輝く金字塔 (バベルの図書館 21)

制作 : ホルヘ・ルイス・ボルヘス  南條 竹則 
  • 国書刊行会
3.82
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本棚登録 : 30
レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (170ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784336030412

感想・レビュー・書評

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  • “彼の​自伝の中に​女性に対する関​心が少しも​見えないこと、その代りに​無暗にご馳​走の話が出て、それが​又実にうまそうに​書いてあることなども、​彼の風変りな性​格を示すものだが​、もっと変なのは、ある時期に、​彼が少年時代から​あこがれていた山​の向うのもうひとつの世界、​人間界とは違った​別の世界に遊んだということであ​る。つまり、一種​の狂気に陥ったの​である。”
    (― 江戸​川乱歩「マッケン​の事」)

    ラヴクラフトの文章を仮に読みやすくすっきり仕上げたらアーサー・マッケンになるのかも、と「黒い石印のはなし」を読んで思いました。気を引く導入と徐々に立ち上がる不穏な世界、しかし事象の後に原因が提示されるクリアな読み心地のため、かえって陽のもとで恐怖が色褪せるのを眺めるような、物足りなさと味気なさを覚えたのでした。乱歩が言っていた「実にうまそうに書いてあるご馳走」は今回の短編集には出てこなかったので、他の作品も読んでみます。

    収録作品一覧
    黒い石印のはなし/白い粉薬のはなし/輝く金字塔

  • 異形のものが登場する3つの短篇が収録されている。バベルの図書館シリーズの中では、ストレートでわかりやすいほうだ。そのぶん、読んでいて素直におぞましさを感じるが、具体的すぎて味気ないという一面も。

  • 第21冊/全30冊

  • 英国の作家アーサー・マッケンの作品集『輝く金字塔』を読みました。

    刊行は国書刊行会。

    ・黒い石印のはなし
    ・白い粉薬のはなし
    ・輝く金字塔

    の中編3作を収録しています。


    奇妙な印のついている黒い石を手に入れた、英国人の教授グレッグ氏がたどる運命を女性秘書の視線から描く「黒い石印のはなし」を皮切りに、近所の薬剤師から処方してもらった薬を服用し続ける弟の変化を姉が振り返る「白い粉薬のはなし」。
    表題作の「輝く金字塔」では、シャーロック・ホームズを彷彿とさせる好奇心旺盛な英国紳士が片田舎で起きた事件の謎を追ううちに、信じがたい出来事を目にする――。

    幻想文学の大家マッケンの名に恥じぬ、妖しさと不思議に満ちた物語です。とりとめもない会話を切り口に、徐々に話を進めていくあたりなどは、読む人によってはスピード感が足りないと感じるかもしれませんが、こういった書き方はいかにも英国の古典といった趣で、そのセピアがかった文体は慣れてしまえば、かえって憧憬溢れる世界観を味わうことができるかもしれません。


    本作品集に序文を寄せたホルヘ・ルイス・ボルヘスはこう書いています。

    彼(マッケン)がたんに鬼面人を驚かすことだけをねらってものを書いたことはなかった。彼が驚異を書いたのは、自分が不思議な世界の住人であることを自覚していたからである。〈序文より引用〉


    秘密結社に身を置き、魔術を実際に行ったこともあるマッケンは、
    確かに実際に片足を”そちら側”へ突っ込んでいた面もありました。
    ですがマッケンの真骨頂は、現実世界を描くその情景描写にあると思います。
    特に英国の片田舎にある自然を緻密に書き出すと、読む者の脳裏に風がそよぐ森が浮かぶかのようです。
    それはマッケンが少年時代を過ごしたウェールズの風景です。
    時代や国籍を超えて、読み継がれていく過去の記憶。それこそ、マッケン最大の魔術かもしれません。


    ただ、今回の3作品については、やや抑えが効いていないかな、と感じました。
    あやかしの世界というのは難しいです。書けば書くほど、陳腐になりかねない。個人的には、あえて光を直接的に当てず、読者の想像力に任せるというスタンスが良いのではないかと思うのですが、今回の作品群ではマッケンはいささか書きすぎたといった気も。
    気持ちは分かるんだけどなあ。マッケン、ちょっと暴走気味?

  • オカルト、神秘主義、超自然の傾向が強い作品群。自分はすごく好きでした。人間の知識の及ぶ範囲の外の世界は広大で地上、地下には神秘や恐怖が潜む余地はいくらでもある。
    表紙のイラストが表題作を読んでから見るとネタばれ気味…(イラストの雰囲気は好き)。

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