完全な真空 (文学の冒険シリーズ)

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感想 : 24
  • Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784336024701

感想・レビュー・書評

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  • 存在しない書物についての書評集、存在しない講演についての講演録。アイデア自体は決して目新しいものではないが、語られる本が多彩ながらいずれも魅力的で素晴らしい。古典作品のパロディがあれば正統派な長編作品があり、ディストピアSFがあればサイエンスの臨界点もある。そして本書の冒頭を飾る書評はスタニスワフ・レムの「完全な真空」。それは本作の導入であり解説であると同時に、この作品もまた存在しない書物のうちの一つなのだという再帰的ユーモアなのだ。無邪気ながらも読み手を突き放さない、しなやかな知性のあり方がとてもいい。

  • 存在しない架空の書物の書評を集めたという実にトリッキー
    な本。1970年というもう半世紀以上前の著作なのだが、
    今でも古さを感じないというのは驚きである。全体として
    知的好奇心をくすぐる大変面白い内容なのだが、その一方で
    「ずるいな」と思ってしまうのも事実。その架空の書物と
    いうものを読みたくなってしまうではないか!(笑)。



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    【要約】


    【ノート】

  • 架空の本の書評集。非常に高いレベルの口から出任せ。科学、哲学、神学、文学に関してかなりディープな論考を展開する糞真面目な顔で諧謔、アイロニー、誇大妄想、その他諸々を溢れさせる。
    今まで読んだ本で得た頼りないないささやかな知識を総動員してなんとかおぼろげに輪郭を掴めたかなという感じです。

  • 架空の本の架空の書評をした本。フィクションの中でフィクションの話をしているわけで、架空の宇宙における話とも言える。書評自体にはレムがこの本を書いた時代への皮肉が含まれていたり、ただ本好きなら一度はやりたいことをやっているようにも見えたり、レム自身が書けなかった本を登場させたりしている。しかしこの本以前の本と異なるのは、全体の書評を通して、「想像すること」をSFの手法で強く述べており、それがメタ的にもこの本を支えている。無茶な話だなー!と思う本や書評もあったが、今の時代になってみると、これはあの作品に似てるなと思うものもいくつかあって面白い。もしかしたら出版当時でもそう思われていたのかもしれないが。

  • 『新しい宇宙創造説』なんかすごく楽しいけど、全体としてみれば、この半分ぐらいの分量でもよかったのではないだろうか。

  • 架空の本の書評ということで面白そう…!と期待していたけど、私の知力が足りず難しかった…(´・_・`)
    面白いことが書いてありそうなのに、疲れて読破できず。。
    架空なのに熱量があるのは伝わったので、また余裕のあるときに読みたいな。

  • 架空の本についての書評集。個人的には難解と感じつつ好きな一冊。書評で扱われている題材は、SFから歴史ものまで様々で、それでもバラエティに富んでいるようで富んでいないよう印象も受けるけど、本についての枠組みを広げるようとする感覚には惹かれた。

  • 架空の書物に対する書評集……という設定の短篇集。
    褒めているんだかけなしているんだか解らない皮肉な書評、文中で語られるあらすじがやけに面白く、誰かこの本に書いてある『架空の書物』を書いてくれないかと思ってしまう。
    一番読みたいのは『親衛隊少将ルイ十六世』。『白痴』も捨てがたいが、荒唐無稽さでこれを推したい。

    レムは一応、SF作家ということになっているが、本作はどちらかというと純文学方面に寄っている気がする。尚、巻末の解説ではボルヘスとの関連を指摘しているので、幻想小説に寄っていると考えることも出来るようだ。

  • 存在しない架空の本16篇への書評集.本職のウソツキだけあって,ソーカル論文より当然ながら格段に面白い.

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著者プロフィール

1921 年、旧ポーランド領ルヴフ(現在ウクライナ領リヴィウ)に生まれる。クラクフのヤギェロン大学で医学を学び、在学中から雑誌に詩や小説を発表し始める。地球外生命体とのコンタクトを描いた三大長篇『エデン』『ソラリス』『インヴィンシブル』のほか、『金星応答なし』『泰平ヨンの航星日記』『宇宙創世記ロボットの旅』など、多くのSF 作品を発表し、SF 作家として高い評価を得る。同時に、サイバネティックスをテーマとした『対話』や、人類の科学技術の未来を論じた『技術大全』、自然科学の理論を適用した経験論的文学論『偶然の哲学』といった理論的大著を発表し、70 年には現代SF の全2 冊の研究書『SF と未来学』を完成。70 年代以降は『完全な真空』『虚数』『挑発』といったメタフィクショナルな作品や文学評論のほか、『泰平ヨンの未来学会議』『泰平ヨンの現場検証』『大失敗』などを発表。小説から離れた最晩年も、独自の視点から科学・文明を分析する批評で健筆をふるい、中欧の小都市からめったに外に出ることなく人類と宇宙の未来を考察し続ける「クラクフの賢人」として知られた。2006 年に死去。

「2021年 『地球の平和』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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