短篇ベスト10 (スタニスワフ・レム・コレクション)

  • 国書刊行会
3.96
  • (8)
  • (7)
  • (7)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 150
感想 : 14
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784336045058

作品紹介・あらすじ

集団主義のイデオロギーによって個人が厳しく抑圧される様を、独裁者の支配下、人びとが水の中に住むことを強制されている星に仮託して風刺的に描いた「航星日記・第十三回の旅」、大事故にあった宇宙船の中に唯一生き残った、壊れかけのロボットに秘められた謎を追った「テルミヌス」、高性能コンピュータに人類の歴史のありとあらゆる情報を吸収させた上で詩を作らせる、抱腹絶倒の言葉遊び「探検旅行第一のA(番外編)、あるいはトルルルの電遊詩人」など、本国ポーランドの読者人気投票で選ばれた15篇の短篇から、新訳の10篇をセレクト。レムの短篇の神髄ともいうべきえりすぐりの傑作選。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • スタニスワフ・レム生誕100周年記念 トートバッグ|国書刊行会
    https://www.kokusho.co.jp/np/isbn/9784336072863/

    ポーランド映画祭
    http://www.polandfilmfes.com/

    短篇ベスト10|国書刊行会
    https://www.kokusho.co.jp/np/isbn/9784336045058/

  • 理解しきれないけれど心地良い奇っ怪な世界に浸りました

  • 風刺や言葉遊びがよく分からなくて、半分も面白さが感じ取れてないんだろうなと思う。でも理解できないなりに楽しかった。「航星日記・第二十一回の旅」は、人類(一応異星人だけど)が生命を自由にデザイン出来るようになるとどれだけ悲惨になるかがすごい迫力で伝わってくる。宗教と生命のが関連は基礎知識なさ過ぎで、ちんぷんかんぷん。「航星日記・第十三回の旅」では、主人公が、住民が水中で暮らす事が快適だというイデオロギーに支配された星に囚われる。水中はじめじめしていると本当の事を言うと逮捕される理不尽な社会がユーモラスに描かれてるがラストは心底ゾッとさせられた。人の最期の切実な叫びを永遠に記憶してしまったロボットの話「テルミヌス」も映画的で印象に残る。

  • 意外に面白さと世界にはまってしまった。元々SFは苦手で理解が困難で、自分には到底理解不可能と思いながら本を握り締める。現代ではない、宇宙空間の話。旅してる間に理不尽に捕まり、理不尽な世界を教養させられる。話のわかる、通じる人との会話が結構自分には興味ぶかくて。見た目そっくりで毎日仕事内容が交代する世界。なぜなんだ?と主人公は思う。同じこと毎日やっても、毎日違う仕事しても、違わない。一人一人の見分けさえつかないんだから、キャハ。楽しそうだな、なんか。世界が変わっても考えることは案外一緒?

  • さすがレム、IQ180あるだけあって文章が難しい。
    少しずつ読んで2ヶ月くらいかかった。
    洗濯機がむちゃくちゃ高性能になっていく『洗濯機の悲劇』や泰平ヨンシリーズあたりの読みやすいやつがよかった。
    『仮面』を読み、ドゥニ・ヴィルヌーブ監督の『複製された男』を思い出した。

  • SF。短編集。
    はっきり言ってメチャクチャ読みづらい!けど、読めれば面白い。
    意外にもユーモア溢れる。
    「三人の電騎士」「ムルダス王のお伽噺」「航星日記・第十三回の旅」あたりが好き。

  • 三人の電騎士
    航星日記・第二十一回の旅
    洗濯機の悲劇
    A・ドンダ教授 泰平ヨンの回想記より
    ムルダス王のお伽噺
    探検旅行第一のA(番外編)、あるいはトルルルの電遊詩人
    自励也エルグが青瓢箪を打ち破りし事
    航星日記・第十三回の旅
    仮面
    テルミヌス

  • ひとりレム祭り第2弾。

    まず、冒頭の「三人の電騎士」にシビれる。「仮面」もそうだし、レムってファンタジーも書けるんだ!まさにハードなファンタジー。
    読者の人気は低いらしいけれど、最後の「テルミヌス」ってもうホラーだね。やっぱりピルクス・シリーズが面白いけれど、この短編集で今までスルーしてきたロボット物語も結構面白いことを発見。探してみよう。

    やっぱり、レムはすごいぞ!

  • 改訂を重ね訳が変われども、やはり第二十一回の旅が秀逸

  • レム短篇の神髄を集めたベストオブベストらしい。ドタバタコメディやファンタジー風の小話の中にもシニカルな文明批評や哲学的考察が詰め込まれている。圧倒的な知性にのみ可能な悪ふざけ。ぶっ飛んでるなぁ。

全14件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

スタニスワフ・レム
1921 年、旧ポーランド領ルヴフ(現在ウクライナ領リヴィウ)に生まれる。クラクフのヤギェロン大学で医学を学び、在学中から雑誌に詩や小説を発表し始める。地球外生命体とのコンタクトを描いた三大長篇『エデン』『ソラリス』『インヴィンシブル』のほか、『金星応答なし』『泰平ヨンの航星日記』『宇宙創世記ロボットの旅』など、多くのSF 作品を発表し、SF 作家として高い評価を得る。同時に、サイバネティックスをテーマとした『対話』や、人類の科学技術の未来を論じた『技術大全』、自然科学の理論を適用した経験論的文学論『偶然の哲学』といった理論的大著を発表し、70 年代以降は『完全な真空』『虚数』『挑発』といったメタフィクショナルな作品や文学評論のほか、『泰平ヨンの未来学会議』『大失敗』などを発表。小説から離れた最晩年も、独自の視点から科学・文明を分析する批評で健筆をふるい、中欧の小都市からめったに外に出ることなく人類と宇宙の未来を考察し続ける「クラクフの賢人」として知られた。2006 年死去。

「2023年 『火星からの来訪者』 で使われていた紹介文から引用しています。」

スタニスワフ・レムの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
スタニスワフ・レ...
アンナ・カヴァン
ロベルト ボラー...
ジーン・ウルフ
リチャード パワ...
アンディ・ウィア...
ステファン グラ...
アンナ カヴァン
マルセル・シュオ...
劉 慈欣
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×