盗まれた手紙 (バベルの図書館 11)

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感想 : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (152ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784336025661

感想・レビュー・書評

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  • ボルヘス監修、バベルの図書館シリーズ。イタリアで刊行された青を貴重とした縦長の装丁で出版されています。
    ボルヘスはポーを「人間エドガー・アラン・ポーのほうが彼の書いたどのページよりも、そしてそのページの総和さえよりも、もっと明確な存在になっている」と述べている。
    そして「北米には、その存在を抜きにしてはこんにちの文学が考えられないか、あるいは少なくとも現状とはかなり違う物になっていただろうと思われる作家が二人いる」として、ホイットマンとポーの名前を上げている。
    ポーは「芸術は知性を働かせるものであり、霊感による天性のものではない」ということを定式化して、後の作家に引き継がれていったということ。


    探偵役オーギュスト・デュパンの推理小説。白昼堂々と持ち主の前で盗まれた手紙。警察は盗んだ者の屋敷と本人の身辺を捜索するがどこにもない。するとデュパンがさらりと鮮やかに解決してみせるのだった。
     /『盗まれた手紙』

    大嵐で沈みかけた船の前に現れた巨大な船。わたしはその船に乗り込んだ。だがこの船の乗組員たちはまるで魂がないかのようだ。そして船は南へ南へと向かい…。
    ==謎と迫りくる恐怖の短編
     /『壜のなかの手紙』

    瀕死の人間に催眠術を掛けたらどうなるのだろう?催眠術は、死の侵入をどこまで留めることができるのか?
    私は瀕死のヴァルドマル氏の了承を得てこの実験を行った。
    「わたしは、眠っている。死ぬところだ」
    だが肉体は完全に死ぬと、恐ろしい言葉た出てくる。
    「わたしは、眠っていた。だがいまは、死んでいるんだ」
    病室がパニックになった。
    わたしは彼を起こすべきなのか、完全に死んでいるのだが催眠術にはかかっている彼を?
     /『ヴァルドマル氏の病床の真相』

    雑踏の中を彷徨う男。彼の後をつけてわかった。彼は群集の中にしかいられない、そこでこそやっと存在する人間なのだ。
     /『群集の人』

    異端審問所で拷問の末、死刑判決が下された男が入れられのは、迫りくる恐怖により自ら苦難の死を選ばざるを得ない落とし穴と振り子の石牢だった。
    ==苦しんで死ぬか、もっと苦しんで死ぬか。肉体の苦しみで死ぬか、精神の苦しみで死ぬか。宗教裁判系はきらいだーーーー
     /『落とし穴と振り子』

  • ボルヘスの「バベルの図書館」シリーズはどの作品をとってみても一筋縄ではいかないものばかりで驚嘆します。ということで久しぶりにエドガー・アラン・ポーを手にしてみました。いやぁ~あまりの面白さに唸ってしまいました。

    序文(ボルヘス)
    「盗まれた手紙」
    「壜のなかの手記」
    「ヴァルドマル氏の病症の真相」
    「群集の人」
    「落とし穴と振子」

    どれも濃厚で力作です。「壜のなかの手記」は、夢なのかうつつなのかわからない、とてもリアルな描写で妖しい……メルヴィルの『幽霊船』のような雰囲気が漂っています。
    「群集の人」は、都会の中の孤独と狂気が取り巻いています。私の好きなポール・オースター『ガラスの街』のような興味深い作品。
    「落とし穴と振子」は、ずばり恐怖! 狭い密室の中で粛々と処刑が進行していきます。しだいに追い詰められていく主人公の描写は壮絶で、カフカ『流刑地にて』に匹敵するホラーぶり……ここまでくると怖いもの見たさで絶対に目が離せないおもしろさ。

    いつも不思議に思うのは、この頃のアメリカの作品、ポー(1809~1849)にしても、ホーソーン(1804~1864)にしてもメルヴィル(1819~1891)にしても、はたまたロビンソン・クルーソーのような森の生活を満喫しているソロー(1817~1862)作品までもが、なんとも形容しがたい気味の悪さや独特の暗さと雰囲気を湛えています。それは深い底なしの憂いのような、禁欲的で鬱屈したようなある種の息苦しさやめまいのようなもので、作品を読んでいる頭の中はいつも鈍色の厚いもやがかかったようになります。でもだからといって面白くないというわけではない、それどころか独特の魅力をそなえた素晴らしい作品群に目が離せなくなってしまうわけです。

    ボルヘスは世界の文学作家から選りすぐった30冊で「バベルの図書館」を創造しています。
    そこには本書のE・A・ポー『盗まれた手紙』のほかにもハーマン・メルヴィル『代書人バートルビー』、ナサニエル・ホーソーン『人面の大岩』もあるようで、その選抜もひどく面妖で興味深いものばかりです。そしてなんといってもポーの魅力を再発見させてくれた、ボルヘスの不思議な図書館に感激です!

  • 金大生のための読書案内で展示していた図書です。
    テーマ :時間がありあまっている(ように思える)人への濫読のすすめ
    小テーマ:洪水の記憶
    選考教員:黒田智先生(人間社会学域-学校教育学類)
    展示時期:平成30年 5月21日~平成30年10月21日 中央図書館で展示
         平成30年10月24日~令和元年 6月 7日 医学図書館で展示
         令和元年 6月10日~令和 2年 1月15日 保健学類図書室で展示
         令和 2年 1月16日~令和 2年 6月18日 自然科学系図書館で展示

    ▼金沢大学附属図書館の所蔵情報
    http://www1.lib.kanazawa-u.ac.jp/recordID/catalog.bib/BN03298447

  • あまりにも有名なデュパンの活躍する、ポーの中編。
    これ、中学生の頃、読んだなぁ~って思った。
    当時のジュブナイル?

  • 第11冊/全30冊

  • 盗まれた手紙(The Purloined Letter, 1845年)
    壜のなかの手記(Ms. Found in a Bottle, 1833年)
    ヴァルドマル氏の病症の真相(The Facts in the Case of Mr.Valdemar, 1845年)
    群集の人(The Man of the Crowd, 1840年)
    落とし穴と振子(The Pit and the Pendulum, 1842年)

  • 「盗まれた手紙」はおもしろい。さすがのトリック。

    坂口安吾がこれをリメイクしているが、そちらはもはやほぼ一緒。

  •  あのエドガー・アラン・ポーの短編集。

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