- Amazon.co.jp ・本 (354ページ)
- / ISBN・EAN: 9784336036728
作品紹介・あらすじ
探偵作家ジョン・ヒルヤードの邸で作家たちを集めて行われた殺人劇の最中、被害者役の人物が本物の死体となって発見された。殺されたのは放蕩な生活で知られる名うてのプレイボーイ、パーティには彼の死を願う人物がそろっていた。事件の状況から窮地に立たされたピンカートン氏は、その嫌疑をはらすため友人の探偵シェリンガムに助けを求めた。錯綜する証言と二発の銃声の謎、二転三転する論証の末にシェリンガムがたどりついた驚くべき真相とは。緻密な論理性、巧みな人物描写とブロットの妙。本格ミステリの可能性を追求しつづけたバークリーの黄金時代を代表する傑作。
感想・レビュー・書評
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2024.04.19 図書館
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(編集ノート)バークリーは素晴らしく頭のいい作家で、『最後の一撃』のなかで若き日のエラリイが、侮りがたい同業者の作品として (刊行されたばかりの)『毒入りチョコレート事件』を読んでいるのも、あながち社交辞令ではないはずだ。ただ、クイーンとは違って、バークリーのミステリには笑いがある。探偵小説が「死を笑え」という精神によるものならば、バークリーはその「探偵小説」もまた笑われるべきだと考えていたふしがある。イーヴリン・ウォーやオルダス・ハックスリーの小説を横に置くと、その雅な喜劇性がはっきりするように思うのだが。
ともあれ、この『第二の銃声』新訳の反響が《世界探偵小説全集》という企画を決定づけたことは間違いない。90年代のクラシックミステリ・リヴァイヴァルの契機にもなった一冊。2011年に創元推理文庫で再刊。 -
ロジャー・シェリンガム・シリーズ。
バークリー作品を読むのは五作目。
五作目ともなると、身構えてしまって、純粋な気持ちで物語を楽しめなかったのは残念。
ロジャーの大ファンからすると、ロジャーが登場しない前半も物足りない。
それでも二転三転…四転五転六転くらい様相を変える物語は魅力に溢れる。
「探偵小説はもっと洗練されなくてはならないのだ」と書かれる序文も熱い。
永く読み継がれるべき名作というのは間違いないはず。 -
1930年に書かれて、恐らく1994年の翻訳。とてもそんな昔に書かれたとは思わない。。と思ったものの、翻訳が最近という事で現代風に訳したのかも。てか今の日本人が読むなら今どきに訳してくれた方がありがたいよなぁ。そうすると情緒が薄れるとかあるんかな。
まぁそれはさておき登場人物の印象が目まぐるしく変わりまくって、そりゃ作者の意図なんだろうけど、これが最後の最後まで惹きつけられる理由かも。
というかここに描かれるイングランドの昔って今よりずっと結婚とかに対してオープンというか、ちゃちゃっとやるというか。それが良いかどうか分からないけど、今の日本はものすごく結婚が重いものになってしまっていて、それもそれでどうなんかなーとか思った。あんま本作と関係ない話だった。 -
どんでん返しも多いし、すごく楽しめた。
傑作としか言いようがない。さすがバークリー。 -
2013/4/12購入
2013/12/16読了 -
イギリス(だったか)郊外の家、お上品を気取る登場人物、
ひとつの殺人を巡るミステリ。
「つまらないー」と読んで、
最後の最後の最後の最後でとても面白く感じました。
手法も趣向も古典的だけれど、
転換は鮮やかというより他なかったです。 -
探偵作家の邸で作家達を集めて行われた殺人劇の最中、被害者役の人物が本物の死体となって発見されます。
殺されたのは放蕩な生活で知られる名うてのプレイボーイで、パーティには彼の死を願う人物が揃っていました。
事件の状況から窮地に立たされたピンカートン氏は友人の探偵シェリンガムに助けを求めます。
二転三転する論証の末にシェリンガムがたどりついた驚くべき真相はまたもやな真相です。
巧みな人物描写とプロットが素晴らしい本書は黄金時代の傑作です。