屋根裏の二処女 (吉屋信子乙女小説コレクション) (吉屋信子乙女小説コレクション 2)

  • 国書刊行会
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  • Amazon.co.jp ・本 (347ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784336044839

作品紹介・あらすじ

吉屋信子の"乙女小説"を厳選するコレクション、第二巻。寄宿舎を舞台に、二人の"処女"の愛と尊厳を描き上げた信子の原点というべき重厚なる半伝記小説。その内容故に、現代まで「禁断の書」として秘かに語り継がれた物語の真の全貌を、今、時空を超えて明らかにする。大好評、嶽本野ばらによる解説・註釈も更に充実。

感想・レビュー・書評

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  • 乙女の描写が美しい。可憐。胸がくすぐったくなる。
    吉屋信子先生のまだ若い筆。まだ削げる無駄がある文であったが、ところどころに滲み出る女性への尊厳を感じる作品。
    嶽本野ばら氏の解説も併せて、作品への愛、処女(おとめ)への愛が凝縮されている。
    素敵が言葉として出てくる前に、吐息になってしまう。

  • 吉屋信子的自傳型私小說。「心の要が抜けていたのではない、人一倍のがむしゃらな『自我』を強くはびこらせていた娘であったのではないか」。好像缺乏中心,不知為何出生在這個世界,也不知道為何而活,也不知道將來怎麼辦,只是隨波逐流但又無法被安放在一般世俗期待的位子上。四處碰壁,天涯孤獨的章子,在教會宿舍認識了秋津さん、豪爽的工藤さん和好幾個一起組成黑手套的友人。秋津與章子之間展開了戀情,但也遇到另外一個美女男爵夫人,讓兩人之間的感情疑似不穩。但最後章子要退宿秋津向她坦承一切(夫人也不知為何而活,想找秋津一起尋死),也決意和她一起走。
    這是第一次讀少女小說,故事很夢幻,因此反而很難移入。秋津很美,但沒有讓我感受到任何魅力。實在很擔心這兩個人出社會之後要怎麼活,因為太不現實了,而如果沾染現實味就不是少女小說了,被生活的塵埃所掩蓋,甚至被生活的重負給壓得喘不過氣來的時候,到時候她們又怎麼思索人生?

    結果....後來才知道,人家好得很,不用擔心。

  • ・前半のまわりっくどい描写が、著者の代表作『わすれなぐさ』と違っていて、読みづらいこの上なかったけども、最後屋根裏部屋を追い出されるシーンとかは、深く心に染み入ったので、最後まで読んでもらいたなと思った。

  • 2018/05/29-06/07

  • 何のために生きているのか。それが分からないのに日々頑張れる人が信じられない。報われないなら何もしない方がマシ。そんな主人公にそこはかとなく共感。
    もうちょっといちゃいちゃしてくれてれば後半の離別からの復縁のカタストロフが増したろうに。過剰にこってりな文学的表現も削ぎ落としてくれればなおよし。

    秋津環って、すごい綺麗な名前だ。

  • 横から嶽本野ばら氏に熱く話される気分になる注釈が印象的

    何きっかけで読み始めたんだっけな、たぶん桜庭和樹の「私の男」
    を読んだ頃でしょうか。
    メモしてから読むまでだいぶ時間がかかりました。

    読んだらびっくり。脚注の印象的なこと。
    嶽本野ばらさんが註釈をまとめられたということで、
    脚注を読みに行くたびに、
    オネエの人が横で説明してくれているような気分になりました。

    大正時代に書かれたということを置いたとしても、
    自分の知らない単語、用語が多く、
    それを吸収していこうと、付箋して調べたページが36ページ。

    まだまだ自分には知らない事がたくさんある。せっかく読むなら、
    そういった新たな発見があるような本を読んで、
    自分の糧にしたいなと思った次第です。

    内容的には、23歳の時に書かれた内容ですので、女学生ぷりに
    びっくり。
    吉屋信子先生といえば、徳川の夫人たちのイメージで
    挑んだわけですから、あら、文章が若々しいと。
    調べたら徳川の夫人たちの46年前に書かれた本ですもの、
    それはそうなりますよね。

    日本の状況、特に女性の立場というものを考えると閉塞感の中、
    多くの女性、少女に人気になったことも理解できます。

    花物語、か、わすれなぐさを読もうかな。嶽本さんはひたすらに
    わすれなぐさを推していましたね。
    嶽本さんも気になっちゃって、下妻物語でも読んでみようかしらとも
    思いました。

  • 素敵な百合小説。表現も美しい。野ばら先生の解説面白すぎ

  • キリスト教系寄宿舎の三角の青い屋根裏部屋に住まう事になった人の世に興味を失い、萎んだ姿で生きていく滝本章子は同じ屋根裏部屋の隣に住む秋津環に恋をする。何時も涼しく静かな瞳をしている環は実は何故自分はこの世に生まれてきたのか、何を一体するために、という2つの"why"という自我を持て余していた。屋根裏部屋を退去させられる事になった章子に環は2人で一緒に自我を探す人生に出ようと自分も一緒に出て行く事を提案する。大正5年に書かれた、昔流行った女性同士の「エス」以上の絆と女性の自我を描いた作品。工藤さんが印象的。

  • ようやく読み終わった。なんというか、これという大きなエピソードがあるわけではなく、将来に対する探訪の見えない不安定な年頃の少女の淡い思いを淡々と綴っている作品ですね。文章が独特で、時に読みづらさもありましたが、これを堪能できなければ乙女失格なのでしょうか?

  • 青春。

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著者プロフィール

1896年、新潟市生まれ。52年「鬼火」で女流文学賞、67年菊池寛賞を受賞。『花物語』『安宅家の人々』『徳川の夫人たち』『女人平家』『自伝的女流文壇史』など、幅広いジャンルで活躍した。著書多数。73年逝去。

「2023年 『返らぬ日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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