 飯田×芹沢 015
    本書の見取り図 ケインズとハイエク、フリードマンの違い 理論家と実証家のバランスが悪い日本 経済の勝利、政治の敗北 争点とならない経済政策 経済成長で格差・貧困を吹き飛ばす

    1章 高度成長とは何だったのか--戦後日本経済思想の源流と足枷 岡田×飯田  049
    「心の師匠」岡田靖 現代社会の原点としての世界大恐慌 誤った戦前のイメージ 平均所得に見る今と昔 GDPのGとはなにか? 昭和30年代の東京の風景 インド的低賃金と革命前夜 所得倍増計画 GDPとは何か? もうけはインチキか? 経済成長と賃金 年2.0~2.5%成長は当たり前 素人社会の日本が経済成長した理由 20%の消費税を取られているようなもの 景気が良ければ、ダメ企業は淘汰される エリート官僚の堕落という幻想 なくすべきか、なくさざるべきか公共事業 なぜ経済成長は嫌われるのか 高度成長と環境問題 高度経済成長期的構造からの脱却

    2章 戦争よりバブル、希望はインフレ 赤木×飯田  105
    左派原論への幻滅 三つの「安定」 2%仮説 正社員待遇はやめるべき 個人の問題でもシステムの問題でもなく、単なる経済政策の失敗 なぜ引退世代をここまで優遇するのか? 革命ではなく、問題を雲散霧消させる 不人気な成長とインフレ なぜ貧困率の高い若者から貧困率の低い老人に再分配するのか 日本人の生涯所得を決める最大の要因は? タイムリミット

    3章 何が貧困を救うのか 湯浅×飯田 155
    なぜ「溜め」は失われたのか 「所得倍増」か「規制・公的給付」か 活動家を再生産する仕組みづくり 正規と非正規が連携するためには 強すぎる労働イデオロギー 半就労・半福祉と負の所得税 福祉の財源 格差を解消する累進課税強化 若者に冷たいメディアと政治 「秩序を乱す自治の暴走は許すまじ」という空気 貧困調査のない日本 政治と新自由主義 「溜め」の指標化

    終章 議論を終えて 飯田×芹沢×荻上 213
    「お薬経済学」と「筋トレ経済学」 経済学はプレカリアートにどう語りかけるか 言論の責任 バブルとデフレは同じ問題 経済学者の責任 景気が悪い中での改革は上手くいかない 経済学者の役割 懐古趣味の壁 小さな啓蒙と情報戦を繰り返すしかない 地域コミュニティは人を幸せにするか 価値論争の重要性 意図的な社会問題化 まったく機能していない日本の再分配政策 田舎に住む自由を確保すべきか 

    あとがき 飯田泰之 [288-291]
    執筆者紹介 [292-294]

  • 「経済成長は必要なのか?」についての対談本。

  • 「シノドス」を「秀才集団」と脳内変換していた私の予想通りの本だった。無駄に横文字が多かったり、赤木氏や湯浅氏よりもシノドスサイドの発言部分を多くしたり…文字量の割に得るものは少なかった。

  • 経済学者、貧困問題に取り組む人(湯浅誠氏)、格差を論じた人(赤木氏)との対談を通じて、「経済成長」が今の日本にどれだけ必要か?というのを論じた一冊。

    資源の制約を完全にクリアしたならば、経済成長=右肩上がりというのは絶対的な解である、というのはこの本を読んで納得する部分である。
    しかし現実世界では、資源はやはり有限なものではないかと思うので、ここでいくら経済成長こそ日本の特効薬ともてはやされても、それは実現してはいけない解のように思えた。

    また、実質この本の主張のメインである飯田泰之氏が、やや上から目線的に対談を仕切って、さも「経済学は偉い」という印象を与えていることに不快感を感じなくもない。

    経済学をいかに世の中で活かすかを考えると、この本のアプローチは至極まっとうなものなのだと思うが、今ある世界が求めているのは果たしてそれだろうか、という疑問が残った。

  • 題名の通り「経済成長が必要なのはアタリマエだ」という前提で書かれている。この場合の経済成長は、いわるゆ戦後の高度経済成長やバブル景気といったレベルではなく、ゆるやかな、年2%程度の、それこそ普通の先進国が普通に成し遂げているものをさしている。

    統計などの数字で裏付けしつつも、読者には「数値を読み取る」といったことを強要せずに、きちんと言葉で説明しているのが好感。

    白眉なのは湯浅氏との対談で、同氏の運動の“戦術”である「うしろめたさ票を確実にとりにいく」という言葉を引き出したくだりか。

    その一方で、話の内容に出ている経済概念、つまり「新自由主義」の意味やその論者・フリードマンやハイエクなどのバックボーンだけでなく、ケインズ学派やマルクスについての説明がほとんどない。これらの事は知っていることが前提となっているようだ。例えば、マルクス経済学とマルクス主義の違いについて、そこからケインズ経済学との繋がりを知っていないと、本書の半分は理解できないであろう。

  • 201211/

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