同志社大学神学部

著者 : 佐藤優
  • 光文社 (2012年11月17日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (348ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334977245

作品紹介

神学に魅了された同志社大学時代、異才、佐藤優はこうして誕生した。

同志社大学神学部の感想・レビュー・書評

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  • 久しぶりに血沸き肉躍る喜びを覚えた。著者は私にとっては謎の人物だったが、この本を読んで、まさに怪物だと思った。79年に無神論を学ぶために入学し、学生闘争にのめり込む一方で神に出会い、クリスチャンに。そしてチェコのフロマートカ神学を学びたい一心でチェコへ行く最善の道として外務省を目指す。そして突破するまで。これが80年代の日本かと思うような、不思議な時空間を感じて、それこそ明治から昭和初めの日本を見るような非常に懐かしい気持ちになると同時に、この著者の圧倒的な学ぶパワーに吃驚!まだまだ私も勉強しなくては!と刺激を受けた。フロマートカ神学はとにかく一読したい。

  • 作家、佐藤優氏が『自ら拠って立つ』所となったプロテスタント神学。そこに魅了された同志社大学の神学部に在籍時の6年間を綴った思想的自叙伝です。なぜか最近佐藤氏の自叙伝は西村賢太氏を連想します。

    佐藤優氏の作品を追い続けていると、『国家の罠』にいたるまでの道しるべのような気がするのは僕だけでしょうか?ここでは佐藤氏の拠って立つ術であろうキリスト教神学、具体的にはプロテスタント神学の中の『組織神学』彼曰く、「キリスト教が他の宗教と比べて以下に優れているかを相手に説得する神学」というものを大学、大学院時代の6年間に渡って学んでいたことや、すでに東京では下火になっていた学生運動が京都では生き残っていて、彼と『国家の罠』で佐藤氏を支援する会を立ち上げた友人たちが大学側を相手にかなり派手に立ち回っていたことが綴られており、佐藤氏の思想的な自叙伝であるとともに、教授たちのゼミや、同じく神学を志した友人たちとの間で交わされる膨大なまでの神学についての議論や、

    「自分はいかに生きるか?」「将来の自分はどうありたいのか?」という議論も非常に内容が濃く、僕は神学的な知識はまったく持ち合わせていないので、ここで展開されているカール・バルトやヨセフ・ルクル・フロマートカ。さらにはシュライエルマッハーなどの神学者および彼らの学説は「ふーと、そういうものなんだなぁ」虚心坦懐に聞きつつ、彼が生涯のテーマと決めた『受肉論』とフロマートカのいっていた言葉のうち『フィールドはこの世界である』というものが幾度となく繰り返されており、この言葉が佐藤氏の『その後』運命付けたのではないかという気がしてなりません。

    やがて、佐藤氏は外交官の専門職となってチェコスロバキア(当時)に留学しようと思い、外交官の試験を受けるようになります。ここにするされていることはこれから外交官試験を受ける人へのみちするべとなるとともに、彼の行っていた勉強法と、修士論文への取り組みが並行して語られているところも実に興味深かったです。やがて、同志社大学の神学部でであった仲間たちもそれぞれの道を歩むのですが、佐藤氏と指導教授たちとの別れのシーンが本当に印象的で、彼らは教授である前に一人の牧師として彼らに接していたということがよくわかるお話が多く、学生時代にこういう恩師に出会えたということは本当に『幸いなるかな』であるとつくづく思いました。

    僕はここまで『濃ゆい』学生生活を送ったことは正直、ありませんが、ここに書かれている彼らの『群像劇』には少なからず『共感』に近い感情を覚えるのです。

  •  佐藤優が学生時代を回顧する自伝。難解な神学に係る記述を含め、すっと腑に落ちる文才に唸らされる。そして、知的好奇心を強烈に掻き立てられる。

  • 観光客を相手にした居酒屋以外、京都のバーや小料理屋は、誰かの紹介がないと、入りにくい雰囲気になっている。また京都の人は、馴染みに店をむやみやたらに紹介しない。紹介した相手が、店に迷惑をかけるようなことをした場合、紹介者が道義的に責任を負わなければならないからだ。
    人が、人生の進路とか、結婚とか、離婚とか、重大なことを誰かに相談するときは、すでに心の中では、結論を決めている。それを後押しする助言が欲しいので、他人に相談すんだよ
    外務省はカネもたいして持っていないませんし、許認可権もほとんどありません。人材だけが唯一の資産となります。ストレスに対する耐性が弱い人は外交官に向かないので、採用試験の段階で入念にチェックします。

  • 著者は、元外務省の職員で、鈴木宗男との件で逮捕されたことのある人らしい。
    この本を借りたのは、タイトルに惹かれて。
    神学の専門的なことが多く書かれていたけれども、そこは興味がないので斜め読み。
    ただ、当時の(今も続いているかもしれないが)同志社大学神学部の雰囲気を感じさせられる本だった。

  • 佐藤優の青春時代を追体験できる本。

    神学館2階の図書館の隣にあった「アザーワールド」神学部自治会ボックス
    キエフ酒房 レストランキエフのビルの2階にあった酒場。加藤登紀子の父、幸四郎さんが店主。BGMは「時代遅れの酒場」
    リラ亭 河原町三条下がる2筋目東入る 木村勝次さん経営、死去
    ざっくばらん 丸太町東大路のジャズ居酒屋
    私学会館隣のビルにある高級中華料理屋
    居酒屋はやし 新町今出川
    佐藤優の下宿 丸太町東大路

    チェコの神学者、フロマートカについてP226
    「キリスト教徒が活動するフィールドはこの世界である」
    「イエスは常に貧しい人々と共にいた。イエスは他人と苦悩を共有した」
    「キリストを信じることが救済なのだということを、社会主義社会の中で伝えて行くことが神学者の使命だと考えた」「この対話をキリスト教神学者は命がけで行わなくてはならない。そのためには神学者が本来やらなくてはならないことを怠っていた点について真摯に自己批判する必要がある」「無神論を脅威とみなして反共十字軍を形成するという発想自体が、キリストの福音からかけ離れていると考えた」「特にプロテスタンティズムが資本主義社会の矛盾と真剣に取り組み、労働者の境遇を改善する努力をしていれば、マルクス主義の力がこれほど大きくならなかった」

    シュペネマン教授が佐藤が外交官試験に合格したのを聞いた時の言葉
    「自分の能力を他者のために使う、そのことだけは忘れないで社会で生きてほしいと私は希望します」

  • 著者が同志社神学部で経験してきた思想的遍歴、そして外務省に入省するまでの歩みが描かれている。一種の自伝でありながら、彼が関心を持ったチェコの神学者、フロマートカの神学の紹介にもなっている。

    著者が、東ドイツ留学の道を蹴ってチェコに固執したくだりが特に興味深かった。

    東ドイツの神学は、ルター派の二王国論で、信仰を内面の事柄に押し込め、(共産主義体制下に置かれているという)政治・社会の具体的問題に背を向けていた。それに対しチェコの神学には、マルクス主義が西洋のキリスト教に対する根源的な批判があるという。隠れた無神論ではないのか、と。

    私自身、もともと、キリスト教と社会とのかかわりに関心を持ってきた。また、チェコの神学校で学ぶ機会も与えられた。しかし、著者のように真剣にチェコの神学を学ぶことはなかった。そのことが悔やまれる。

  • 神学議論が消化しきれなかった。

  • 紀伊國屋書店新宿本店に
    本日(2015年02月18日)購入に参ります。
    プレゼント用。
    (2015年02月18日)

  • 神学の可能性を信じる、神学を勉強していて面白いと思う。それにもっと知りたいと思うんだ。とにかくキリスト教が優遇されている国ではなく、圧迫を受けている国で神学を弁公したい。異本でキリスト教は吹けば飛ぶような存在だ。日本の神学は、キリスト教徒の生き死にについて、役立たない。但し神学が役立った時代もある。

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