人工心臓(探偵クラブ)

著者 :
  • 国書刊行会
3.50
  • (0)
  • (3)
  • (3)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 28
感想 : 4
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (330ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784336035646

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 医学者・作家・翻訳家であった
    小酒井不木(1890-1929)の主要作品集。
    苗字の読み方が媒体によって「こさかい」だったり
    「こざかい」だったりとバラついているが、
    この本のカバー折り返しの作者紹介には
    Kozakai Fuboku と表記されている。
    内容は『新青年』他、
    雑誌掲載短編と探偵小説を巡るエッセイ。
    表題作は死亡直後の人間を蘇生させる「人工心臓」を製作し
    実験する医師の話。
    1920年代という、
    モダニズム&エログロナンセンスの時代に、
    血清学の権威が自ら病魔に脅かされつつ綴った、
    宿命的に血の匂いを含んだ作品に、しばし陶然。
    高解像度のイメージを浮かび上がらせる
    冷ややかで端正な文体が耽美でエロティック。
    それでいて黒いユーモアも忘れていないところが素敵。
    ついでながら、
    山田章博氏の装画も内容に相応しく麗しい。

  • ミステリーだけではないいわゆる作品評論もあります。
    でも謎解き作品がスパイスが効いているというか
    おっかないどす黒い感情を抱かせてくれるのは
    取っても印象的でした。

    復讐劇や、スットコドッコイな作品にその強みは
    現れていて特に宝石窃盗団の破滅劇(!)を描いた
    「稀有の犯罪」はちゃんと悪は滅びるを
    地で行く名作だと思いました。

  • 本業は医学博士の作者が、大正~昭和初期に発表した短編集。
    殺人事件の容疑者を自白させるために、目の前で殺した死体を解剖するなど、無茶な話が満載。

  • 名古屋などを舞台とした作品です。

全4件中 1 - 4件を表示

著者プロフィール

推理小説作家。東京大学医学部卒、医学博士。1890-1929.医学的・心理学的知見を駆使した作風で屹立。代表作に、「痴人の復讐」「恋愛曲線」「闘争」など。

「2017年 『疑問の黒枠』 で使われていた紹介文から引用しています。」

小酒井不木の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
大下 宇陀児
宮部みゆき
アンナ カヴァン
ウンベルト エー...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×