花物語 上巻 新装版

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  • 国書刊行会
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  • Amazon.co.jp ・本 (343ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784336036902

感想・レビュー・書評

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  • 面白かったです。
    吉屋信子さんの切ないお話と、中原淳一さんの少女画がとてもうっとりと素敵。
    少女の設定が似ているお話もありました。
    少女が少女や女性に憧れる…というお話が、こんなに切なくて美しいとは。時代背景や言葉遣いも古めかしくて良いです。
    「フリージア」「白百合」「三色菫」が好きでした。

  • 中原淳一の画が、大正っぽい

  • 花にまつわる美しい短編集。
    女学校に通う生徒たちの話が多いです。

    この頃の洋服や街並みや言葉遣いがとっても好きだなぁ。
    今では廃れてしまったのが残念だけれど、所謂「お嬢様言葉」ってとても綺麗だと思う。「~じゃなくて?」とか言われると「おお~」って感心しちゃいますね。

    この本はいわゆる百合本として挙げられることも多いけれど、それはちょっとした邪推だと思います。

    美しいんだから、いいじゃないか。

    あと、この時代の憧れの国ってフランスとかじゃなくて伊太利なのね。イタリアじゃなくて伊太利。
    ここ重要。

  • 花にちなんだ女の子の話の短編集になっています。
    ミッションスクールの乙女文化が魅力的に描かれているので、
    読むと「金城生でよかった」と思える本ですよ!
    女子校を舞台とした女の子同士の友情が煌びやかに書かれていて、さらに明治から大正にかけてのレトロな雰囲気満載であるので、是非金城生に読んでもらいたいです。

    【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
    https://opc.kinjo-u.ac.jp/

  • 昭和51年発行の古書にて読了。

  • 鬱金桜とかの学園物の小話がとくによかった。あとファッションの描写がかわいい。袴とか髪型とか

  • 図書館より。

    前に一度、途中でギヴ・アップしてしまったので、再挑戦なう。
    吉屋氏の少女小説の類は、古典類と同じく、心に余裕のあるときに、静かな場所でゆっくりとページを繰るのがふさわしい。
    かぐわしい美文調は、混み合うバスの中や寒風吹きすさぶ屋外で震えながら読むよりも、お気にいりの喫茶店で甘い珈琲をゆっくり飲みながら、あるいはおうちであったかくしてクラシックをかけながら、というシチュエーションがしっくりくる。。

    花の名を冠した小品が、源氏物語と同じく54帖あるということだ。

    本作・上巻で一番すきなのは「あやめ」。
    駅のホームで雨に降られた女の子が、名前も知らない通りすがりのうつくしい乙女に傘をさしかけてもらって、「お持ちになって」と手渡されるだけの話。それだけなんだけど、雨の日の幻かと思うようなきれいな文章にうっとりする。

    胸のなかがきれいなものでいっぱいになる心地がする。
    どれも、恋愛というよりは、きれいな上級生や女学校の先生、お稽古のお師匠さん、通りすがりの御令嬢などの、優しく慈しみある目線やしぐさや心遣いに触れたとき、思わず「ほぅ…」とため息がもれてしまうような、女性らしい心のほんの一瞬の動きを雅々しい美文で綴ったもの。
    最近、がさつで人の心の機微やゆったりした他人への寛容といった気持ちを忘れがちになっていた自分のぎすぎすした心持に、そっと花の香りの甘い潤滑油を流されたような夢見る気持ちになった。
     

  • 本棚にあるだけで幸せ気分

  • いつの時代も変わらない。少女は強かで我儘で、清らかに苦い。

  • 昭和十年代、「少女の友」に連載された、少女と少女の美しくも儚くあわれな青春を、流麗で雅やかな筆致で描き出した吉屋信子の傑作の上巻。
    と、大げさに書いたつもりですがこれは本当。すごいですよ、寂聴さん読んだ時もまるで王朝文学の女流作家が現代によみがえったみたいだワァと思ったけど、吉屋信子はガチでそのまま生きてきたかのようです。どの文章をとってもいちいちふつくしい。とても勉強になります。
    そして少女同士の、いわゆる百合的な関係が綴られるわけですが、ちっともいやらしくなくてとてもピュアなのです。甘いし美しいし、だけれどそう麗しい最後が多いわけでなく、悲しい結末も多々あって、その辺り時代の陰というか隷属的な存在であった女性の儚さを萌芽をみるようでしたね。
    一番好き・印象に残って泣きそうにもなったのは「三色菫」です。「紅梅・白梅」も「フリージア」「福寿草」もいいな。話数が結構膨大なので、ひとつひとつ覚えておくのが大変です。好きな話だけ出来るだけちゃんと覚えておこう…

    で、この厚さであと二冊も続く…た、耐えられるかしら私。

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著者プロフィール

1896年、新潟市生まれ。52年「鬼火」で女流文学賞、67年菊池寛賞を受賞。『花物語』『安宅家の人々』『徳川の夫人たち』『女人平家』『自伝的女流文壇史』など、幅広いジャンルで活躍した。著書多数。73年逝去。

「2023年 『返らぬ日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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