死ぬ気まんまん

著者 :
  • 光文社
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本棚登録 : 423
感想 : 82
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  • Amazon.co.jp ・本 (198ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334976484

作品紹介・あらすじ

「あたし、まだいーっぱい言いたいことがあるのよ」元気に逝った佐野洋子が残した鮮烈なメッセージ。

感想・レビュー・書評

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  • 潔い人なんだな
    私も死後の世界はないと思う。
    だから死ぬことは、そんなに嫌ではないが痛い、苦しいのは嫌だ。
    そこは佐野さんに共感です。

  • 確かに面白い、ぐいぐい読めてしまう。しかし文章としては言葉が足りていないというか、説明不足でしょうか。もっと緻密に書いてあるほうが好みかしらん。佐野洋子さんの友達だという物を欲しがり、ねだり、叶わないとなるとヒステリックになるけったいな女性。私ならこんな人と一緒にいたら気が変になるか、側にあるもので軽く刺してしまいそうになるでしょうね。 後半に出てくる「あなたにだから言うんだけど」と自分の人生を語る老婦人の話もまたうっとおしく、辛抱強く聞く佐野さんという人の物凄さを思ってみます。

  • 癌の宣告を受けて入院した日々の記録「知らなかった」
    そして癌が再発してからのエッセイ「死ぬ気まんまん」
    神経科クリニックの理事長、平井達夫さんとの対談。
    の3部からなる本。

    入院した日々の話は治療の様子について書かれていたりしますが、どれもご自身のユーモアをまじえて、重くならないように書かれています。
    そして大体は入院中に出会った他の患者さんとのやりとりについて書かれていて、それが面白かった。
    「あなただから話すけど・・・」と身の上話をする婦人の話。
    神様を信じる女性の話。
    ヤクザらしき男性の話。
    面白いんだけど、やはりどこか悲しい。
    そしてエッセイ「死ぬ気まんまん」は余命を宣告されてからの心情や思いが書かれている。
    赤裸々に。
    所々とりとめもない書き方になっているのは元々そういう文章なのか。
    それとも病気の進行のせいなのか。
    とにかく、率直な言葉で書かれているので、読んでいて苦手だとか嫌悪感を感じる人もいるかもしれないと思う。
    だけどケチな友人に対する見方も、病院で知り合った人たちとのやりとりにも、すごく人間くさい温かさと繊細な感覚を感じる。
    ご自分の死をまっすぐに見つめ受け止めて、そして死について率直に、カラッと書かれた本。
    だけど、やはり読んでてどこか悲しいと思ってしまう。
    作者の事が好きだと思ったからかもしれない。

  • 2010年に亡くなられた佐野洋子さんのエッセイ。
    これまでのエッセイと重なる内容もありますが、手術を担当した医師との対談なども載っています。
    しかし相変わらず口が悪い(苦笑)
    でも佐野洋子さんの本音は読んでいて気持ちがいいんですよね。
    よくぞ言ってくれましたって感じ。
    死と向き合い、死を見つめ、多くの死を体験してきた佐野さん。
    タイトルの「死ぬ気まんまん」は、佐野さんの息子さんが母親を見て思わずつぶやいた言葉なのだそうです。
    面白いエッセイでした。

  • やっぱり佐野洋子さんはカッコいい!
    知り合いとか親戚に居たら絶対厄介なおばちゃんやと思ってしまうけど、文章読む分にはめちゃくちゃ面白い!

    佐野さんと全く同じで死ぬのは怖くないけど痛いのとかは勘弁!って思う。

    最後のホスピスのお話はスピリチュアルとは真逆に位置してる佐野さんにもこういう何かが見える事があるんやなぁ〜と人間の神秘を感じた。

    心の病気でホスピスに入るまでの自分の体調の記述に「どどめ色」って言葉が連発、その度に大笑いした!

    ホスピスでの日常、佐野さんの死生観、ちょっと不思議な話や悲しいこともクスッと笑わせてくれる文章で、あ〜死ぬ事ってそんなに壮大で絶望的に捉えなくてもええんかも知れん!って思わせてくれた♪

  • ”要するに、自分なんて大した物じゃないんですよね。同様に、誰が死んでも困らないわけ。例えば、いまオバマが死んでも、必ず代わりが出てくるから、誰が死んでも困らないわけですよ。
    だから、死ぬということを大げさに考える必要はない。自分が死んで自分の世界は死んだとしても、宇宙が消滅するわけでも何でもないんですよね。そうガタガタ騒ぐなという感じはする。”(P119 医師・平井達夫さんとの対談から佐野洋子さんの発言を引用)

    死ぬのは怖くなくて、痛いのが怖いという佐野さん。
    とにかく力強いエッセイだった。

    もうすぐ死ぬから恐れがなくなったのかはわからないけど、日教組に対して唐突にケンカを売るところは最高に笑えた。これぞ佐野洋子!という感じ。

  • 2021年7月22日
    壮絶な痛み、食べられなくなる、歩くのもしんどい。病気ってこうなるのか。
    いつ死んでもいいと思っているのに死は訪れない。
    覚悟はできているのに。

    わからない話題がたくさんあり、ついていけない。
    理解しようと思えなかった…

  • エッセーと対談.「死ぬ気まんまん」の天衣無縫な率直な溢れ出る本音が面白かった.

  • 2019年5月20日読了。図書館で借りた。

    時々主語は誰? と考えたりよくわからない所がある。
    歯切れの良い発言のところは読んでいても気持ちが良い。

  • ホスピスが魅力的で。心身ともに弱ってるからそう思うのか。
    ケチの知り合いの下りは、私もそうならないようにしなければと自戒。

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著者プロフィール

1938年、北京生まれ。絵本作家。ベストセラー『100万回生きたねこ』のほか『おじさんのかさ』、『ねえ とうさん』(日本絵本賞/小学館児童出版文化賞)など多数の絵本をのこした。
主なエッセイ集に、『私はそうは思わない』、『ふつうがえらい』、『シズコさん』、『神も仏もありませぬ』(小林秀雄賞)、『死ぬ気まんまん』などがある。
2010年11月逝去。

「2021年 『佐野洋子とっておき作品集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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