現代貧乏物語

著者 :
  • 弘文堂
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784335551826

作品紹介・あらすじ

●100年後の続編
河上肇のベストセラー『貧乏物語』(弘文堂刊)から100年。
志を継承し、満を持して「現代の貧困」にいどむ。
格差論のその先を論じる決定版。脱格差社会!

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  • SDGs|目標1 貧困をなくそう|

    【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/67690

  • 世帯所得を家族数の平方根で割ったものを等価所得という。
    これの中央値の半分を貧困線といい、これ未満を貧困層とみなす。

    ジニ係数を比較する場合は、基礎の収入データの種類に注意する。等価所得か、個人か世帯か、当初所得か再分配所得か。

    日本の生活保護基準は預貯金の規制が厳しい。1ヶ月程度のみを認める。そのため、貧困層でも生活保護を受けられない人が多い。
    捕捉率はせいぜい30%程度。
    フランスは90%以上、ドイツは65%。

    地域の貧困率が高いと子どもたちが健康を害しやすい。
    貧困率が10%大きい地域は、平均寿命が0.654年短い。

    近年の経済停滞は格差拡大不況=富裕層は消費性向が低い。

    1980年代に始まった格差拡大を気づかず、無視し、容認し放置したことが最大の過ち。
    経済戦略会議は構造改革で行き過ぎた平等を批判した。
    日本は過度に平等だというのが公式見解になった。

    労働力を商品と考えると再生産のための投下は4時間分の労働で足りる。残りの4時間分は資本家の取り分となる。

    元著の河上の「貧困をなくすには金持ちが贅沢をやめればよい」は評判が悪い。

    格差の縮小が必要である、という合意。
    自己責任論の問題点=原因と結果に因果関係があること。強制的に非正規雇用にあるとしたら自己責任論は成立しない。

    努力と所得が一致しない。
    高度成長期はトリクルダウンが成立していた。

    ロールズの「正義の原理」からすればこれ以上の格差拡大は許されない。

    最低賃金の引き上げ(最低でも1000円=年収180万円)
    ワークシェアリングで非正規が正規化すれば格差は縮小する。

    スティグリッツ「会社の社長が報酬の過多で働くか働かないか、を決めるなら社長失格」

    ベーシックインカムの導入。

  • 361.8||Ha

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著者プロフィール

橋本 健二(はしもと・けんじ):1959年生まれ。早稲田大学人間科学学術院教授。専門、社会学。

「2023年 『階級とは何か』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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