利他主義と宗教

著者 : 稲場圭信
  • 弘文堂 (2011年11月28日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784335160677

利他主義と宗教の感想・レビュー・書評

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  • 和図書 161/I51
    資料ID 2011105140

  •  fb友達の推薦。人から推薦される本ははずれがすくない。

     この本は、宗教団体が東日本大震災の復旧活動に活躍した話と、そもそも宗教団体横断的に利他主義がどう位置づけられ、意識され、活動しているかを分析した話の二本だて。

    なるほどと思った点と、勉強になった点。

    (1)私たちの中にある、苦難にある人へ寄せる思い、共感だ。あらゆる縁が弱まった社会に、今「無自覚の宗教性」に基づいた「共感縁」が生まれたのだ。(p203)

     やはり、3.11以降、意識が変わりましたよね。この意識を今度はわすれないように、被災地はまだまだ苦しんでいるので、わすれないことが大事と思います。

    (2)もちろん、青少年をあたたかく見守る中高年も多いが、社会全体をみると若者へ差し伸べられるあたたかい手、それが減っているのではないか。(p205)

     次ぎの世代に善い経済社会、いい共同体を残すという意識、自分では中年になって強く感じのですが、やはり減っているのでしょうか。

    (3)イギリスは、古くから団体結社の自由を認めていることから、宗教団体も他の団体と同じ、チャリティ法で規律しているのに対して、フランスは結社の自由を厳しく規制した歴史があることから、宗教団体は他の団体とは別のアソシオン法をもつ。アメリカは、世俗化している英仏と違い、教会に国民の4割がかよい、そして宗教団体を母体とした社会貢献活動が7000万人以上を支援し、その額は年間2兆円を超える。(p145)

     ちょっと、簡単にまとめすぎたが、学術的にもキリスト教社会といわれる英米仏で、歴史的経緯、世俗化の状況の違いなどから、宗教団体の社会貢献の状況が違うのは、おもしろいと思った。

     自分は、統一教会とかが大学に盛んに勧誘していた時代、某有力宗教団体の信者の友人に下宿に押しかけられた経験をもつ大学生活を送ったので、どうしても、宗教団体にはしりごみをしてしまう。

     その誤解を説く意味でも有意義な本であった。

     あと、この本のカバーする範囲ではないが、原発の安定化のような通常の国民には手のだせない分野の災害について、国民が「原発の収めてください」と祈ることも、うまく説明できないが大事だと思う。自分は原発それ自体にはそれしかできないが、いつも、仏壇で朝晩原発の沈静化を祈っています。

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