悲しみは憶良に聞け

著者 :
  • 光文社
3.33
  • (0)
  • (2)
  • (0)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 10
レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334975821

作品紹介・あらすじ

万葉歌人・山上憶良。その原点は朝鮮半島生まれの「在日」という生い立ちにあった。「貧窮問答の歌」など貧困・病苦・老い・生死を見つめたリアルな社会派詩人-憶良の歌う悲しみは、現代に通じる悲しみである。万葉文学の第一人者であり、日本人の心性を追求し続ける著者が、「あまりに人間的な」男の人間像に迫る。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 『貧窮問答の歌』で有名な山上憶良の抱える悲しみを探る本でした。

    著者の自説である『山上憶良は百済からの帰化人』と言うことがこの本ではベースになっています。
    幼児の頃に国を失い、日本に渡り42歳で遣唐使の一行に加わるまで文書に名が出てこない恵まれたとは言えない人生。

    歌の底に潜む原風景を持たない悲しさ、官僚としてかなり出遅れた悲しさ、病を患う悲しさと言ったこの人の持つ『痛み』を帰国子女やノンキャリアと言った現代の言葉に置き換えて説明されていたりするので理解しやすかったです。

  • 万葉歌人、山上憶良

    憶良の歌う悲しみは、現代に通じる悲しみである。「あまりに人間的な」男の人間像に迫る。

    「銀も金も玉も何せむに勝れる宝子に及かめやも」

    「瓜食めば 子ども思ほゆ 栗食めば まして思(しの)はゆ 何処(いづく)より 来たりしものそ 眼交(まなかい)に もとな懸かりて 安眠(やすい)し寝(な)さぬ」 

全3件中 1 - 3件を表示

著者プロフィール

中西進(なかにし すすむ)
1929年、東京生まれの日本文学者、比較文学者、万葉学者。奈良県立万葉文化館名誉館長、池坊短期大学学長など多くの経歴を持つ。1964年『万葉集の比較文学的研究』で第15回読売文学賞、1970年日本学士院賞で『万葉史の研究』、1990年『万葉と海彼』で第3回和辻哲郎文化賞、1997年『源氏物語と白楽天』で第24回大佛次郎賞をそれぞれ受賞。他にも、万葉集研究の大家として多くの業績があり、『万葉集 全訳注原文付』(講談社文庫)の作品がある。

中西進の作品

悲しみは憶良に聞けを本棚に登録しているひと

ツイートする