経済成長って何で必要なんだろう? (SYNODOS READINGS)

  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334975746

感想・レビュー・書評

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  • メモ
    経済成長が必要。貧困対策も福祉も経済成長なしに有効な手は打てない。経済のパイを大きくして、お金を確保しないと格差と貧困に対処できない。

    キャッチアップ型の成長はもうできないから、2~3%の経済成長を目指す。
    経済成長を可能にする方法は、
    ・個人の創意工夫が発揮できる環境整備<競争>
    ・失敗時のセーフティネットの整備(保険や社会保障)<再分配>
    ・成長していけるだけの景気の振幅を抑えるマクロ財政金融政策<安定化>

    経済学はツール。こういう社会をつくりたいというコンセプトデザインは経済学の役割でなく、その他の分野。テクニカルな部分を請け負う。価値観と計算を峻別する。

  • 意欲的な対談集。

    個人的には、内容というよりも、
    やったことに意義ありと感じる。

    赤木智弘氏、湯浅誠氏の反応が一々興味深い。

    ともあれ、がんばっている若手の存在に刺激を受ける。

  • この本によると、経済成長が止まると、その場合でも経済の効率化は止まらないため、毎年2%の人が職を失うらしい。この2%の人たちに新たな職を生み出すには2%の新天地が必要であり、それは経済成長2%によってのみ達成できる。そうしないとニートや、低所得者問題はなくならない、というのが本書の主張。で、どうすりゃいいんでしょう?

  • GDPのG、つまりGROSSには、資本減耗が加味されていない。一人当たり実質GDP額が420万円だとすると、これは生産活動による額だが、年収はここから減価償却を1割減らし、370万円が平均という事になる。これは計算を単純化した図式であって、GDPは、本来付加価値、つまり仕入れと売りの差益である。差益は、給与と内部留保になり、経済成長しても、企業が儲けるだけで、賃金が上がらない事もある。

    中盤、経済学を切り口にっていう事で期待したが、湯浅誠や赤木智弘の人選によるものか、貧困を如何に減らすかという格差是正に対する政策論が目立つ。この手の話の究極は、自己責任論をどのように設定するかだ。

    マクロ経済学の主流、新古典派とニューケインジアンに分け、新古典派をハイエクとフリードマンとする整理を飯田は無用とする。この主張、理解しがたかったが、より、広義に捉えただけの論点だろう。

    ガーシェンクロン仮説という言葉を覚えた。経済的後発性の話だ。

  • 「シノドス」を「秀才集団」と脳内変換していた私の予想通りの本だった。無駄に横文字が多かったり、赤木氏や湯浅氏よりもシノドスサイドの発言部分を多くしたり…文字量の割に得るものは少なかった。

  • 経済成長を可能にする方法は第一に個人の自由な創意工夫(競争)第二に失敗時のセーフティネット(再配分)第三に景気の振幅を抑制するマクロ経済政策(安定化)に尽きます。

  • 経済
    社会

  • 若干刊行から時が立ってしまったが、今だに現状把握になくてはならない一冊。貧困側と経済学者とのまともな対談は期待してもなかなか実のあるものにはしにくそうだが、コーディネーターの手腕か、うまく噛み合っている。

    以下注目点
    ・70年代のはじめに先進国のキャッチアップが終わりと地方の余剰労働力の供給が途絶えた。
    ・好景気になるとダメな企業が淘汰される。高給が出せる優秀な企業に人を取られてしまうから。

  • うーん、タイトル倒れだな。レベルが低い。途中でストップ。

    ロスジェネの僕らは被害者、社会がいけないという論調。労働需要がないからいけない、労働需要があれば報われると言うのだが、その労働需要は、誰かが作ってくれて、自分は待てばよいと言うのだろうか?

    高度成長期からバブルまでが平常ではなくむしろ異常だった。その時代に居合わせた世代(現在の40〜60代)はたまたま運がよかっただけ。

    上の世代をうらやましく思い自分たちが被害者だと思ったところで、何の解決にもならない。戦後の成長期以前、そしてこれからも共通なのは、志を持ち、行動を起こした者が勝ち、そうでない者が負ける。

    残念ながら、本書の著者からは、どちらかというと社会の悪を批判し、人口が増えればいい需要が増えればいいという非現実解に依拠するのみで、自分たちはこの社会をどのように良くしたいのか?という志が全く感じられなかった。

    本来★1つだが、少し得られるものがあったので★一つ加点した。

    序章
    p23 飯田
    新古典派は、生産効率の変化が最大の源泉で景気を左右するという考え。
    ニューケインジアンは、生産効率の変化は景気変動の結果であり、経済変動は需要は政策によって生ずるという考え。
    p25 飯田
    新古典派
    ・長期的な成長トレンドと、そのトレンドをはずれる景気循環の問題をできる限り分ける
    ・経済の実際の動きの多くが長期的な成長トレンドの変化だという考え
    ・金融政策が直接的に左右できるのは、あくまでトレンドからのずれの問題
    ・トレンドからの乖離は一時的で小さい、金融政策に消極的
    ニューケインジアン
    ・経済は成長トレンドからしばしば乖離する
    ・その乖離は比較的長期にわたり、無視できない。

    一章
    p30 理論家と実証家のバランスが悪い日本
    p31 飯田 戦後の日本は圧倒的な経済成長のおかげで<政治>という困難なテーマを考えないで済んでいた。○
    p57 飯田 戦前のGNPのピークは昭和恐慌から景気が回復しきったあとの昭和9(1934)から昭和11(1936)年。
    p77 岡田 先進国では、長期的に年2%から2.5%ぐらい、一人当り生産額は増え続けている。○
    p85 飯田 70年代頭に農村の余剰労働力がなくなった。これによって飛躍低な生産性向上は不可能になる。
    p93 岡田 日本の公共事業は、ある段階から社会の生産力を強めるための公共事業から、お金を配るための手段としての公共事業に切り替わってしまった。

    二章
    p117 飯田 もし経済状態がそのままで、つくるモノの量が一定であれば、毎年2%の人間がいらなくなる。○
     >>現在の日本の閉塞感の理由はその通り。毎年2%づつ生産量を増やし、国内で需要がない分、国外に活路を見出さなければならない。
    p125 飯田 常勤労働者と、非常勤労働者の差が、好みの差になるのが理想だと思う。
     >>だから?理想を語っても仕方ない。
    p126 赤木 今のフリーターというのはプロフェッショナルになろうにも、職業教育からはずされているような状況です。
     >>なんで、あなたはそんなに受身なの?なんで自分で努力をしようとしないの?
    p129 芹沢デフレ下では勤労世代から老人世代へ富が移転します。○
     >>これは大前氏も同様のことを言っている。
    p140 年金というのは、貧乏な若者から税金をとって、金持ちの年寄りに配っている。○

    以降、p169まで読み進むが、だんだん内容が劣悪になっていったのでストップ。

  • 何が言いたいのかわからなかった。あとがきを読むと、経済成長って必要だ、らしい。そりゃそうだろう。左翼ボケした人向けの本なのだろうか?

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