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本 ・本 (230ページ) / ISBN・EAN: 9784336040077

感想・レビュー・書評

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  • 気になったものだけ。
    「しっかり者の錫の兵隊」アンデルセン
     これは懐かしいね。可愛らしい童話だが実に哀感がある。

  • そうか…人形というテーマなら「クルミ割り人形とネズミの王様」の「しっかり者の錫の兵隊」が収録されるよな、そりゃ…。

    というのから、紀昀『閲微草堂筆記』より「泥人形の兄」のような掌編も収録。
    タイトルのおどろおどろしさとは想像できないほどのほっこりオチでした、が、翻訳前の原話とはサイズもオチもちょっと違うようで。
    でもこれはこれでええよねって言ってる服部正編者の解題に完全に同意。

    乱歩の随筆「人形」、人形に感じるロマンの”人でなし”ぶりに共感してしまうのだから、どうしようもないな…。

    澁澤龍彦の随筆「悪魔の創造」、ゴーレムに西行の反魂秘術、ホムンクルス…。幻視せぬ幻惑者の筆致に酔い痴れる…。

    ラストがトーマス・ブルフィンチの「ピュグマリオン」なのが、なんか…ハッピーエンドのはずなのに…。
    それなのに、壮大な夢オチの序章って感じがして…うん…。

  • 入っているピュグマリオン目当てで読んでいたがそこまでの人形に関わる話が多かった。
    人形関係の本を読みたいという人にはいいかもしれない。

  • 最終巻しか持っていなかったけどやはり気になる書物の王国。欲しい本は欲しい時に買え。至言だ。できる限り新刊で揃えたい。国書刊行会に届け!
    「人形幻想」「蒲団の国」「クルミ割り人形とネズミの王様」「しっかり者の錫の兵隊」「マルスリーヌ」「彫像の呪い」「代書人」「女王人形」「人形つくり」「泥人形の兄」「人形奇聞」「承久二年五月の夢」「人形つかい」「雛がたり」「人形」「ものいう人形」「マリオネット劇場について」「悪魔の創造」「ピュグマリオン」を収録。

    評論、小説、古典とさすがの充実ぶり、二段組の圧が心地よい。そしてどれも安定の面白さ。
    まず「クルミ割り人形とネズミの王様」「マルスリーヌ」に撃沈。夢見る人の現実は得てしてつらい。理解者を得ようとしちゃだめなんだな……夢はひとりで見るのが基本。湖を渡るシーンで、ドロッセルマイヤーさんよりマリーのほうが見込みがあると言うクルミ割り人形はつまり、答え合わせと結末の予告をしているのかも。思えばクルミ割り人形の表情や言葉にはふいにドキリとさせられた。安住の地は同じく夢でありつつ、自分が人間を捨てて人形の仲間入りを果たすジャックには、ディレッタンティズムの精華を見る思い。ジャックがアルレッキーノとなることで、ねじれて環を成す物語なのかもしれない。天井が凌辱済みのペンキ塗りであろうと、ジャックはアルレッキーノなのだから、そこはすなわちパスティナティ宮殿で見た小劇場なのでは。
    「女王人形」も特に衝撃的。静止した美しい思い出にまかれながら、現実に痕跡を見ているのに、「作りものの遺体」の葬儀に息を呑んで何もかも忘れてしまいそう。思い出を本物というカルロスもまた人形に興じていて、終幕の醜い現実から目を背けてしまうのかも。陰惨な話だけど、フエンテスは気になる作家に仲間入り。ぜひ開拓したい。

  • この本の中に「雛がたり(泉鏡花)」があります。
    私にとって、鏡花の文章はまさに「眼福」で、内容はさておき(!)眺めて楽しいものなんですが。

    これ、対象の性質上でしょうか、ホラーアンソロジーじゃなかったよね?って確認したくなるくらい、コワい話揃いです。
    「マルスリーヌ」は極悪非道の女房だし、「代書人」はイってるし、ハーディの「彫像の呪い」なんか、ラストでもう一脅かされ、だし。 

    ラストは当然、ピグマリオンもの。
    この手の話って、なぜか「男性と人形」ですよね??
    まー、男の人形ってのも絵にならないからかしらん。
    それにそーねー、女性の方が現実的かもね・・・・

  • よくできた人形に、私たちは言いようのないあやしさ、不安を感ずる。そんな感覚をくみとった人形にまつわるアンソロジー。種村季弘、ホフマン、レニエ、北原白秋 泉鏡花、江戸川乱歩など19篇。

  • 第7巻 全20巻

  • 古今東西の人形に纏わる小説、エッセイ、詩等19編を収録。ホフマンの『クルミ割り人形とネズミの王様』をワクワクして読み、レニエの『マルスリーヌ』の洒脱さに惹かれた。「あどけないのに不気味であり、可愛らしいのに怖いのである。」〜種村季弘

  • 書物の王国シリーズの第7巻 (全20巻)

  • 讀みたい

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著者プロフィール

1958年、神奈川県生まれ。アンソロジスト、文芸評論家。「幻想文学」「幽」編集長を歴任。ちくま文庫「文豪怪談傑作選」「文豪怪談ライバルズ!」シリーズはじめ編纂・監修書多数。著書に『遠野物語と怪談の時代』(日本推理作家協会賞受賞)『百物語の怪談史』『文豪たちの怪談ライブ』、編纂書に『ゴシック文学入門』『ゴシック文学神髄』、「文豪ノ怪談ジュニア・セレクション」「平成怪奇小説傑作集」「赤江瀑アラベスク」「文豪怪奇コレクション」の各シリーズ、監修書に「怪談えほん」シリーズなどがある。

「2022年 『桜 文豪怪談ライバルズ!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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