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Amazon.co.jp ・本 (350ページ) / ISBN・EAN: 9784336043849
感想・レビュー・書評
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台湾現代文学。台湾の共産党トップの座についた女性、謝雪江の生涯を描く小説。1901-1970の生涯はアジアの20世紀を体現しているとも云える。日本植民地→国民党白色テロ→中国に亡命して遭遇した文革、3つの時代を生きた活動家。この史実を追うだけでも勉強になる。
度重なる謝雪江の性愛描写は、本作の特徴のひとつで、濃密。これらは、センセーショナルを際立たせる目的ではなく、家父長制からの解放という台湾の女性独立問題を語って雄弁であり、ひとりの女性のエネルギッシュな生のほとばしりとしても感動的。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
台湾を代表する女流作家、李昂(リーアン)、1999年の作品。戦後国民党政府により長く続いた戒厳令が解かれて、政治意識の発露から取り上げたがかつて台湾共産党のリーダー謝雪紅だった。
日本統治下から国民党支配の時代、長く抑圧されてきた台湾の民衆のなかでもさらに抑圧されてきた女性の立場。父の葬儀代の肩代わりに身売りをされた経験をもちながらも、男尊女卑という旧い因習や植民地としての民族支配を乗り越え、女性として革命家として、自らアイデンティティーを獲得していき台湾共産党のリーダートップまで上り詰めた謝雪紅の生涯を描く。
本来、フェミニズム文学として価値がある作品なのだろうが、戦前の日中台の共産党の状況、「渡政」(わたまさ)とか「山川イズムや福本イズム」が出てくるところが面白かった。
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