クラウド情報管理の法律実務

著者 :
  • 弘文堂
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本棚登録 : 27
レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (340ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784335356810

作品紹介・あらすじ

業務へのクラウド導入・利用にあたって必須の法務知識を明快に整理!

 今やクラウドコンピューティングは多くの企業に普及し、有効に利活用されている一方で、クラウドという技術の特殊性に起因する新たな情報セキュリティ上のリスクが生じています。情報セキュリティ上のリスクの典型である情報漏えいや情報消失といった問題についても、その予防や解決にあたっては従前の考え方をそのまま適用するだけでは不十分であり、法律実務家や企業の法務担当者を悩ませています。
 本書は、企業におけるクラウドの導入・利用という場面を想定し、そこに生じる様々なリスクと、それらに対応するために必要な法務知識を「情報管理」の観点からわかりやすく整理、解説するものです。情報管理のための社内体制構築から、クラウドサービス契約の締結におけるチェックポイントや契約書雛形の解説、そしてクラウド情報管理にとって重要な個人情報の扱いや知的財産をめぐる問題、さらには訴訟を念頭に置いた紛争解決の要点まで、クラウドにまつわる法務問題を幅広くカバー。また、クラウドに関する裁判例についてはもれなく渉猟しているほか、クラウドに応用可能と考えられる既存分野の裁判例をも多数収録、未知の問題に対処し実務を切り拓いてくための指針となる、決定版です。

感想・レビュー・書評

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  • クラウドサービスの利用が当たり前になった現在、情報管理を念頭においた上でで法律上のリスクを押さえておくことが重要です。
    その意味でも、クラウドはもはやIT部門だけにまかせておけば済む領域ではなく法務部門も主体的に関わっていくことが事業継続上も重要な意味を持ってきます。

    本書では、総論として、クラウドの定義、リスクマネジメント、情報管理体制および情報セキュリティの基本についての解説があります。
    その後、各論として、クラウド契約特有の特徴、クラウド契約に関わる法制度、そして関連する法制度の紹介と続きます。
    クラウドにまつわる法制度としては、個人情報保護法、不正競争防止法、マイナンバー法、そして知的財産関連の法制度が取り上げられています。

    後半部分は有事対応として、クラウドを利用する上でのトラブル、危機管理、紛争解決に関する基本的な手続きや注意事項について、実際の判例を交えた解説があり、実務上も非常に有益な内容となっています。

  • クラウドサービスを活用することでシステム開発、運用管理ははるかに簡単になった。一方で、情報管理の観点から言えば、ユーザー企業内で管理していたものをクラウドベンダーに委ねることになり、セキュリティリスクを負うことになる。判例によると、セキュリティインシデントについてユーザー企業側が一定の責任を避けられないとしている。セキュリティのポイントとしては、コスト、利便性、安全性のバランスをリスクの大きさごとに考え、対策を講じる必要がある。クラウドサービスの法的性質は売買契約であるとの判決が出ている。実務的にはサービス提供が本質であることから、著者はこの判決をあまり参考にならないと見ている。法的性質上、売買契約、請負契約、賃貸借契約、寄託契約、準委任契約のどれにも属さず、解釈が難しい。本書中盤以降では、契約の雛形を提供し、明記すべき内容を細かく解説している。

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著者プロフィール

桃尾・松尾・難波法律事務所パートナー弁護士・NY州弁護士、慶應義塾大学講師(非常勤)、中央大学講師(非常勤・後期担当)

「2019年 『法学入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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