ブルゴーニュ公国の大公たち

  • 国書刊行会
4.00
  • (2)
  • (3)
  • (2)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 15
感想 : 3
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (501ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784336042392

作品紹介・あらすじ

中世末ヨーロッパにあって、最も強大な国力を誇り、壮麗な文化国家をきずいたブルゴーニュ公国-フィリップ善良公やジャン無怖公など史上稀にみる偉大な君主のもと、本国フランスをも上回るまばゆいばかりの歴史を世界地図の上に記した美の一大帝国の、知られざる全貌をあますところなく俯瞰した本邦初の大著。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • カペー家が断絶してヴァロワ家に王朝がスイッチする事情が詳細に検証される「第3章 フィリップ・ド・ルーヴルの後継ぎ」が興味深い。これってつまり、本家から分家した後も、可能な限り(娘なら)本家に嫁にやるか(息子なら)本家から婿を取るかして、徹底的に近親関係を保ってると、本家の跡継ぎが絶えた時に棚ボタ…って寸法よね。

    更に、シャルル6世がバイエルンから妃を迎えた背景には、初代ブルゴーニュ公の東方政策が窺える。

    なお、28-29pの《カペ家とヴァロワ家》家系図に誤植あり。フィリップ5世の妃はブランシュではなく(ブランシュの実姉)ジャンヌ(ブランシュはシャルル4世の妃)。39pの家系図参(こちらは没年が違うw)。
    あと429p、マリー・ド・ブルゴーニュが19歳の時、王太子シャルルは7歳。

  • 美術史好きなくせに、西洋史をあまり知らないのでお勉強がてら。
    14,15世紀のヴァロア朝ブルゴーニュ公の4代記。
    ・フィリップ・ル・アルディ
    ・ジャン・サン・プール
    ・フィリップ・ル・ボン
    ・シャルル・ル・テメレール

    シャルルの没後に公国は崩壊してしまうが、何なら逆に、フランスがイギリス・ブルゴーニュ同盟軍によって解体されるというあらすじも考えられなくはなかった。
    現在のフランスとドイツの間に、フランドルからアルザス・ロレーヌ、もしかしたらマルセイユにまで至る国が残ったとしたらどうだっただろうか。

    著者によれば彫刻家スリューテルはミケランジェロに匹敵すると言う。あとはヤン・ファン・エイク。スリューテルは現存作品は少ないみたいだが、いずれ見にいきたい。


    フィリップ、ジャン、シャルル、ルイなど、名前の数が少なくて、読んでて混乱した。苗字の種類は多そうだけど。詳しく知らないが、西洋貴族はフルネームで婚姻系譜が辿れるように長々しくするから、名前はあまり気にしないのか。
    日本は逆で、姓は源平藤橘など多くないわりに、名前のかぶりはないように思う。

  • 少々書かれた時期が古いのですが、ヴァロワ朝から派生したブルゴーニュ公国のフィリップ・ル・アルディ(フィリップ豪胆公)、ジャン・サン・プール(ジャン無怖公)、フィリップ・ル・ボン(フィリップ善良公)、シャルル・ル・テメレール(シャルル突進公)の4代の事績を中心について書かれています。前述の堀越氏の本よりわかりやすく、かつ詳細に書かれているかと思います。
    難点は値段が少々高いことでしょうか。

全3件中 1 - 3件を表示

著者プロフィール

ジョゼフ・カルメット(Joseph Calmette): 1873‐1952年。ペルピニアン生まれ。フランス中世史の権威。エコール・デ・シャルト(国立古文書学校)卒業。ディジョン大学、トゥールーズ大学などで教鞭をとる。著書に『封建世界』『シャルル5世』『ヴェズレーの華やかなりし日々』(共著)など、邦訳書として『ジャンヌ・ダルク』(岩波書店)、『シャルルマーニュ』(白水社)がある。

「2023年 『ブルゴーニュ公国の大公たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ジョゼフ・カルメットの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×