- Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
- / ISBN・EAN: 9784336038340
作品紹介・あらすじ
徒歩旅行の途中で迷い込んだ古い屋敷は、昔買ってもらった人形の家にそっくりだった…。謎めいた象徴、魂の奥処をゆさぶる深い戦慄。幽霊不在の時代における新しい恐怖を描く、今世紀怪奇小説の極北エイクマン初の傑作集。
感想・レビュー・書評
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ロバート・エイクマン。初めて名前を知りました。怖いというよりも不気味な短編集。
(以下訳者あとがきより)
エイクマンは、自らの作品をstrange storyと呼ぶことを好んだらしい。変な、風変わりなでは弱く、あやしげなだろうか。妖艶と怪奇が、エイクマンの作品を味わう時に意識して良い要素。怪しげな物語。幽霊物語。
ゴーストストーリーは、ただ単に人にショックを与えることを旨とするホラー・SFとは一線を画し、詩を書くのと同じ仕方で無意識下の世界を扱い、論理的整合性や道徳臭を感じさせず、精妙を極めた芸術の一様式でなくてはならない。ghostよりspirit
幽霊をみる側の人間の方に主眼を置く。=存在の変化の仕方
主人公はたいてい現代の教養も分別もある人物。彼らは妙な出来事にあっても決して理性を失うことなく、比較的冷静にふるまい続けるが、最後には理性は失わないまま以前の自分とはどこか違った存在になって、そこで物語が唐突に終わる。エイクマンの作品にはオチらしいオチがない。
怪奇小説の出来のよしあし、展開の意外さと雰囲気づくりの巧みさが重要視
学友
髪を束ねて
待合室
恍惚
奥の部屋詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
うまく書けないけどもやもやとした怖さ。イアン・マッキューアンの初期作品が好きな方には気に入ってもらえる気がする。
やはり表題作の「奥の部屋」が一番怖いと思う。子供の頃見ることができなかったドールハウスの奥の部屋。一体どうなっているのか… -
怖すぎてもうやめようかと思った(笑)そして寒い。イメージが極寒。分厚い布団にくるまってチビチビ読むのが良い。しかし怖かった。
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ホラーではあるが、怖さがストレートに伝わってくるというものではなく、むしろ読んでいる間は自分がどこを歩いているのかいまいちわからず、ただ何となく妙な空間に入り込んだ不安と不審だけは強く感じるという、少々つかみにくくて居心地の悪い短編集だと思った。