- Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
- / ISBN・EAN: 9784336032423
感想・レビュー・書評
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なんて艶のある題名だろう。
小さく小さく作られたものが、濃密に煮詰められた甘さを持っていて、けれども味わえるのは、そこからわずかにしたたったひと雫だけ、というような、切なさもあるような、色っぽい題名。
老齢の「おじさま」と、二十歳くらいの外見の「金魚」である「あたい」が、戯れるお話。
全編通して、会話のみ。
会話だから、金魚ちゃんはおじさまのお腹の上で遊んだり、くちづけたり、人間の姿になってお買い物に行ったり、しっぽに入った裂け目をおじさまのつばでちょっと治してもらったり、おじさまがあたいの姿を絵に描いてお金をもらったんだからそれはあたいのものよちょうだいよ、と、かなり我がままだったり。
おじさまの過去の女である幽霊も、度々登場。
しかし、幽霊は金魚ちゃんの前にだけ現れて、金魚ちゃんがおじさまに会わせようと画策しても、毎回うまくいかない。
過去はもういらず、空想の若いかわいい女の子と戯れる、老境の自由。
この金魚シリーズは設定がおもしろく、会話しかそもそもないのですらすらと読めたけれど、他はそこまで引かれるタイプでもなかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
兎に角、金魚が可愛い。
尾籠も淫靡も語りながらそれでも可愛いとは。参りました。 -
普段読みなれない文章だったので読みにくかったです。
可愛いかったと言えばそうでした。金魚がしゃべるなんて素敵ですものね なんというかスイミングスクールの更衣室の臭いがしてきそうな本でした。 -
室井犀星って凄いひとだ。魚をよく見てるんだと思いました。生き物の描写がとても気にいりました
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2021.12.15 図書館
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いれるの忘れてた。これはスペインで読んだのだった。サラマンカの日本語文化センターは驚くほどセンスのよい古典文学がたくさんあって、目移りした中で選んだのがどうしてかこれだったw宿題と遊びで忙しいなか毎日学校帰りに図書館に寄って少しずつ読んだ。全文会話で進行してって(すごいよね)一気に読もうと思えばできるんだけど、少しずつ味わいたい感じ。金魚ちゃんが不思議となまめかしくておかしかった。犀星は詩も好き。「けふはえびのようにかなしい」(だっけな?)とか。
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中学のころに読んで、何が何だかわからなかった。
ただ、金魚の“あたい”が可愛かったって印象。
もう一度、読んでみようかな。