北朝鮮人民の生活 脱北者の手記から読み解く実相

  • 弘文堂 (2017年5月12日発売)
5.00
  • (2)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 33
感想 : 1
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (480ページ) / ISBN・EAN: 9784335561368

作品紹介・あらすじ

 北朝鮮の話題には事欠きませんが、ニュースには現れない「見えない人びと」はいったいどのように暮らしているのでしょうか。その疑問に果敢に挑んだのが50年近く韓国研究に打ち込む文化人類学者。フィールドワークが出来ない北朝鮮で人類学的研究をするために取った方法は、面談を重ねて信頼を築き、脱北者に自らの「北」での経験を綴らせた手記をフィールドノートの代わりにすることでした。手記の数は450編に及びました。その内99編を収録。国際政治で話題に上がる割に内部の状況が分からなかった北朝鮮社会が、社会主義公式体制を維持するために膨大な非公式領域によって支えられている現実が確かな情報に基づいて浮かび上がります。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 複数の脱北者から450篇にもなる手記(北朝鮮での生活の記録)を収集し、そこから北朝鮮における生活を読み解くもの。

    分野が違うので著者について存じ上げなかったが、同氏は韓国社会、特に韓国の農村を中心に人類学研究を行ってきたそうで、同書も極めて専門的な内容となっている。

    これまで数十冊に及ぶ北朝鮮関連の本を読んできたが、こんなにも民衆の生活に密着した内容のものはなかった。
    450ページにも達する同書には、ごく普通の人々がどのように暮らし、どのように国のルールから逸脱しながら市場で生きながらえてきたのか、困難の中でいかにして助け合って結婚式を行い葬儀を出して生活してきたのか、という生々しい「生活の記録」が99編収録されている。

    北朝鮮の強固な思想教育や制度などに注目すれば、その社会の中で暮らす人々はまるでロボットのように国の言いなりになっているように考えてしまう。しかし同書では多くの手記を通して、北朝鮮の人々がそのような制度の下で、いかに生きるための闘争をしているのかをはっきりと見せてくれる。

全1件中 1 - 1件を表示

著者プロフィール

東京大学名誉教授。1943年生まれ。東京大学教養学部卒業。
東京大学教授、琉球大学教授、早稲田大学教授等を歴任。その間、ハーヴァード大学客員研究員、ロンドン大学SOAS上級研究員、韓国ソウル大学招聘教授。
専攻、文化人類学、民俗学。
第11回渋沢賞(1977年度)、大韓民国文化勲章(玉冠、2003年)、第9回樫山純三賞(2014年)。著書『文化人類学で読む 日本の民俗社会』(有斐閣)、『北朝鮮人民の生活―脱北者の手記から読み解く実相』(弘文堂)ほか

「2019年 『日本社会の周縁性』 で使われていた紹介文から引用しています。」

伊藤亜人の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×