〈犯罪大国アメリカ〉のいま 分断する社会と銃・薬物・移民

  • 弘文堂 (2021年3月22日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (252ページ) / ISBN・EAN: 9784335460425

作品紹介・あらすじ

「分断」から/を読み解く、「犯罪大国」のリアル

 1970年代のニューヨーク市地下鉄の無法状態が象徴するように、世界一の先進国でありながら「犯罪」のイメージが根強くつきまとうアメリカ。しかしその「犯罪大国」ぶりをつぶさに見てみると、単なる殺人や強盗といったものだけではなく、頻発する銃乱射事件や人種問題、薬物問題、不法移民など、深刻な社会問題や左右を分断する政治的イシューが絡み合ったものが少なくなく、その実態は単純・一様ではありません。また、近年におけるアメリカの犯罪政策は大きく変容しているところ、それが政治的分断によってもたらされていることはもちろん、犯罪政策をめぐる党派的対立がアメリカ社会の政治的分断の原因ともなっているなど、「犯罪」は現代アメリカの「分断」を読み解くカギにもなっています。
 本書は、現代アメリカの犯罪政策と深くかかわる割れ窓理論、銃規制、麻薬取り締まり、不法移民、聖域都市といったトピックを取り上げて政治学の観点からーーたとえば連邦制や政党政治との関係でーー論じることで、アメリカの犯罪問題のみならず、アメリカの政党政治や社会の特徴に関する理解も深まる一冊です。

感想・レビュー・書評

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  •  近年の米では犯罪対策強化の傾向へ。元々、連邦・州政府は厳罰化を、より地域に近い地方政府は予防やケア、社会復帰を重視する傾向があった。その中で連邦政府の権限拡大や連邦・州政府の保守派主導があり、また地方レベルでも変化が起こる。
     犯罪対策が二大政党を分ける争点の1つとのことだが、厳罰化や「法と秩序」は保守派・共和党の専売特許でもなく、60年代の社会運動では犯罪被害者の権利擁護と加害者支援が結びつく。またクリントン政権や以前のバイデンのように、民主党が犯罪対策に力を入れることもある。
     警察の取り締まりには構造的な人種差別の問題が伴っているのは事実。警察官が晒される危険、警察官のカルチャー、ある意味合理的な人種的プロファイリングといった背景があり、個々の警察官の人種差別的意図というよりも制度的なもの。警察予算剥奪という主張は過激過ぎるにせよ、警察改革の問題は米政治社会の分断状況を色濃く反映。

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著者プロフィール

成蹊大学法学部教授。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了、博士(法学)。主要著作:『<犯罪大国アメリカ>のいま―分断する社会と銃・薬物・移民』(弘文堂、2021年)、『アメリカ政治入門』(東京大学出版会、2018年)、『アメリカ型福祉国家と都市政治―ニューヨーク市におけるアーバン・リベラリズムの展開』(東京大学出版会、2008年)ほか。

「2024年 『混迷のアメリカを読みとく10の論点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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