高い城・文学エッセイ (スタニスワフ・レム コレクション) (スタニスワフ・レムコレクシヨン)

  • 国書刊行会
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本棚登録 : 133
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (443ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784336045065

作品紹介・あらすじ

発明と読書と秘密文書作成に明け暮れた、恐るべき子供時代の記憶と、SF・構造主義・文学等をめぐる大胆かつ精密な議論&エッセイ。作家レム誕生前史とその思考を示す、レム・ワールドのふたつの極地。

感想・レビュー・書評

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  • レムの少年時代の自伝。戦争の雰囲気が高まっていく時代のレム少年は全くロクでもない。そのロクでもなさを自ら無慈悲に描写していくところがレム。ブレッドベリとは根本的に違う。ノスタルジックな甘さはない。だから読む方も気合が必要。自分の世界を作り上げ妄想に暮らしていく姿は映像研には手を出すなの浅草氏に繋がって面白かった。いつの時代にもいるのだな。ただ外に向けて発信しているかいないかの違い(それは大きな違い)。
    その他評論集。硬く難しい用語・表現が続出で読む者の技量を問われるし、気力を奪っていく。でも鋭いな。
    文学エッセイもSFそのものについてから始まり、ドストエフスキー、ナボコフのロリータ、宇宙戦争、ボルヘス、ストルガツキー兄弟のストーカー、極付きはフィリップ・K・ディック!レムとロリータ、ディックってあまり結びついていなかったのでびっくり。きちんと考えるって大事だね。

  • レムの自伝的エッセイと評論を収録。変な遊びに熱中する若き日のレム君が愛おしくてたまらない。評論は難解だけどレムのSFに対するこだわりがうかがい知れて興味深い。で、レムとディックって仲悪いの?

    • diver0620さん
      こんにちは。
      >レムとディックって仲悪いの?
      もう、これだけで読みたくなりました。笑
      こんにちは。
      >レムとディックって仲悪いの?
      もう、これだけで読みたくなりました。笑
      2011/08/10
  • 系推薦図書 総合教育院
    【配架場所】 図・3F開架 
    【請求記号】 989.83||LE
    【OPACへのリンク】
     https://opac.lib.tut.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=186570

  • 「高い城」
    幼年時代の、善悪からも、因果関係からも解放された奔放なエネルギーが、タイムカプセルのように封じ込められている。

  • 自伝エッセイ『高い城』と文学評論を収録。
    『高い城』はエッセイに分類されるのだろうが、物語を読んでいるようだった。ちょっとクロポトキンの『ある革命家の思い出』に似ている気がする。記憶の中の風景を描写しながら、一種の郷愁に駆られるところが……。
    『文学エッセイ』は書評集。SFというジャンルについてのものと、特定の作家についてのものに別れるが、後者の方が面白かった。具体例が色々と出てくるからだろう。

  • [ 内容 ]
    発明と読書と秘密文書作成に明け暮れた、恐るべき子供時代の記憶と、SF・構造主義・文学等をめぐる大胆かつ精密な議論&エッセイ。
    作家レム誕生前史とその思考を示す、レム・ワールドのふたつの極地。

    [ 目次 ]
    高い城
    文学エッセイ(偶然と秩序の間で―自伝;SFの構造分析;メタファンタジア―あるいは未だ見ぬSFのかたち;ツヴェタン・トドロフの幻想的な文学理論;ドストエフスキーについて遠慮なく;H.G.ウェルズ『宇宙戦争』論;対立物の統一―ホルヘ・ルイス・ボルヘスの散文;ロリータ、あるいはスタヴローギンとベアトリーチェ;A&B.ストルガツキー『ストーカー』論;フィリップ・K.ディック―にせ者たちに取り巻かれた幻視者)

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  • 2006/11/3購入

  • 積読中。未読のため、★5つ。

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著者プロフィール

スタニスワフ・レム
1921 年、旧ポーランド領ルヴフ(現在ウクライナ領リヴィウ)に生まれる。クラクフのヤギェロン大学で医学を学び、在学中から雑誌に詩や小説を発表し始める。地球外生命体とのコンタクトを描いた三大長篇『エデン』『ソラリス』『インヴィンシブル』のほか、『金星応答なし』『泰平ヨンの航星日記』『宇宙創世記ロボットの旅』など、多くのSF 作品を発表し、SF 作家として高い評価を得る。同時に、サイバネティックスをテーマとした『対話』や、人類の科学技術の未来を論じた『技術大全』、自然科学の理論を適用した経験論的文学論『偶然の哲学』といった理論的大著を発表し、70 年代以降は『完全な真空』『虚数』『挑発』といったメタフィクショナルな作品や文学評論のほか、『泰平ヨンの未来学会議』『大失敗』などを発表。小説から離れた最晩年も、独自の視点から科学・文明を分析する批評で健筆をふるい、中欧の小都市からめったに外に出ることなく人類と宇宙の未来を考察し続ける「クラクフの賢人」として知られた。2006 年死去。

「2023年 『火星からの来訪者』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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