高い城・文学エッセイ (スタニスワフ・レム コレクション) (スタニスワフ・レムコレクシヨン)
- 国書刊行会 (2004年12月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (443ページ)
- / ISBN・EAN: 9784336045065
作品紹介・あらすじ
発明と読書と秘密文書作成に明け暮れた、恐るべき子供時代の記憶と、SF・構造主義・文学等をめぐる大胆かつ精密な議論&エッセイ。作家レム誕生前史とその思考を示す、レム・ワールドのふたつの極地。
感想・レビュー・書評
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レムの少年時代の自伝。戦争の雰囲気が高まっていく時代のレム少年は全くロクでもない。そのロクでもなさを自ら無慈悲に描写していくところがレム。ブレッドベリとは根本的に違う。ノスタルジックな甘さはない。だから読む方も気合が必要。自分の世界を作り上げ妄想に暮らしていく姿は映像研には手を出すなの浅草氏に繋がって面白かった。いつの時代にもいるのだな。ただ外に向けて発信しているかいないかの違い(それは大きな違い)。
その他評論集。硬く難しい用語・表現が続出で読む者の技量を問われるし、気力を奪っていく。でも鋭いな。
文学エッセイもSFそのものについてから始まり、ドストエフスキー、ナボコフのロリータ、宇宙戦争、ボルヘス、ストルガツキー兄弟のストーカー、極付きはフィリップ・K・ディック!レムとロリータ、ディックってあまり結びついていなかったのでびっくり。きちんと考えるって大事だね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
レムの自伝的エッセイと評論を収録。変な遊びに熱中する若き日のレム君が愛おしくてたまらない。評論は難解だけどレムのSFに対するこだわりがうかがい知れて興味深い。で、レムとディックって仲悪いの?
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2011/08/10
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系推薦図書 総合教育院
【配架場所】 図・3F開架
【請求記号】 989.83||LE
【OPACへのリンク】
https://opac.lib.tut.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=186570 -
「高い城」
幼年時代の、善悪からも、因果関係からも解放された奔放なエネルギーが、タイムカプセルのように封じ込められている。 -
自伝エッセイ『高い城』と文学評論を収録。
『高い城』はエッセイに分類されるのだろうが、物語を読んでいるようだった。ちょっとクロポトキンの『ある革命家の思い出』に似ている気がする。記憶の中の風景を描写しながら、一種の郷愁に駆られるところが……。
『文学エッセイ』は書評集。SFというジャンルについてのものと、特定の作家についてのものに別れるが、後者の方が面白かった。具体例が色々と出てくるからだろう。 -
[ 内容 ]
発明と読書と秘密文書作成に明け暮れた、恐るべき子供時代の記憶と、SF・構造主義・文学等をめぐる大胆かつ精密な議論&エッセイ。
作家レム誕生前史とその思考を示す、レム・ワールドのふたつの極地。
[ 目次 ]
高い城
文学エッセイ(偶然と秩序の間で―自伝;SFの構造分析;メタファンタジア―あるいは未だ見ぬSFのかたち;ツヴェタン・トドロフの幻想的な文学理論;ドストエフスキーについて遠慮なく;H.G.ウェルズ『宇宙戦争』論;対立物の統一―ホルヘ・ルイス・ボルヘスの散文;ロリータ、あるいはスタヴローギンとベアトリーチェ;A&B.ストルガツキー『ストーカー』論;フィリップ・K.ディック―にせ者たちに取り巻かれた幻視者)
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2006/11/3購入
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積読中。未読のため、★5つ。