緑色の犯罪(探偵クラブ)

著者 :
  • 国書刊行会
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  • Amazon.co.jp ・本 (339ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784336035615

感想・レビュー・書評

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  • 登場人物のクラシカルな口調が新鮮です。ミステリー原点と言われるだけあって、これまで見たことのないトリックに出会えてこれまた新鮮でした。ここを出発点として今のオールラウンドなミステリーがあるかと思うと、感慨深いです。

  • 『ニッケルの文鎮』
    陸軍の機密に関する研究を行っていた教授の殺害事件。事件当夜教授に元を訪れていた高利貸しの清水の指紋のついた凶器のニッケル製の文鎮。教授の書生・内野、下村の推理。教授の研究を盗みだそうとした古田。巷を騒がす無電小僧を名乗る盗賊。

    『悪戯』
    彼に対して強烈なライヴァル意識を持つ私。将棋の対局中に彼を殺害してしまった私。別に友人と将棋をしようとした時に消えていた二つの駒。死体が駒を握っていると考えた私。

    『惣太の経験』
    ある洋館に忍び込んだ惣太。そこで目撃した密会。男が女に渡したプレゼントの指輪。男を眠らした女。屋敷の前で出会った男の妻と名乗る女。銀行の金に手をつけた男。

    『原稿料の袋』
    探偵小説家・土井江南の体験。酔って浅草をうろついていた彼が誘われた家で目撃した女の殺人。脱獄犯・由利鎌五郎の復讐。鎌五郎が渡した凶器のナイフ。彼を助ける怪盗の葛城。江南の原稿料の袋に隠された秘密。

    『ニウルンベルクの名画』
    松坂がドイツから持ち帰った名画。その名画を気に入った老公爵に渡すことになった夜に盗まれた名画。執事の証言。殺害された執事の息子。彼にとらえられていた米田。手塚弁護士の登場。ベルリンの文字に隠された秘密。

    『緑色の犯罪』
    3年前に殺人容疑容疑で逮捕された香坂。ある夜紳士に誘われた入った家。翌朝死んでいた紳士。紳士の正体は緑色を愛する鳥沢。鳥沢の緑林荘で起きた穴山殺害事件。緑一色に染められた屋敷。赤の配線に引っかかり感電した穴山。鳥沢が仕掛けた緑と赤の罠。

    『妖光殺人事件』
    自宅で脇田博士を殺害された八木万助。万助と脇田博士に接点は無いが妻との不倫現場をテレビで見たと証言する万助。脇田博士の家で起きた夫人の殺人事件。夫人と脇田博士ほ弟子横林博士の不倫疑惑。脇田博士のしかけた罠。

    『発声フィルム』
    妻と弟子の不倫を疑った井川博士。会話を写し取るフィルムを発明し浮気の証拠をつかもうとした井川博士。発明を利用した殺人を企む井川博士。

    『誰が裁いたか』
    20年前に不審なしを遂げた滝村清一郎、その10年後に再び謎のしを遂げた清一郎の妻。親戚の塩見を疑い復讐の機会を狙う滝村。

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著者プロフィール

1893年、滋賀県生まれ。本名・春田能為。1918年、東京帝大工学部化学科を卒業後、農商務省臨時窒素研究所技手となる。23年に雑誌『新趣味』の懸賞応募作「真珠塔の秘密」でデビューを果たし、以降、「琥珀のパイプ」(24)や「ニッケルの文鎮」(26)など理化学トリックを使った作品を数多く発表する。28年に窒素研究所技師を退任して専業作家となり、様々な分野へ創作活動の幅を広げていき、32年に新潮社の「新作探偵小説全集」へ書下ろした長編『姿なき怪盗』は代表作となった。33年から35年まで文藝家協会理事を、42年から44年にかけて日本文学報国会事務局総務部長を務める。44年10月から日本少国民文化協会事務局長に就任。1945年、公務で訪れた九州からの帰都途中、急性肺炎のため岡山県内の病院で死去。

「2020年 『甲賀三郎探偵小説選 Ⅳ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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