名医ポポタムの話―ショヴォー氏とルノー君のお話集

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  • Amazon.co.jp ・本 (233ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784336037770

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  • ショヴォー氏の話、訳は福音館と同じ出口裕弘(この本は、福音館の5冊から、10篇を選んで編んだという本)、絵は本家のショヴォー氏にかわって、土橋とし子。こないだ福音館の5冊を読んだところではあるが、またまた読んで、またまたニヤニヤとしてしまう。巻頭の「ヘビの子の話」も、表題作の「名医ポポタムの話」も。

    土橋とし子の絵も、これはまたおかしい(私はこの人の絵がけっこうスキで、むかし買った本もいくつかある)。「動物園へ行く」では、"ルノー君とわたしは、動物園へ出かけた"とキャプションのついた土橋の絵が入っているが、その親子の姿は、めちゃめちゃニッポンのおっさんとコドモ風。

    「訳者あとがき」によると、「日本では、戦前から、少数ながら熱烈なファンがついている」のだから、当然フランスでも相当な人気を得ているのだろうと思いきや、どうもそうではないらしい。「レオポルド・ショヴォー? 知らないな。いつごろの人?」というのが現状で、「人名辞典にも、文学史にも、ちょっと探してみたぐらいでは名前が出てこない」のだそうである。そんなこともあるのか!

    この新編の本には、「ルノー君のこと―ショヴォー氏」と、「ショヴォー氏のこと―ルノー君」という、父と息子が互いに相手のことを書いた、という想定の、訳者による創作文が収められている。

    その創作文で、ショヴォー氏は息子のことを「並みのヒューマニストや動物愛護家とはひと味ちがう」感性をもっていると言い、ルノー君は父のことを「天才すれすれの変人だ」と言っている。

    創作だというけれど、翻訳をしていて思わず筆がはずみ、訳しているうちにどんどん気分が乗ってきて、幸福感をおぼえた、という訳者の内には、ショヴォー氏とルノー君がふたりながら住んでるのかもしれへんと思う。それくらい、この部分にはショヴォー氏の文章の続きとして、違和感がない。

    これ以外に近所の図書館にはショヴォー本がないが、他の訳などもまた取り寄せてもらって読んでみたい。

    (10/17了)

  • 子どもがその場で即興で話しているようなストーリーの脈絡の無さ、結末のあっけなさ、それでもお話しとしてちゃんと面白い、それらの具合が絶妙。相手の心を斟酌しない子ども独特の天衣無縫さが揺さぶりをかけてきます。訳者があとがきで「生理と心理の断絶」と表現している。こんな話しを書ける作者はすごい。

    自分はこの挿絵が怖く感じる。本を手にとるのにちょっと勇気がいるので★3つ。インパクトがあるという意味で★5つかも。

    頭が固くなったなーと思うときたまに読みたい。

  • このシリーズが大好きだったのでうっかり手に取る。
    選集なのかな?
    やっぱあの横長のシリーズが欲しい。

  • ちょっと毒の強い
    お話集。
    この出版社のは
    全部の作品が掲載されていないので
    福音館書店版のそれを読みたいなぁ。

    ちなみに表題作も
    いろいろなバージョンの作品が出てきて
    お勧めだけど、最後に出てくる
    「小さなクマの話」も
    最後がかなり怖くてお勧め。

    面白いんだけど
    ちょっと残酷で毒があるのが
    また小気味がいいものです。

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著者プロフィール

レオポルド・ショヴォー  レオポルド・ショヴォーは、故・堀内誠一さんが骨董店の箪笥から発見した一冊の本を導きの糸として、堀内さんと福音館書店が協働して“再発見”した異色のフランス人作家・画家・彫刻家(にして外科医師)です。「20世紀のラ・フォンテーヌ」とも呼ばれる寓話的な物語群、「白と黒の魔法」と讃えられる独自の味わいを持つ絵の数々は、〈ショヴォー氏とルノー君のお話集〉に集約されています。悲運の、と形容するしかない過酷な人生を送ったショヴォーは、その奥深い内面を小説にも表現し、また、中世から脈々と読み継がれた古典の現代語訳にも投影したのでした。

「2015年 『狐物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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