不滅の物語 (文学の冒険シリーズ)

  • 国書刊行会 (1995年1月1日発売)
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本 ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784336035905

感想・レビュー・書評

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  • 最近、組織開発とか、心理学とか、論語とか、短歌とか、夏目漱石とか、あるいは、宇宙論とか、複雑系とか、そういう本ばかり(ばかりというほどジャンルが限定されてはないが)読んでいて、ちょっと飽きてきた。

    ので、違う刺激を求めて、海外文学でも読んでみるかと思い、昔、好きだったアイザック・ディネーセンを読んでみる。

    この本は、短編集「冬物語」「最後の物語」「運命奇譚」から7つの短編をピックアップしたもの。

    帯に「切なく甘い愛の寓話:若き作家、老実業家、プリマドンナ、美しき貴婦人・・・。静謐な時間の流れに潜む狂気を描く7つの不思議な短編」とある。

    こういうのって、・・・なことが多いけど、まさにそうとしか表現できないものがあるね〜。

    とても残酷な物語を、やさしく愛おしく語る、で、結末を読者の想像に委ねて、絶妙の余韻を残すストーリーテラーとしての洗練された技を感じます。

    もうちょっと、他のディネーセンものを読んでみるか。

    ちなみに、この人は、デンマーク語と英語の2つで本を書いていて、デンマーク語のときの著者名は、本名のkaren Blixen、英語ではペンネームのIsak Dinesenとなっている。これが、日本語では、カレン・ブリクセン、カーレン・ブリクセン、アイザック・ディネーセン、イサク・ディネセン、イサク・ディーネセンなど、いろいろな表記があって、なかなか本を検索しにくくなっている。

    最近まで、こんな本が出ていたのか〜、と知らなかったものがあったり、本によっては、2つの訳書があるものもある。

    既に訳されているものの違う訳を出すより、まずは、全作品を翻訳してくれ〜、と思うのであった。

  • 40歳過ぎてからデビューしたデンマークの女性作家。ヨーロッパの主流文学の周縁に位置付けても読める。名門に生まれながら、アフリカに渡り、夫に梅毒をうつされ、夫が去ったあとも一人でアラフォーまでコーヒー農園を経営。また、デンマーク語で小説を書いても売れる見込みが少なかったから、英語で書くという、二重言語作家。作家としてとても幸運な境遇、人生のコンテンツ。まさしく、ヘミングウェイなどよりもノーベル文学賞にふさわしい。でも、世の中は最大公約数の方を選ぶらしい。ミスター・クレイが支配するこの世界では。

  • デンマークの作家さんです。「バベットの晩餐会」「アフリカの日々」の原作者です。

    デンマークって寒いんだろうーな・・・だからこんなに過酷な状況を思いつくんだろうーな・・・アンデルセンも結構残酷なのあったしな・・・

    特に秀逸だったのは「満月の夜に」。ラストシーンがまあ鮮やか。レナートやアイテルのように潔くなれるか、自分。

  • デンマークの女流作家の7つのゴシック・ストーリー。物語の全てのイメージが自分に静かに流れ込んでくる快感。この作家の作品をいつか全て読み尽くしたいです。

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著者プロフィール

1885年デンマーク生まれ。本名カレン・ブリクセン。1914年にアフリカに渡り17年間農園を経営する。帰国後、本書のほか、『七つのゴシック物語』『バベットの晩餐会』など、物語性豊かな名作を遺した。

「2018年 『アフリカの日々』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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