リベンジポルノ 性を拡散される若者たち

  • 弘文堂 (2015年11月18日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (216ページ) / ISBN・EAN: 9784335551758

作品紹介・あらすじ

「撮らせたあなたが悪い」、その無理解が、リベンジポルノの被害を拡大させている!

相手の性的な画像や動画を、本人の同意なしに公開・拡散する行為のことを「リベンジポルノ」と呼び、2013年に東京都三鷹市で発生した女子高生殺害事件を機に、社会問題化しました。「性」を拡散されるリベンジポルノの被害者が受けるダメージは甚大であるにもかかわらず、責められるのはなぜか被害者。
リベンジポルノの被害にあってしまった当事者や被害者支援に取り組む実践者たちの生の声をもとに、リベンジポルノをめぐる現状にせまり、その予防策・打開策を探ります。
リベンジポルノが増殖する社会に、私たちはどう向き合えばいいのか。被害者、保護者、警察関係者、先生はじめ教育関係者、メディア関係者など、必読の一冊。

感想・レビュー・書評

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  • 2014年、私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律、いわゆるリベンジポルノ防止法が施行された。

    2013年に三鷹で起こった女子高生殺害事件で、無防備な画像が拡散されて大問題になったことは記憶に新しい。

    この本は、三鷹の事件のように恋愛関係のトラブルから画像が流失する例や、撮影会などのJKビジネス、ネット上で騙されてが自撮りしてしまう例などを紹介していた。
    (リベンジ、という言葉があると被害者と加害者に何らかの関係があるように思えるが、実際には何の面識もない人の恥部などを盗撮して公開しても、この法律で罰せられることになる)

    リベンジポルノよりも、デートDVの記述が多いように思えたけど、それはそれで自分の知らない世界だったので興味深く読めた。
    暴力について特に印象的な部分を引用しておく。

    ”「暴力は、コミュニケーションの1つです。手を上げるだけで、簡単に相手が動いてくれる。こんなに楽な方法はない。家族関係が非常に暴力的であったりすると、暴力以外のコミュニケーションを習得する機会が奪われます。上下関係しか知らずに生きてくると、暴力で相手を支配する形での人間関係を、当たり前と思ってしまうことがあります」(P99から引用)”

    デートDVについてはすごく勉強になったけど、もう少しリベンジポルノについても言及する内容ならよかったな。

  • 国立女性教育会館 女性教育情報センターOPACへ→https://winet2.nwec.go.jp/bunken/opac_link/bibid/BB11349986

  • 本人の了承なく第三者に公開する方が悪い。
    だが何故撮らせるのかと思ってしまうし、実際に言われるのだろう。
    被害者が責められていると思ってしまえば誰にも言えなくなってしまう。
    親や学校に知られたくないとも思うだろう。

    写真や動画を当たり前のように撮り、ネットに顔や名前を出すことに抵抗感がない人が増える昨今、性的な画像だけでなくただの顔写真でも意図せぬ場所に流用されることがある。
    お金や承認欲求のために自ら晒す人もいれば、犯罪に巻き込まれた結果の人もいる。

    だが圧倒的に多いのは、相手が好きだから要望に答えたい、断れない、相手を信頼しているから拡散されるはずはない、と思う普通の人たちだ。
    怖いのは、どこで使われているか本人が把握できない場合がほとんどというところ。

    撮影の危険、被害に遭った場合の相談先、支援する人々。
    支援の中には漫画などで若者たちがよく使うツールでふれられるようにもしているらしい。
    これは若者にこそ知っていて欲しい内容だ。

  • 仁藤さんが、でまくっててそれに教わってる感じで もう仁藤さんが書けばいいのにってかんじだった 内容もあさげなきがする

  • リベンジポルノがなぜ若い世代で起きるのか、根本的な解決方法についてインタビューや考察を記した本。

    リベンジポルノ、デートDVという単語を知っていても正しく認識できてない、自分がやってることがそうだと認識できてないこと。

    なんで撮らせたの?という被害者を責める風潮は良くない。彼らにとって写真をとるのは当たり前であり、共有されないという前提で合意して撮っているから加害者が悪い。



    リスク回避は根本的な性教育でしか解決できないことをしさしたほんでした。

  • 「現像」という作業がなくなり、心理的なハードルが下がったのが最大の原因と感じた。

  • まあ、たしかに親しい仲ならば
    おもわず撮ってしまうかもしれない。
    それが、親しさのバロメーター。
    でもねえ・・・。

  • 被害者側を責める傾向の指摘・批判はとても意義があるように感じた。拡散する側に非があることは冷静に考えればあたりまえのことだが、本書の被害者側の視点の探求という姿勢から、被害者の提供の動機や理由が理解できないことに由来するそのような傾向になってしまっていることの反省ができた。ただし対策論が結局男性(加害者)批判、現状の性風紀(性産業・メディア等)批判に終わっている感じがあり実効性に疑問が残った。

  • SNSに自分の裸の写真を送る。恋愛中はいいが、喧嘩別れなどした時にその裸がSNSに流される。リベンジとは復讐という意味である。彼氏が彼女が別離の苦しみに耐え切れず復讐をする。その道具として裸の写真が利用される。裸の写真を撮らしたり送ったりする方も悪いといえるが、現代の環境では誰もが加害者になり被害者になる可能性がある。
    法的な制度が必要だとぼくも思う。

  • 被害者を出さない対策がない。
    日本は幸せな国なのだろうか。

  • ネット社会、性、若者の掛け合わせとしての問題とみると、リベンジポルノもデートDVもスクールカーストとかも通底する課題は他者との関係性。前提が違うので比較はできないのかもしれないけど、これ以前はどんなけ一人ひとりが相互に受容されてきたんだろうか。ゼッタイテキナカゾクの受容には戻らずに、ナナメの関係性で全てが受容され生きやすくなる社会がこれからのあり様なのか。良本。

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著者プロフィール

渡辺 真由子(わたなべ まゆこ)
1975年生まれ. 2013年慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科後期博士課程単位取得後退学/博士(政策・メディア). 現在:星磋大学大学院客員教授. 主著:『リベンジポルノ――性を拡散される若者たち』(2015年, 弘文堂), 『大人が知らない ネットいじめの真実』(2008年, ミネルヴァ書房).

「2018年 『「創作子どもポルノ」と子どもの人権』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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