美少年日本史

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  • 国書刊行会
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  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784336043986

作品紹介・あらすじ

天草四郎や森蘭丸をはじめとした、日本の歴史を彩る"美少年"像の変遷を、驚異的な博識でもって語りつくす。

感想・レビュー・書評

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  • 古事記の時代から美少年をキーワードに日本史を紐解いた1冊。各時代の歴史上の美少年とそのエピソードを紹介しつつ日本史の勉強にもなり一石二鳥なのだけど、平安、室町、戦国時代くらいまでは歴史上の人物中心だったのが(エピソードは後世の創作もあるにせよ)、なぜか江戸後期~幕末くらいからトーンダウンして、それまでの武将などから急に歌舞伎役者中心になり、さらに実在しない文学上の人物の羅列になってしまったのがちょっと個人的には消化不良だった。

    あと八犬伝オタク的に「八犬士は映画などでは美少年がずらりと勢揃いしますが、実は年齢差が大きいんですよ。最後に登場する犬江親兵衛は、皆が成人しても、まだ幼児なんです。ですから、八人揃って闘うなんてことになると、一方はもう初老になっているわけです。(P288)」という部分はちょっと酷い(笑)確かに兄貴分の犬士たちと親兵衛の年齢差は15歳くらいあるけど、神童・親兵衛は物語終盤でも9歳くらい(外見はその倍くらい)で他の犬士たちも20代半ば。これを初老よばわりはあんまりじゃないかしら。

    書き下ろしならぬ「語り下ろし」なので、文体は独特の講義口調というか語り掛け口調で読みやすいけれど、ちょっと途中で飽きちゃうきらいもある。近代も歴史上の人物ではなく作家の創作物の中の美少年の話でちょっと趣旨が変わってきちゃってたような…。とはいえ全体的にはとても面白かったのでおおむね満足です。

  • 稲垣足穂にやりたい放題と宣う須永朝彦氏だが、氏も大概やりたい放題だと思ったがな…笑

  • 歌も詩もいやなる物は花の枝稚児【ちご】喝食【かつしき】の恋のよがたり
    「新撰犬菟玖波集」

    日本史の教科書でおなじみの足利義満、織田信長、徳川家光らの共通点とは。さまざまにありそうだが、寵愛する小姓がいた、という共通点もあるそうだ。

    ボーイズラブ(少年同士の恋愛物語など)好きの女子学生に紹介された「美少年日本史」は、古代から現代の漫画まで、「美少年」の存在をさまざまに解説した1冊。
    図版を見るだけでも発見があるが、「古事記」など神話の時代から、年長者に愛された美少年のエピソードには事欠かないらしい。意外にも、「万葉集」にも、大伴家持が藤原久須麻呂という少年に贈った恋歌が5首あるという。もっとも、国文学者はそれらを恋歌と認めていないそうだが…。

    ところで、「少年」も「美少年」も、もとは中国の言葉で、日本では近世から多用されるようになったことを初めて知った。それまでの倭【やまと】言葉では、美少年にあたる言葉は「稚児」だったのだ。

    掲出歌は、俳諧連歌のパロディーのような歌で、「稚児」「喝食」は、寺で暮らす少年たちのこと。まだ遊びたい盛りなので、和歌や漢詩の勉強は「いや」だけれど、もっと「いや」なのは、お坊さんたちが「花の枝」に結び付けて夜な夜な送り付けてくる恋文だ、というオチ。そうなると、美少年「受難史」とも言えそうだ。

    著者の須永朝彦は歌人でもあり、和歌や現代短歌の引用が多いのも特徴である。興味本位の話題に終わらず、日本文化を再考させ、目配りよく材料を揃えた学際的な書。
    (2016年10月23日掲載)

  • 「思ひ出づる 常盤の山の岩つゝじ いはねばこそあれ 恋しきものを」天草四郎・森蘭丸から美輪明宏・郷ひろみまで、歴史の陰に「美少年」あり。あまたの「美少年」にスポットをあて、日本史の変遷に迫る。*愛媛出身の画家・高畠華宵の挿絵あり。【中央館2F-東2 210.04/SU】

  • 7/12 読了。
    少年愛史、および少年搾取の歴史。

  • 神代の時代から現代までの日本史上の美少年について、これでもかというくらいとりあげまくった本。
    語り口調が軽妙で、「まあ、美少年だったんでしょうね」的なノリが楽しくて仕方ない。
    苦手だった保元・平治の乱あたりも興味を持てそうな気がしてきました。
    近代以降ももっと詳しく取り上げてほしいな。

  • 神話から平成までを網羅した美少年紹介本。日本の美少年=衆道となるのでその話題も入ってます。しかしあくまで美少年の紹介であって、衆道目当てで読んだら物足りない。語り口調で書いてあるので読みやすい。

  • タイトルが気になって借りてみた本。
    けっこう面白かったです。

  • 未読ですが自分メモのため登録ー

    超読みたい

  • その昔、日本史の中の美少年という美少年達をストーカーしまくっていた頃の私の超バイブルだった本(笑)
    神話時代から平成まで、ありとあらゆる「美少年」が作者により熱く熱く熱く語られています。素敵!
    在原業平や天草四郎なんていうメジャーどころは勿論、マイナーな美少年もとりあげられていて、読み終わった後には美少年マスターになれる事間違い無し!
    ・・・・・・・なんか不名誉ですけど。

    私的にうけたのは「細川男色列伝」。
    一族皆是男色!\(´∀`)/
    文中には「かなり変人でしょう?」と作者さんから読者への妙な断定色の強い問いかけがあったりして、なんていうか・・・面白い(笑)
    この章に限らず、本全体がすごく読みやすいので、ただの読み物としてもオススメですー。

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著者プロフィール

1946-21年、足利市生まれ。歌人・作家・評論家。71年に評伝『鉄幹と晶子』を、72年に歌集『東方花傳』を上梓。74年発表の『就眠儀式』以来、幻想的で独自な作風の小説を発表、また幻想文学作品集の編集にも多く携わる。著書に『定本須永朝彦歌集』、『悪霊の館』、『天使』、『須永朝彦小説選』(山尾悠子編)など。

「2022年 『王朝奇談集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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